JCLIF レポート

ユニクロの声明に対するグローバル・ソリダリティ・アクションの回答 (7月21日)

7月15日に世界各地で行われたユニクロ委託工場労働者への連帯アクションと同じ日にユニクロがこの問題について声明を発表しています。

◎中国 深圳の縫製工場Shenzhen Artigas Clothing & Leatherwareにおけるストライキについて(7/15更新)

この声明が委託工場側の言い分のみを反映しているとして、アクションを呼びかけたグループのfacebookで反論が掲載されていましたので翻訳しました。

同facebookには15日のあとも各地から送られた連帯のフォト・アクションの写真が掲載されています。

同facebookによると、ここ一週間のあいだ、現地では警察が労働者代表らを拘束して、労働者全員が会社側が提示する補償内容に同意する署名をすれば拘束した労働者代表全員(6名)は釈放される、というめちゃくちゃな恫喝を行っています。

以下、ファーストリテイリングおよびユニクロに対して、具体的な行動を通じてこの問題を解決することを訴える声明の翻訳です。

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全球声援慶盛工友 Global Solidarity action to support Artigas workers

7月21日

声明を発するだけが社会的責任ではない
ユニクロは労働権への尊重を行動で示すべきである
ユニクロの声明に対するグローバル・ソリダリティ・アクションの回答

慶盛廠のストライキは40日を超えて続いています。経営側による弾圧と責任回避が引き起こした労働者の老齢年金と合法的な権利の破棄は、世界の八つの地域の労働組合と労働団体によるソリダリティ・アクションを触発することとなりました。アクションでは、ファーストリテイリング(以下、ファ社)が委託工場における搾取に対して責任を負うべきであり、オーダーの中止などに踏み込むべきではないことを訴えました。ファ社は7月16日に声明を出しましたが、それはLever Style社[慶盛廠の経営資本]の言い分だけを反映したものであり、慶盛廠の労働者が提起した反論の証拠や訴えを完全に無視したものであり、企業の責任を完全に果たしたとは言えません。慶盛廠側の一方的な言い分については、以下のように再検証する必要があります。

1)工場側は労働者との対話を継続しておらず、ホットラインの設置は双方向の協議とは言えません。Lever Style社6月5日からずっと労働者が提出している団体交渉申し入れ書を拒否し続けてきましたが、最終的に7月1日と2日の二日間だけ労働者代表との会談をおこないました。この会談ではなんら合意に達しませんでしたが、Lever Style社は一方的に交渉を打ち切り、労働者とは個別にしか対応しないことを宣告し、また電話によるホットラインを設置することで、再度の団体交渉を拒否するに等しい行為を行いました。労働者は7月9日にユニクロに対する声明で、慶盛廠のような対話方式ではなく、労働者と対等な交渉を再度行うように働きかけるよう求めました。

2)工場移転問題について、ファ社は慶盛廠側の言い分だけを反映しており、労働者が提起した根拠や訴えを考慮していません。労働者たちが6月28日にLever
Style社に対して行った反論によると、工場移転は就業地点および労働契約の変更に関係することから、会社側は労働者全体との討論を行う必要があり、労働者代表との対等な協議を通じて方針を確定しなければなりません。団体交渉を拒否することはできないのです。加えて、労働者はこれまで何度も社会保険料に未納部分があること、時間外賃金と高温手当がカットされてきた問題が未解決なことを訴えてきました。この問題については、二度にわたって政府部門に対して陳情を行っています。今回の労使紛争についてファ社が客観的な調査を行っていない場合、委託工場の労働条件を一定水準に合致させるという責任を果たしていないことになるでしょう。

3)慶盛廠は団体交渉申入書を提出した労働者代表の一人を解雇しています。会社側の声明では労働者を解雇していないと言っていますが、労働者や労働団体が公表した公開状では、6月8日に労働者代表の呉偉花は解雇を通知されて工場敷地内に立ち入ることを拒否されていることが指摘されています。

ファ社は社会的責任を重視する企業イメージの確立を重要視してきましたが、それは声明を発して関心を示すだけの机上の空論に終わらせてはなりません。わたしたちは再度ファ社に対して、サプライチェーン全体の労働者の権利の尊重を現実のものとするために、実際の行動をとることを求めます。

1、工場と労働者代表の対等な団体交渉を設定するために早急に行動を起こすとともに、担当者を派遣して一連の会議に参加させてください。
 2、慶盛廠の労働者が訴えている工場側の違法行為という告発を真摯に受けとめ、独立した調査を行い、労働者代表と直接接触してください。
 3、解雇補償金および社会保険料の 滞納について、工場側が法律に従って補償するよう責任をもって実施させてください。
 4、呉偉花さんが無罪釈放されるよう協力してください。


<2015年 後半>

<2015年 前半>

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