JCLIF レポート

広州:アンケート回答の7割がセクシャルハラスメント被害(12月27日)

広州のNGO、広州ひまわり女性労働者センターによるセクシャルハラスメント調査の報道を訳してみました。

正式な調査レポートはこちらです。(中国語)

この報道を転載している中国労工通訊(チャイナレイバーブレティン)のサイトには、調査結果をわかりやすくグラフ化しています。中国語ですがなんとなく分かると思います。


◆広州:アンケート回答の7割がセクシャルハラスメント被害
2013年12月5日

1990年代初頭、6名の女性が広東に出稼ぎにやってくるという連続テレビドラマ「外来妹」(出稼ぎ娘)が全国を一斉風靡した。現在の広州の「外来妹」たちは、どのような生活や労働環境にあるのか? 彼女たちはどのような困難に直面しているのか? 最近、民間NGO組織の広州ひまわり女性労働者センターが工場に出向いておこなったアンケート結果からは、7割の女性労働者がセクシャルハラスメントの被害を受けていることが分かる。

◎セクハラのアンケートは冷遇

8月末、ひまわり女性労働者センターのスタッフ3人が、他のNGOと共同で、番禺区、花都区、芳村区、南沙区、白雲区で調査を行った。調査の対象とした業種は、靴、被服、電子、装飾品などの工場。調査方法はアンケート用紙および対面式インタビュー。二ヶ月間の間に500部ほどのアンケート用紙を配布した。しかし女性労働者にとって「怒り心頭」であると思われたテーマは、女性労働者からの積極的な回答を得ることができなかった。「前までは、お昼休みのときに、工場の食堂の入口で机をだしておけば、10分から20分のあいだに40~50部くらいは回収できた」とスタッフの黄楷暁は語る。彼女は番禺区の某工場で4日間アンケートをとり続けたが、回収できたのはわずか3件だけ。彼女によると、女性労働者たちは「セクシャルハラスメント」という文字を見ると踵を返して立ち去るという。

回収できた有効回答は134件。回答者の年齢は18~35歳が中心。三分の二はライン作業の労働者。半分は既婚者。

どうして調査を避けるのか?「この手のことは恥ずかしいことで秘密にしておく人が多い。誰もが知っているが、口にすることは難しい。」番禺区の某工業団地にある電子工場で働く小蒋さんによると、ほとんどの女性労働者は内向的なので、工場でも普段はこの手の話題は話さないという。

◎四割の女性労働者はセクシャルハラスメントを我慢する

多くの情勢労働者がセクシャルハラスメント問題を避ける傾向があるが、回収されたアンケートによると、70%の回答者がセクシャルハラスメントに遭ったことがあると回答している。セクシャルハラスメントのタイプは多様で、性に関する冗談、身体や外見についての論評、胸部やでん部を見つめられるなどが最も多く、それぞれ55%を越えている。体を触られる、性器を見せられる、性関係を要求されるなどの深刻なセクシャルハラスメントも少数ではあるが見られた。

セクシャルハラスメントをする同僚の男性は、おなじ班44.57%、近くの部署33.69%で合計78.26%になる。12.9%は管理者(直属または経営者)からのセクハラである。

セクシャルハラスメントの被害にあったときの対応は?という回答では、我慢するが43.50%、抗議の意味を込めて仕事を辞めるが15.2%となっている。中華全国婦女連合会、労働組合、警察に助けを求めるという回答はゼロ。「女性労働者の回答は絶望と法律知識の欠如を示しています。もしセクハラに遭遇したら大きな声で『NO』を叫び、企業には予防メカニズムの実施を期待したい」とスタッフの駱紅梅さんは語る。

調査レポートの全文はこちらのリンクから。
https://clbchinese.org/uploads/reports/xiangyanghua-diaocha.pdf

ソース:南方都市報

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