JCLIF レポート

以前お伝えした中国・広州市の学園都市の清掃労働者の争議、9月9日に5回目の団体交渉で合意に達して協定を締結したという報告が流れていました。【1】のつぶやきです。
 しかし翌日、新会社からの説明では、男性60歳以下、女性50歳以下の地元出身者だけ職場配置を行うが、それ以外の処遇は通知を待て、ということを言われたという報告が流れました。【2】のつぶやきです。
 ということで全員の雇用継続を求めて9月11日からふたたび抗議行動を行っています。抗議行動には地元の中山大学の学生からの応援や、地元政府に一人一通手紙を書いて労働者の納得のいく解決をもとめよう、という呼びかけなどが発せられています。

ウェイボーという中国ミニブログでこの清掃労働者らのページが開設されており、抗議の様子もみられます。
画像もあります。クリックすると大きくなり、画像左上にある「収起」をクリックすると元に戻ります。

広州市は、6月にトップの党書記が「重大な規律違反」で更迭され、8月から新しい書記が就任するなど政府内部でも調整が続いています。全国で展開されている腐敗一掃キャンペーンもどきの一環ですが、労働者はそんなことにも関係なくがんばってたたかっています。
             翻訳・報告:IY

9月9日 団体交渉で協定を実現し争議解決へ
   地元出身者だけを再雇用する労働者の分断だ! 9月11日からふたたび抗議行動

【1】 9月9日 団体交渉で協定を実現し争議解決へ

今日(9月9日)午後4時、私たち大学城環境衛生労働者の代表は雇用者側の広電物業公司との5度目の団体交渉を行い、団体交渉協定書に正式に署名を終えました(午前10時ごろから署名が始まりました)。協定の具体的内容は5日以内に広電物業公司が履行することになっています。今日、わたしたち労働者全員が団体協定に署名しました。私たちは一か月にわたる争議と15日間のストライキによって、団体交渉を実現し、就業年数加算、社会保険や法定積立金などにおいて合意に達し、満足いく結果を勝ち取ることができました。この過程で、労、使、政がわたしたちの争議行為のなかで、理性と理解と実務的精神と相互の譲り合いによって合意に達することができました。私たちは行政が私たちを支持してくれたことに感激しました。協定の内容には秘密保持条項があることから、その内容は対外的には明らかにはできません。

 番禺区政府の関係部署、小谷囲地域事務所などの責任者が何度も私たちの争議に積極的に関与して調整を図ってくれました。政府が第三者として積極的に私たちの権利問題を調整し、労働者の権利保障に基礎をおいてくれたことに、私たちは大変感謝しています。また、多くの大学生と社会各界の友人が私たちに関心を持ち、連名で私たちへの支持を表明し、私たちの座り込みの現場にミネラルウオーターや食糧、そして義援金などを送り届けてくれたことに、この上なく感謝しています。あなた方の関心と支持があったからこそ、私たちは正義を信じることができ、最後まで闘争を堅持して団体交渉を行い、合法的な権利を勝ち取ることができたのです。皆さんの支持が私たちにとって最大の激励となりました。

 今晩、小谷囲地域事務所の張主任から私たちの代表に電話があり、明日の午前10時に新会社と愛国衛生運動委員会事務所(※)が会議を開いて、労働者の業務配置をおこなうので、会議に労働者も参加するように通知をいただきました。これこそ私たちが待ちに待った成果です!ストライキの当初から、私たちは一日でも早く自分たちの権利を勝ち取って業務に復帰することを願ってきたのです。わたしたちは大学城がゴミだらけになることも、自分たちの権利が不当に侵害されることにも我慢ならなかったのです。私たちは再度、社会各界および大学城の学生たちの理解と支持に感謝します。私たちは自分たちの仕事を通じてこの感謝にお返しすることで、もっと美しい大学城を実現したいとおもいます。

 私たち220名の環境衛生労働者が一致団結し、理性的な集団行動で権利を守り、最終的に団体交渉協定に署名できたことは、私たち労働者の団結の勝利だと思います。私たちを応援してくれたすべての人々の力に感激しました!私たち大学城の環境衛生労働者220名は、社会各界と大学生たちによる注目と支持に、再度感謝したいと思います!

環境衛生労働者はこれからも清潔で美しい大学城をみなさまに提供します。

※訳注  愛国衛生運動委員会:日本の保健所にあたる機構で各都市にある。健康や衛生にかかわる業務を管轄している。

【2】 地元出身者だけを再雇用する労働者の分断だ!

9月10日12:20
緊急通知:事態は解決には程遠いようです。注目を!午前10時半、新会社の会議に参加した労働者によると、新会社は労働者に登録用書類を書かせたのですが、地元出身者は午後から仕事に戻れるが、それ以外の労働者は配置通知を待つように指示されたそうです。これは明らかに労働者の分断です!これでは争議が終わるのを待ってから仕返しするようなものじゃないか!

◆ 9月10日21:15
入札契約書では、入札者は無条件にそれまでの労働者をすべてを受け入れなければならないとされているし、番禺政府事務所〔2013〕45号の文書の環境衛生労働者の契約基準でも、雇用契約は合法的なものでなければならないと書かれてある。広州市隧成建業物業発展有限公司(新会社:訳注)はどうして地元出身者以外の労働者を受け入れないのか?地元出身者でも男性60歳、女性50歳以上の受け入れも拒否している。これでは入札契約書に違反しているし、労働者への嫌がらせをつづけているのと同じではないか。


 

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