日中労働情報フォーラムの活動

中国経済セミナー:中国経済の現状と雇用の動向―講演・張浩川(復旦大学日本研究センター副教授)

深刻さを増しているといわれている、中国経済の状況と雇用情勢を報告していただきます。特に日中関係を研究されてきた立場から、日本側に助言・提言があればしていただくように要請しております。
講演・張浩川(復旦大学日本研究センター副教授)

■日時 2015年10月24日 13時30分より(13時15分開場)
■場所 TKP大阪淀屋橋カンファレンスセンター ホールB
■参加費  8,500円
■主催  日中労働情報フォーラム   詳細

抗日戦争勝利70周年記念レセプションにおける程永華大使のあいさつ(2015/9/1)

 8月31日、駐日中国大使館は中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年を記念してレセプションを開きました。これには村山富市元首相、公明党の山口那津男代表ら日本各界の人々、各国駐日使節、武官および在日華僑・華人、中国人留学生代表など300人近くが出席しました。日中労働者交流協会も招待され伊藤副会長(日中労働情報フォーラム代表)が参加しました。
 程永華大使の挨拶はつぎのとおり。

 本日、われわれはここに、中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利70周年を共に記念するため、レセプションを催します。中国大使館を代表しまして、皆様のご臨席に心から歓迎の意を申し上げ、そして中国人民抗日戦争の勝利のため、重要なご支援を提供し、卓越した貢献をされた各国の友人に対し、崇高なる敬意と感謝を申し上げます。この場において、来賓の皆様と共に、あの戦争が残した深い教訓を振り返って総括し、70年前に正義と平和を守るために尊い命をささげた先烈を深くしのび、国際社会の恒久平和の未来を共に展望したいと思います。 <全文>

今年も南京大虐殺犠牲者追悼式典に参加 (2015/12/10~15)

日中労働情報フォーラムの会員の皆さん
 日中労交は、今年も南京大虐殺犠牲者追悼式典に参加するため、北京・南京の旅を案内しています。あなたも、参加しませんか。(この計画は中国職工対外交流センターのご厚意により企画・手配されるものです)
■ 日 程 2015年12月10日(木)出発~12月15日(火)帰国 5泊6日
  12月10日 北京到着(東京、大阪から) 中国職工対外交流センター表敬訪問
  11日 中国人民抗日戦争記念館(盧溝橋)見学 中国国際交流協会表敬訪問
  12日 南京へ移動
  13日 南京大虐殺犠牲者追悼式典参加
  14日 南京大虐殺記念館見学 上海に移動
  15日 上海より帰国(東京、大阪へ)  <詳報>

ホームページのメニューに「日中歴史文書」を新設

 このたび、ホームページのメニューに「日中歴史文書」のコーナーを新設しました。また「資料索引」を「人民網から」に変更しました。
 集団的自衛権の行使を可能にする「安保法制」案(戦争法案)は、衆議院で強行採決され、参議院に送られましたが、参議院での政府の説明は、中国の海洋進出への警戒、中国脅威論が露骨に語られるようになりました。
 中国政府は、日中関係を語るとき、4つの歴史文書にもとづいて関係づくりをおこなう必要があると言っています。4つの歴史文書とは、1972年9月の「日中共同声明」、1978年8月の「日中平和友好条約」、1998年11月の「友好協力パートナーシップ声明」、2008年5月の「戦略的互恵関係声明」です。いま、安倍がすすめていることは、この4つの国際公約を踏みにじり、中国を仮想敵国として、日本を戦争へ駆り立てることです。
 戦後70年目の8月15日を前に、是非、これら歴史文書をもう一度読み返し、日中友好の原点を思い返してください。 <詳報>

「ジョン・ラーベ」上映 大阪・東京とも大成功(2015/7/22)

 日中労働情報フォーラムが今年度の活動のひとつとして取り組んできた、南京事件を扱った独仏中合作映画「ジョン・ラーベ」の上映会が、大阪では7月18日(土)夜、東京では20日(月)午後に行われました。
 大阪では200人の会場に270人が来場しました。東京では800人の会場に1200人が来場し、第二会場を設けましたがそこもあふれ、200人弱の方にはお帰り願った状況です。このように、戦後70年の安倍談話に対抗する企画としてつくってきたジョン・ラーベの上映運動は、大阪、東京とも大成功でした。 <詳報>

* 永田浩三さん『ジョン・ラーベ』大上映会トーク(動画)

いまこそ歴史文書に立ち返って、アジアの平和と友好を目指すべきだ (2015/6/23)

―「戦争への道を許さない6.23東京集会」で 内田雅敏弁護士が発言 ー

 昨日(6月23日)「戦争への道を許さない6.23東京集会」が、日比谷野外音楽堂において、戦争をさせない東京1000人委員会の主催で開かれました。私は、ジョン・ラーベ上映会のチラシ配布が目的でしたが、集会に参加しました。内田雅敏弁護士の発言が素晴らしかったので、紹介したます。(伊藤 彰信)
 集会では、戦争をさせない1000人委員会の事務局長であり、日中労働情報フォーラムの会員でもある内田雅敏弁護士が情勢報告を行いました。内田弁護士は、安倍政権の中国敵視政策を批判した上で、「集団的自衛権行使を違憲とした1972年政府見解は、日中国交正常化された日中共同声明が発表された15日後に示されたもので、日中友好の精神に満ちたたものだ」と述べました。<詳報>

第3回総会(5/31)―日中交流の進め方を議論

会員のみなさん
 昨日(5月31日)、日中労働情報フォーラムの第3回総会を開催しました。
 参加者は少なかったのですが、昨年、訪中団による中国職工対外交流センター、中華全国総工会、中国国際交流協会との会談、南京大虐殺犠牲者追悼国家式典への参加の成果を踏まえて、戦後70年の今年の活動について活発な議論をしました。
 中国との交流について議論しました。歴史認識問題は、日中友好の出発点であるし、中国を訪問しないと中国の思いが伝わってこない。交流をどうすすめるかで3つの方法を考えてみました。第1は、人数は少なくても毎年12月13日の南京大虐殺追悼式典に参加するようにする。その際、記念館を見学できる日程を組むようにする。第2に、来年の夏休み時期に、北京、天津、南京、あるいは東北(旧満州)地方などの戦争の爪跡、加害の史跡を訪ねる15~20名の訪中団を企画し、教員、若い人が参加できるようにする。第3は、今年2月、中国の労働NGOを研究している中国労働関係学院の王侃先生との交流は非常に意義があったので、中国の労働事情を詳しく知るために、研究者、弁護士などとの協力を仰いで中国労働関係学院との交流ができるように検討する。<詳報>

日中労働情報フォーラム第3回総会のご案内

 日中労働情報フォーラム第3回総会を下記のとおり開催しますので、会員の皆さんご参加ください。

  • 日時 2015年5月31日(日)13:30~15:00
    場所 日港福会館 2階会議室
    東京都大田区蒲田5-10-2
    全港湾の事務所があるビルです。
  • 議題
    2014年度活動報告について
    2015年度活動方針(案)について
    2014年度決算、会計監査について
    2015年度予算(案)について
    役員選出について
    その他
記念講演(15:15~ )
鳥井一平氏(移住連事務局長)
「拡大する外国人実習生制度の課題」(仮題)

中国人研修生の支援運動を行ってきた経験に触れてもらいながら、この4月から拡大した外国人実習生制度について説明していただき、問題点と課題について話をしていただきます。
*記念講演には会員でない方も参加できます。

* 17時がら懇親会を予定しています。

7月20日、「ジョン・ラーベ~南京のシンドラー」大上映会を成功させよう(2015/5)

 映画「ジョン・ラーベ~南京のシンドラー」を知っていますか。1937年12月、日本軍が南京を占領した際、安全区をつくり南京市民を守ろうとした欧米人がいました。そのリーダーだったドイツ人のジョン・ラーベの愛と苦悩に満ちた国際委員会での人道支援活動を彼の日記をもとに描いた劇映画の秀作です。独仏中の合作によるこの映画は、2009年に公開され、「ドイツ映画賞」の最優秀劇映画作品賞を受賞し、国際的に絶賛された映画です。
 監督はドイツ人のローリアン・ガレンベルガー、そしてウルリッヒ・トゥクル、スティーブ・ブシュミ、アンヌ・コンシニなどの著名俳優が出演し、日本からも香川照之、柄本明、杉本哲太、ARATAなどが出演しています。
残念ながら日本では一般公開されていません。タブーとされる南京大虐殺をとりあげているから配給会社がつきませんでしたが、ついに自主上映が始まりました。7月20日(海の日)午後、東京の日本教育会館で大上映会が行われます。
 日本人だけが「南京事件」を知らないことは幸せなことなのでしょうか。「過去に目を閉ざす者は、未来にたいしても盲目である」と言われます。戦後70年の今年、史実をしっかり見つめ、世界が日本をどのように見ているかを知ることは、これからの日本を考える上で重要なことです。特に若い人たちに観てもらいたい映画です。<詳報>

★ 7.20「ジョン・ラーベ」大上映会実行委員会HP ★ フェースブックのアドレス★ 映画「ジョン・ ラーベ〜南京のシンドラー」公式ホームページ

中華全国総工会からの祝辞(日中労働情報フォーラム第2回総会にあたって)

  祝  辞

 日中労働者交流協会の併設する日中労働情報フォーラムを開催するにあたって、中華全国総工会国際部を代表して謹んで心から祝賀いたします。

 日中労働者交流協会は中国労働組合の古くからの友人です。長い間、中日両国の労働者と労働組合間の友好な交流と協同関係が積極的な努力をされてきました。

 今回の貴会は日中労働情報フォーラムを催して、中国の労働領域に関心のある中日の友人が一堂に会して、情報を分かち合い、共通の研究討論、理解、親睦を深め増進する。

 今回のフォーラムを無事に成功され、労働組合民間組織の独特な効果を発揮するのを信じて、中日の労働界の間の理解と友情を増進するため、中日関係の良好な発展に積極的な貢献をすることを祈念します。

中華全国総工会国際部
2014年6月6日

最近の中国の労働事情:「個別的」労使関係から「集団的」労使関係へ―石井知章教授の講演(要旨)

石井知章教授 第2回総会の後、石井知章明治大学教授による「最近の中国の労働事情:「個別的」労使関係から「集団的」労使関係へ」と題して講演が行われた。
 教授はまず研究者になるまでの自己の経歴を話され、中国に留学したことや1990年代から12年間のILO職員として日本、ジュネーブ、中国に勤務し、現在も中国の労働組合や行政機関に友人が多いことを明らかにした。

 最近多発している労働者のストライキだが、中国におけるストライキ権は1972年に初めて憲法に規定されたが、1992年憲法以降規定が無くなり、現在もグレーゾーンにある。その背景には1980年代の民主化運動が労働運動に広がるが、天安門事件で挫折、工会(労働組合)の活動は党=国家にコントロールされる時代を迎える。
一方、1980年代に始まった市場経済改革は、労働者を市場における商品へ変化させた。そして、90年代党=国家の強力な推進力で市場経済制度が確立され、それに伴って近代的企業制度の確立を目的に国有企業・集団企業は民営化が全面的に進められ、その結果労働者は「被用者」へと変わっていった。2000年代に入ると労使関係の法的権利を明確にするために労働契約法(2008年)の成立が進められ、平行して労働者の工会への組織化が進められた。その結果、総工会の組合員数は2010年に2億3900万人まで増大した。

 2010年に顕著になった農民工の山猫ストライキの全国的な波及もこの労働契約法の成立が背景になっているという。以下、石井教授のレジュメによると、

 <ホンダのストライキに象徴される「非正規」労働者による新たな形態の労働運動を可能にした「市場化」は、「労働契約法」(2008年)の成立をピークとする、一連の政治・経済体制改革のプロセスのなかで進んでいった。それは、とりわけポスト天安門事件期に、党=国家による強力なリーダーシップの下、近代的企業制度の確立を目標としつつ、全面的改革として実施されていった。国有企業の大部分が「市場化」されたのにともない、これら民営企業の労働者・職員は、労働市場における「被用者」となり、また巨大な数の農民が農業から離れ、「農民工」として近代産業に従事することで、はじめて市場化された産業労働者となったのである。だが、非国営(あるいは非国有)企業における労働者間の収入格差は、その後、拡大の一途をたどったが、とくにホンダのような資本主導型の外資系企業では、こうした分配格差が極度に拡大する傾向にあり、不公正・不合理な分配制度、労働対価=報酬の低さなどが、とりわけ若い「非正規」単純労働者の抱える大きな不満の原因となっていた。>

 しかし、労働契約法は中国の集団的な労使関係の基礎を築くものであるが、工会の自由な活動は党=国家体制によって制約されていることには変わりなく、官制工会の限界も以下のように指摘されている(同レジュメ)

 <たしかに、「労働契約法」の実施が「集団的」労使関係の構築、および規制に関しての前提条件となり、中国において重要な法的・制度的枠組みを築いたのは事実である。現在、ネット上での連帯は、すでに「工会」という組織を必要とせずに「集団的」行為を可能ならしめているものの、他方、党=国家側は、「和諧社会」(調和の取れた社会)という名目で、労使関係の敵対的性格を隠そうとする傾向を強めている。しかも、さまざまな使用者団体の設立など、資本側には「結社の自由」が大幅に認められているものの、他方、労働側には官製工会たる中華全国総工会による独占的な「団結権」のみが許され、それ以外の労働者集団に対する「結社の自由」は認められていない。>

 石井教授の講演後、参加者とともに約30分間の質疑が行われた。この講演を通じて中国労働運動が大変重要な転換点を迎えていることを理解できた。
(報告・高幣真公)

 日中労働情報フォーラム第2回総会を開催  重要な役割を認識し、着実に活動を前にすすめる

  日中労働情報フォーラムの第2回総会が、6月8日、東京・蒲田の日港福会館で開かれました。総会は垣沼副代表の開会あいさつではじまり、総会議長に遠藤運営委員を選出しました。
 伊藤代表は「昨年、日中労働情報フォーラムを結成し、中国労働問題に関する理解を深めることによって、日中労働者階級の友好と連帯を図ることにしました。最近、尖閣諸島の領有権問題や歴史認識などをめぐって日中間の緊張関係が高まっています。集団的自衛権を合憲化するのではなく、平和的に解決していくことが重要です。日中労働情報フォーラムの重要な役割を認識しつつ、着実に活動を前にすすめていきたい」とあいさつしました。また、中華全国総工会国際連絡部からのメッセージが紹介されました。
 前川事務局長が、1年間の活動を振り返り、広州労働研究交流団へ参加し、南京虐殺追悼集会への参加と中華全国総工会との話し合い、会員の鳥井一平さんが「人身売買と闘うピーロー」として表彰されたことなどを報告しました。活動方針として、「反覇権、日中不再戦の碑」を建立してから5周年にあたる今年の12月に南京、北京を訪れる団を派遣する、学習会の開催、会員の拡大などが提案されました。会員の拡大は、会費収入が予定の半分ほどしかなく、赤字運営になっていることから強調されたことです。
 討論では、「人民網や中国での争議の情報は紹介できるようになったが、中華全国総工会の活動に関する情報がない」「外国人実習生の拡大、滞在期間の延長などが策動されているが、日本国内の中国人労働者の問題も課題になる」「広州労働研究は、さらに幅を広げていくべきだ」「学習会をもっと開催すべきだ」「会員を増やしていこう」「メール情報だけでなく、紙のニュースも発行すべきだ」などの発言がありました。これらの発言で補強された形で、活動報告、決算、活動方針、予算を採択しました。また、役員については全員を再選しました。
 総会の第2部として、明治大学の石井知章教授から「最近の中国の労働事情:個別的労使関係から集団的労使関係へ」と題して特別講演が行われました。

<資料>日中労働情報フォーラム第2回総会議案書(PDF)