JCLIF レポート

こんばんは。会員のIYです。

先日お伝えした中国広東省の東カンの台湾系企業、裕元靴工場のストライキですが、裕元の親会社である宝成グループがある台湾の労働組合や労働団体が連名で、スト支援などの声明を出し、4月24日には、宝成グループやシューズブランドの店舗への抗議行動を行いました。

行動の画像はこちら

以下は、行動を呼びかけた案内の粗訳です。

原文はこちら

宝成グループだけでなく、超過利潤で潤う欧米、そして日本のブランドメーカーの責任にも言及しています。えらい!

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<台湾の労働組合や労働団体が連名で、スト支援>
悪徳企業を封鎖しよう 超搾取ブランドを終わらせよう 
裕元靴工場労働者のストライキ支援アクション(2014年4月23日)

行動時間:2014年4月24日午前10:00
行動地点:宝成グループオフィス(敦化南路一段三号)集合
デモコース:コース沿いにPuma、Reebok、Hush Puppiesを通り、忠孝東路を左折してAdidas旗艦店へ

2014年のワールドカップが6月12日から7月13日までブラジルで開催されます。欧米のスポースシューズメーカーにとっては大もうけの一年になるでしょうが、アジアの労働者にとっては最も苦しい一年になるでしょう。今日(4月24日)時点で、中国の東カン市にある裕元工場の労働者がストライキを続けており、生産ラインの労働者と各レベルの管理人員を含め、5万人もの労働者がストライキに参加しています。

17日に同社香港オフィスの劉取締役が香港の労働団体に明らかにしたところによると東カン裕元の労働者数は4万8千人なので、東カン裕元のすべての工場[同市に複数の工場を有している]がストライキに突入しているということになります。18日には、ストライキは同じグループ企業に属する江西省安福市の工場にまで拡大しました。

4月24日に台湾の労働団体は、低賃金労働反対、派遣労働禁止のデモの際に、中国東カン裕元労働者のストライキ支援も掲げて、香港、アメリカ、オーストラリアなどの多くの地域の多くの労働団体と一緒に労働者支援および資本への抗議行動に取り組みます。私たちは悪徳企業と超搾取ブランド企業が結託して労働者を搾取することに反対しているからです!

ストライキ中の裕元靴工場は、台湾の宝成工業(以下、宝成国際グループ)の傘下にあり、世界最大のスポーツシューズおよびカジュアルシューズの製造メーカーで、年間3億足もの靴を生産し、世界市場の20%を占めています。同グループとその傘下の委託生産メーカーの宝勝では、Nike、Adidas、Reebok、Asics、New Balance、Puma、Converse、Merrell、Salomon、Timberland、李寧、Kappa、Converse、Hush Puppies、Nautica、Wolverine、Umbroなどのブランドのシューズを製造しています。

2014年4月5日、この世界最大のスポーツシューズメーカーの労働者数千人が、長期にわたる労基法違反の実態を街頭で訴えました。社会保障金、住宅積立金の納付率を低めに抑え続けたり、偽の労働契約で雇用年数などをごまかしたりしてきました。そしてついに6万人もの労働者がストライキに呼応し、ストライキを5月1日まで続けるという声明を出すまでにいたりました。

近年では中国最大規模のストライキとなるとともに、われわれ台湾労働者が経験してきた「台湾の奇跡」の背後にある超搾取の真相を、再び中国において目の当たりにしたのです。これらの台湾資本家が過去において台湾の労働者に対して行ってきた過酷な待遇を、中国や東南アジアに進出して、このような超搾取経済モデルを各地に輸出して現地の労働者を搾取しているのです。私たちはこのようなことを受け入れることはできません。

台湾の社会運動・労働運動団体はこれまでも両岸[台湾と中国]の労働者の権利に関心を持ってきましたが、台湾はグローバル資本主義のサプライチェーンにおいて、紡織、家電からハイテクのブランド委託産業まで、いわゆる台湾資本が海外から受注して生産・輸出することは、資本が労働者を搾取する手段であり、それはますますひどくなっています。東カン裕元靴工場の6万人の巨大ストライキの爆発は、社会保険金納付率が低く抑えられていただけでなく、労働者の生活および待遇が奴隷にも似た状態だったからに他なりません。

裕元工場の悪行は、有害物質と隣り合わせの危険な労働環境、労災補償への義捐金の強要、トイレ制限、劣悪な宿舎環境と食料事情、でたらめな賃金計算などです。裕元で製造された欧米日本の有名なブランドの靴はともすれば2000~3000台湾元[1台湾元は約3.5円]以上もしますが、これらの欧米日本のブランド企業は桁外れの利潤をあげていますが、それは裕元労働者に対する超搾取から生み出されるものなのです。

また宝成グループの台湾株価は41.03元に達しており、台中市にはきらびやかな裕元ガーデンホテルを所有しています。これら羨むような資産は労働者からの搾取によって手に入れたものではないのですか。両岸経済の一体化は資本家が安穏と利益をむさぼることだけに奉仕しただけで、両岸の労働者の労働環境は依然としてひどいままで、不安定なままなのです!これは悪質な台湾資本だけの問題ではなく、欧米日本の多国籍ブランド企業の責任でもあるのです。

それゆえ、私たちは、台湾資本が中国において法的責任を意図的に回避して労働者を搾取することに反対しますが、サプライチェーンの川下のブランド企業が委託先企業の労働者の待遇を主体的に監督する企業責任を負うべきであると訴えます。4月24日には「悪徳企業を封鎖しよう、超搾取ブランドを終わらせよう:裕元靴工場労働者のストライキ支援アクション」を行い、宝成グループおよびブランド企業が労働者の訴えに誠実に応えるように求めます。

私たちの要求
1、暴力的弾圧に反対し、拘束された労働者をすぐ無条件に釈放すること
2、社会保険と住宅積立金については、裕元は企業の法定納付率を追加納付し、労働者の追加納付分についてはブランド企業が支払うこと
3、雇用契約の度重なる変更を中止し、労働者の通算在職年数を認めること
4、裕元とブランド企業は労働者が選出した交渉代表と交渉を行い、各紛争事項を適切に解決すること

労働者に国境はない

行動団体:団結工聯(全国自主労工聯盟、新高市産業総工会、台南市産業総工会、苗栗縣産業総工会、新竹縣産業総工会、桃園縣産業総工会、台北市産業総工会、宜蘭縣産業総工会、台プラ関係企業工会連合会、中華電信工会)、青年労働九五聯盟、全国関廠工人連線、台湾国際労工協会、工作傷害受害人協会、人民火大行動聯盟、全国金融業工会聯合総会、大高雄総工会、中華民国鉄路工会連合会、台湾労工陣線、台湾鉄路工会、全国教師工会連合会、非典型労働工作坊、桃園縣教育産業工会、全国産業総工会、台湾労工陣線……拡大中

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