JCLIF レポート

ユニクロの中国製造工場で6月8日からストライキ (6月24日)

こんにちは。会員のIYです。
 昨年末にユニクロの中国製造工場での労働問題が大きな話題になりましたが、そこで労働環境の改善を指摘されていた委託工場で、争議が発生しており、労働者ら900人が6月8日からストライキ(昨日で15日目)に入っています。

どうやら工場移転に伴う補償および時間外割増についての要求のよう。移転に伴う人員調整に関する補償など、労働者にとって切実な問題です。

工場占拠の画像&ファ社などへの公開状
(ユニクロなどに対して元請としての社会的責任を果たすよう求めています)

ファーストリテイリング社の声明

翻訳する時間など全くなく、紹介だけなのですが、昨年末に潜入調査で暴露された酷い労働環境だったところと同じ工場です。

労働者、がんばれ!



 先日すこしだけお知らせしたユニクロ中国製造工場のスト。
 20日近くにわたってストライキが続いており、警察による弾圧、労働者の逮捕がつづくなか、問題解決に至っていません。ユニクロを経営するファーストリテイリングもこの問題をにコメントを出していますが、こうなることはわかっていたはずですが、まるで他人事のようです。
 昨年問題を告発した香港のNGO、SACOMはユニクロの親会社であるファーストリテイリングに対して公開書簡を発表しました。
 ファーストリテイリングの役員報酬は約3億円、配当報酬をあわせると100億円もの収入を得ているといわれますが、その利益はすべて労働者が作り出したもの。これも撤退のコストを労働者に押し付けるという多国籍企業おとくいの経営モデルの典型です。資本家は労働者から奪ったものを、のしをつけて返せ。
 以下、SACOMの公開書簡の翻訳です。
原文はこちら。
http://sacom.hk/hk/open-letter-to-uniqlo-respect-labour-rights-cut-run-is-not-helping-the-workers/ (中国語) 
http://sacom.hk/open-letter-to-uniqlo-respect-labour-rights-cut-run-is-not-helping-the-workers/(英語)

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ユニクロへの公開書簡

労働者の権利の尊重を
取引中止では労働者の権利は保障されない!


 ファーストリテイリング(原注一)は6月17日の声明(原注二)で、深セン市龍華新区の慶盛廠(Shenzhen Artigas Clothing & Leatherware)でのストライキを注視しており、利華製衣グループ(Lever Style Inc.)の経営陣が傘下の慶盛廠の従業員らと対話を行い、問題を平和的に解決するよう促しています。そして、事態が速やかに改善されない場合には、取引中止を含めた関係の見直しを明らかにしています。私たちもファーストリテイリングと同様に、人権を保障し適切な労働環境を提供することが極めて重要だと考えています。
 しかし、ファーストリテイリングの警告にもかかわらず、利華グループの経営陣はいまだに労働者との対話を拒否し続けています。労働者らは23日に発表した公開書簡のなかで、工場閉鎖にともなう解雇補償金などについて対等な交渉をおこなうよう、あらためて経営陣に求めています。たいへん残念なことに、利華グループは労働者の要求を無視しただけでなく、平和裏に争議をおこなっていた労働者らを警察を使って弾圧しました。50歳を過ぎた女性労働者はストライキ初日(6月8日)に逮捕され、いまだに釈放されていません。ストライキは20日近く続けられていますが、利華グループは補償については一言も言及していません。
 問題解決に対する利華グループの不誠実な対応に私たちは大いに失望しています。それ以上に危惧するのは、たとえファーストリテイリングが利華グループとの取引を中止したとしても、労働者の正当な権利は全く保障されないままだということです。利華グループの主要バイヤーであり、また長く協力関係のあったファーストリテイリングは、工場閉鎖や社会保険の未加入など、サプライヤーの情況に通じていたはずです。労働者の合法的な権利を保障するための積極的行動をとらず、たんに取引関係を中止し、労働者を放置するだけでは、委託ブランドメーカーとして無責任な行為であると考えざるを得ません。労働者の多くは女性であり、長年にわたってユニクロの製品を生産し、まもなく定年の年齢を迎えようとしていました。しかしこのように正当な補償さえも得られないままでは、今後の生活は困難を極めることになりかねません。ファーストリテイリングは、労働者たちが正当な補償を得られるまで、この問題に積極的に介入しなければなりません。
 SACOMは改めてファーストリテイリングに対して次のことを求めます。
一、労働者と平等な交渉を行うよう利華グループに要求すること
二、社会保険料の追納および解雇補償金を支払うよう利華グループに要求すること
三、ストライキに参加している労働者に対する報復を行わないことを確約させること
四、この問題が解決するまで主体的に介入すること

大學師生監察無良企業行動(Students & Scholars Against Corporate Misbehaviour:SACOM)
2015年6月26日

原注一 ユニクロはファーストリテイリングの中核企業
原注二
http://www.fastretailing.com/eng/csr/news/1506171300.html(英語)
http://www.fastretailing.com/jp/csr/news/1506171300.html(日本語)
コンタクト・パーソン: Alexandra Chan, プロジェクト・オフィサー
Email: chenalexaa@sacom.hk
Phone:852-23925464

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