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IBM x86サーバー深セン工場のストライキ

こんにちは。会員のIYです。

中国深センにあるIBM x86サーバー工場がレノボ(聯想)に売却されることに伴い、処遇をめぐる問題で労働者がストライキ、という報道です。IBMとレノボというグローバル企業のグローバル経営展開に対する労働者の側の抵抗でしょうか。

原文はこちら
工場敷地内デモの画像あり。横断幕には「IBM 搾取工場、強権条項!!!」

今回の買収については、日経新聞のサイトでは珍しく全文が閲覧可能です。

こちらは未訳ですが、中国国内にあるペプシコーラの複数の工場(長春、ハルピン、西安、蘭州、新疆など)でリストラに抗議してストライキ、の報道と画像です。

ペプシコーラの違法リストラに各地でストライキ(中国語)


IBM x86サーバー深セン工場のストライキ
   財新網 (2014/3/7) 

[リード]
レノボ(聯想)との合併にむけて、IBMは深セン製造工場の1000余名の処遇をめぐり、経済賠償金に関して労使双方で対立が発生している。

家族と支援者たち

[写真説明]3月7日、IBMのx86サーバーを製造する深セン生産基地の労働者らおよそ1000人が、いつものように9時にタイムカードに打刻したのち、深セン福田の保税区の7階建てビルの前に集合し、一日ストに突入した。(鄭麗純 実習記者)

3月7日、IBMのx86サーバーを製造する深セン生産基地の労働者らおよそ1000人が、これまでと同じく9時にタイムカードに打刻したのち、深セン福田の保税区の7階建てビルの前に集合し、一日ストに突入した。

ストライキは4日間つづいている。IBMの深センの製造会社は長城国際系統科技有限公司(ISTC)といい、IBMと中国長城計算機グループが2004年12月12日に正式契約を交わして設立された会社で、アジア太平洋地域におけるIBMのx86サーバーの主要な生産基地である。

今年1月、IBMは全世界のx86サーバー業務を23億ドルでレノボに売却した。これはIBMが12.5億ドルで個人用コンピューター部門をレノボに売却した2005年の動きに次ぐ両社の大型買収案件である。2005年のときと同じく、ISTCのx86業務で働く工員は去就を迫られている。買収にむけてIBMは深センの製造工場に対して1000人余りの工員らの処遇対策を進める。

IBM中国は本紙への回答で、今年の後半に、x86サーバー業務をレノボに売却する予定だと述べた。それによって深センの製造工場はレノボの100%子会社となる。

IBMによると、工員らの処遇は次のとおり。「x86業務範囲の深センの会社の工員らは、去就を自分で選択できる。ひとつは、製造会社に残って処遇は変わらない。もうひとつは補償金を受け取り、製造工場を辞職するという選択だ。われわれは工員らが深センの製造工場にそのままとどまってほしいと願っている」。

3月12日までに辞職協約にサインした工員はN+1ヶ月の月給相当の補償金を受け取ることができる。NはIBMでの在職年数である。3月12日以降も働きたいが、新会社には行きたくないという工員はNヶ月分の補償金が支給される。

合併後も引き続き同社で働きたい工員らには、二つの案が提示されている。レノボがISTCの経営権を掌握した後も、解雇補償金や社会保障関連の計算係数となる在職年数はそのまま引き継がれ、現有の雇用契約も変わらない。在職年数をいったん清算したい工員については、IBMが関連法規に照らした上でNか月分の補償金を支払う。

この補償案に対して、工員らは受け入れられないとしている。かれらは処遇問題で会社が余りに拙速すぎると考えている。工員によると、3月3日にいくつかのグループに分けられ、会社の役員から一方的にこの補償案を口頭で読み上げられたという。「まるでコピー機でコピーするように機械的な対応でした」。なんの事前の打診もなく、職員全体の合意も得ていない。

誰もこの補償案を書面で受け取っていないにもかかわらず、IBMは3月12日までに去就を決めて、契約にサインするよう要求している。3月12日以降の離職申請の場合は、自己都合退職として経済補償は支払わないという。3月13日になっても離職契約に署名しない工員は留任するとみなす。工員らは、強制的ともいえるこのような姿勢に対して、自らの権利が侵害されていると感じ、3月3日にストライキに突入した。

ストライキの声が大きくなるについて、工員らは逆にIBM社に対して10項目も補償要求をつきつけた。2014年3月7日までに離職した工員には2Nの経済補償基準を適用すること、3月7日を越える者には2Nの基準に加えて超過1日ごとに+1すること。「つまり3月7日を2Nの経済補償とすると、3月8日には2N+1になるということです。」また補償金に税金を含まないことも要求している。そして協議内容は工員全体の合意が必要であると述べている。

ストライキの継続を受け、IBM側は3月7日10時から敷地内のバスケットコートで、20名の工員代表らと交渉を行うことに同意した。その後、IBMの管理職から、風が強いので屋内で交渉を行いたいという申し入れがあったが、工員代表らに拒否された。交渉は成果のないまま物別れに終わった。

レノボの担当者は本紙の取材に対して、今回の買収はアメリカ、EU、中国など各国政府のいくつもの許可が必要で、2005年の時のPC部門の買収に鑑みると、6ヶ月ほどかかると考えている。それまでの間はレノボとIBMx86サーバー業務は別の経営主体である」と答えている。レノボによると今回のストライキの去就にも関心をもっているという。

【財新網】(記者 李雪娜/実習記者 鄭麗純) 

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