JCLIF レポート

十和田電子廠(東カン市)のストが7日目に突入(11月13日)

こんばんは。会員のIYです。

広東省東カン市の日系企業「十和田電子廠」でのストライキが続いています。

加工貿易の会社から100%独資へと会社登記を変更し、労働者と新たに雇用契約を結ぶ必要がでました。労働者らは、会社都合でいったん解雇されることになるのだから、まず解雇補償金を支払ってから新しい雇用契約を結ぶべきだと、労働法の趣旨に則った主張をしているようです。これまでとこれからの搾取をかんがみれば、当然の補償要求です。

しかし多くの加工貿易会社を抱える地元当局は、十和田電子が補償金を支払ってしまえば、加工貿易許認可期間を終えたほかの企業が、独資への転換ではなく資本撤退を選択するだろうと考え、十和田電子が補償金を支払うことをよしとしていません。

資本撤退は現地当局にとって業績評価のひとつであるGDP成長率に悪影響をもたらすことから、資本撤退につながるような雇用コストの上昇はなんとしても避けたいという姿勢が垣間見えます。ここにも「中国の特色ある社会主義制度」の実態の一端を見ることができます。

以下、スト7日目(11月13日)の様子を報じたウェブニュースです。原文ページに拘束された仲間を救い出すために警察車両を取り囲む労働者らの写真もあります。

原文ページ
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十和田電子ストライキ(11/13)


 


中国:東カン市の日系企業、十和田電子廠のストが7日目に突入
2013年11月13日

広東省東カン市の「香港十和田電子廠」の労働争議は7日目に入り、会社側は2000人の労働者全員に対して最後通牒を出した。14日(木曜)までに職場復帰をしなければ自動的に離職手続きを行うというものである。だが労働者は闘争を継続している。

広東省東カン市樟木頭鎮の日系企業だった「香港十和田電子廠」の全労働者2000人は、会社経営の変更で法律にしたがった補償を行わなかったことから、11月7日から全体でストライキで抗議した。行動は11月13日で七日目に突入した。労働者の胡さんによると、労働者は従来どおり工場建屋内に結集しているが、一人の労働者が私服警官と衝突して捕まったが、怒った労働者たちが警察車両を取り囲んで仲間の釈放を要求したという。

胡さん「労働者は群衆のなかに私服警官を発見したので、身分証の提示を求めたが拒否され、逆に怒った警官に逮捕され、警察車両に押しこまれた。それを見ていた仲間達が警察車両を取り囲み始め、謝罪と仲間の釈放を要求した。こちらの人間は二千近くと多かった。半時間ほど対峙したが結局警察はこちらの圧力に屈して仲間を釈放した。」

胡さんによると、当局は労働者が街頭に出て騒ぐことを阻止するために、労働者の群衆のなかに私服警察を潜り込ませて、労働者の行動を把握しようとしていたという。胡さんによると、ストライキは7日目に入り、会社側は最後通牒を突きつけてきたという。

胡さん「会社側は労働者全員が操業を再開するよう要求しています。もし拒否すれば怠業とみなし、労働法に定めてあるとおり、怠業三日で自動離職手続きを行うといってきました。」

記者「そうなると会社側は賃金と補償金を支払わなくてもいいと?」

胡さん「ええ。労働者が(自動)離職するなら、補償金だけでなく三か月分の賃金も払う必要はないと言うんです。」

記者「もし会社側がそのようにしたら、どうしますか?」

胡さん「この通知が出されて極少数の労働者は操業再開に応じましたが、ほとんどの労働者は合法的な権利を取り戻すために、ストライキを継続する決意です。」

胡さんによると、労働者たちは法律に依拠して合法的な権利を取り戻すとしている。仮に警察によって排除されることになっても、衝突は極力避けて不要な弾圧を回避するつもりだという。労働者たちは集団で裁判を行うことも検討しているという。

この事件について、会社側の事務所に電話をしたが誰もでなかった。香港九龍湾にあるオフィスに電話を掛けたところ、電話応答の人間が出たが、事件については良く分からないとして回答を避けた。

樟木頭労働局の事務所にも電話を掛けたが誰もでなかった。

 (I.Y.)



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