JCLIF レポート

こんばんは。会員のIYです。

先日来おつたえしている裕元靴工場でのストライキですが、中国国内の15の労働NGOが連名で4月25日に公開した書簡を紹介します。厳しい監視体制のなかで、すばらしいことです。がんばれ!

原文はこちら
http://blog.sina.com.cn/s/blog_5d5bc0190101hgxx.html

署名した団体のウェブサイトでは見つからず、べつなブログに転載されいるものです。きびしい。

ストライキの当初からインターネットなどを通じてスト労働者に対して提言していた労働NGOの深セン市春風労働争議服務部の張治儒さんが4月22日から連絡が取れなくなり心配されていましたが、東莞市当局に身柄の自由を制限されていたようですが、25日に無事に深センに戻ったと自らのブログに投稿があったようです。しかしまた当局(深セン市?)から事情聴取を受けているとも。もう一人のスタッフ、林東乃さんもまだ行方しれず。事務所は捜索を受けたり、と大変な状況。無報酬で中国の国内法に沿って労働者にアドバイスをしているのにおかしな話です。

それにしても、中国の国内法の責任を回避し、違法な責任逃れをしてきた資本家やそれを手助けしてきた役人らは誰一人拘束されない? 日本の首相は今日の連合メーデ集会で「労働者も経営者も一緒」と言ったけど、どこが一緒なんじゃい!
 以下、翻訳です。

裕元の仲間たちによる社会保障の全面的実現を支援する公開状 (4月25日)

裕元の兄弟姉妹および社会保障の権利に関心を持つ友人たちへ

私たちは4月5日からの裕元での労働争議の発展に注目してきました。裕元の社会保険問題が明らかになってすでに半月が経過しましたが、当初の数千人からすでに現在では4万人が立ち上がっており、工場側の対応も当初の無視から、現在は保険料の追加納付に応じ、社会保険部門の怠慢を認めるまでになっています。これらの変化をみるにつけ、裕元の兄弟姉妹たちの勇気とがんばりに心からの敬意を表します。

裕元の兄弟姉妹たち、わたしたちは皆さんと同じく、社会保険は労働者一人一人の長期的な保障であり、高齢でも養われ、病に倒れても医療を受けることができ、労災の際にも補償され、出産育児も健やかに、そして失業しても不安のない状態を、過去と未来の累積によって保障するものです。

これまでの十数年の個人負担分を追納する問題について、もし裕元が会社負担分だけを追納するのであれば、そして個人部分を追納するかどうかの責任を労働者に押しつけるのであれば、それは莫大な追納額を負担することができない労働者に追納をあきらめさせる意図を持っており、このような責任逃れのやり方は、新たな違法行為であると、わたしたちは考えます。

それゆえ、以下のように喚起します。

1、現在、中国にある裕元の工場では16万人の労働者が働いており、2013年には27億1800万元もの純益のために労働力、そして血と汗を提供しています。長年にわたって裕元は社会保険および住宅積立金の過少納付を続け、労働者の権利を損なってきた不道徳で違法な行為について、責任を負い補償すべきです。「社会保険法」第86条には、企業が期限通りに社会保険料を満額納付しない場合は、滞納金および罰則金を支払わなければならないとされています。わたしたちは、東莞社会保険局がこの職責を履行し、関連法規を執行し、裕元から滞納金ないし罰則金を徴収し、それを労働者の口座に振り替え、労働者の損失を賠償し、労働者の利益を回復し、社会的混乱を収めるべきだと、私たちは考えま
す。

2、裕元はナイキ、アディダス、リーボック、プーマなど60余りのグローバルなブランド委託生産の工場です。2013年のアディダスの純利益は67億人民元を超え、ナイキにいたっては2013年の第1四半期だけで48億人民元を超えています。この二つのブランドだけでこれほどの利益を上げているのです。これら世界でも名の知れたブランド企業は巨額の利益を手にする一方で、その製造工場における搾取のために流される労働者の血と汗の権利の侵害については放置したままで、長年にわたりブランドイメージを粉飾するために莫大な費用をつぎ込んできましたが、いまこそその無責任な対応のツケを支払うべき時です。

これまで企業は社会的責任を負うべきだと要求してきた国際社会は、企業の社会的責任というこれまでの空論が労働者の利益になってこなかったという経験の教訓をくみ取り、裕元労働者と手を携え、これらのブランド企業の利益から、裕元労働者の社会保険の追納を支出させ、企業の社会的責任という約束を実現し、労働者への平等的待遇を確実に実現させるべき時です。

裕元の兄弟姉妹たち、わたしたちは労働者として長年にわたり血と汗を流し続けてきたことに誇りすら持っています。過去の社会保険料の個人部分の追納費用の責任は誰にあるのか、誰が負担すべきなのかという問題の答えははっきりとしています!みなさんがこの答えに沿ってさらに一歩前進すれば、社会保険の真の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。

社会保険の権利に関心をもつ友人のみなさん、裕元の兄弟姉妹の問題はすべての人々の問題でもあります。私たちはばらばらではありません。社会保障を必要とするすべての人々と裕元労働者は運命共同体であり、今後も社会保険制度を検討し、社会保障の全面的に実現することは、すべてのみなさんの共同の願いです。団結と堅持によってのみ、私たちの権利を取り戻すことができるのです!

団体署名の支援団体リスト

深セン打工者中心
山東青島小陳熱線
北京工友之家
蒲公英残疾人互助站
浙江小小魚労工服務部
澳利威工援中心
広州珠江工友服務中心
深セン小小草工友家園
広州安之康信息咨詢中心
恵州工人熱線服務中心
四川省蓬安県[金告]石互助站
広東番禺打工族服務部
深セン市時代女工服務
新工人服務部-春風分部
深セン市手牽手工友活動室

2014.4.25

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