JCLIF レポート

こんにちは。会員のIYです。

これまで何度か既報の中国・深センの労働者、呉貴軍さんへの弾圧の続報です。4月4日に二回目の裁判が行われました。呉さんの陳述の一部が伝わっていますので紹介します。


私は無実です(呉貴軍)
「今日、被告席に座るのは私ではなく、悪徳な資本家、腹黒い社長、官僚的な政府職員のほうです。」
「深センの経済的建設に私たち農民工は不可欠でした。しかし私たちは[解雇]補償を受け取ることもできず、関係する政府部門も解決の手助けをしてくれませんでした。」
「私は11ヶ月も拘束されています。あまりに長すぎる弾圧です。看守所のなかのクスリ密売業者や強盗などは、私のような変わったヤツのことをあざ笑うのです。私自身のことをあざ笑うのではありません。私のような良知正義の人間が拘束されていることをあざ笑うのです。」

昨日4月15日には、広州中医薬大学第一付属病院で医療人員ら126人とともに病院側の違法派遣問題や同一労働同一賃金を訴えていた警備員12人が、昨年8月20日に逮捕されて現在まで拘留が続いている案件についても、やっと裁判が開かれる、という情報があります。これも中国で進む派遣労働関連法の改正と連動した動きとして、遅くなりましたが今後も紹介していければと思っています。雇用問題を街頭で訴えただけで呉さんは11ヶ月、広州病院の警備員らは8ヶ月も(広州病院の警備員らは病院のテラスから横断幕を掲げただけで!)拘留されています。下記のリンク先は中国語ですが画像あります。

広州中医薬大学第一付属病院・広州中医薬大学第一付属病院の入口での座り込み(2013年5月20日)
http://www.jttp.cn/a/report/news/labor/2013/0520/4380.html
・病院テラスから横断幕を掲げて抗議(2013年8月19日)
http://wz.wen.oeeee.com/slide/slidebook/book1/book1.aspx?slide=1309


以下は4月4日の呉さんの裁判の模様を伝えたウェブサイトの翻訳です。原文ページには、裁判所前で「ストは無罪、呉貴軍を釈放せよ」と訴える皆さんの写真も掲載されています。 原文

呉貴軍事件追跡(二回目の公判) 2014年4月4日
被告席に座るのは私ではなく、腹黒い社長、官僚的な政府職員の方だ

2014年4月4日午前9時、労働者代表の呉貴軍が交通秩序かく乱罪で深セン市宝安区人民裁判所で起訴された事件の二回目の審理が行われた。起訴状によると捜査機関が起訴した呉貴軍のおもな容疑は、呉およびその他の人間が迪威信工場の労働者200人余りを集めてカンパを集め、それで横断幕を作成し、工場から路上へ出るデモを組織し、石岩管轄区の北環路、宝石東路、石龍路、福龍路を経由し、交通を阻害し秩序に影響を与えたことで、数時間にわたり宝石路および福龍路の交通に深刻な渋滞を発生させ、警察機関の説得にも応じず、現場で警官を突き飛ばした、というもの。

公判には、呉の家族以外にも50人以上の仲間が傍聴に駆けつけた。また深センや香港などの労働NGOのメンバーも多数参加した。多くの仲間が傍聴席には入りきれなかった。

裁判が始まると、公訴側と弁護人は、呉が2013年5月23日の陳情活動の組織者、計画者、指揮者であるか否かについて証拠調べを行った。弁護側は7名の証人を用意した。法廷は午後2時過ぎまで続き、裁判長から休廷が宣言され、判決は別の日に行われることになった。

呉の弁護士の??はツイッターで次のように書いている。「呉貴軍事件は結審したが、こんなに長くかかるとは。これは私が扱ったなかでも最も常軌を逸している案件だ。そもそも何の証拠もないのに起訴することに固執していた。証拠調べで私は公訴側に対して呉が労働者の街頭行動を組織し、計画し、指揮した証拠はどこにあるのかと何度も問いただしたが、公訴側は一度もまともに回答しなかった。呉がストライキを主導したから、デモも彼が主導したという思い込みだ。呉貴軍はそのような論理はおかしいと法廷で指摘した。」


<2014年 後半>

<2014年 前半>

2012年
2013年
2015年