JCLIF レポート

レイバーネットのウェブサイトに掲載されていたユニクロ製品の製造工場でのストライキ情報(http://www.labornetjp.org/news/2014/1223yuni)ですが、工場内でピケットを張っていた労働者らに対して、12月18日に「違法行為」を理由に、武装警察などが労働者ら24人を逮捕しました。
このウェブサイトにある写真をみてください。

迷彩服と安全靴の武装警察に囲まれてユニクロの服が製造されているのがよくわかります。
24日には、ユニクロ中国を統括する香港を拠点に活動するNGOのStudents & Scholars Against Corporate
Misbehaviorが、ユニクロなどに公開書簡を送って、ユニクロなどが取引先による違法なコスト削減(社会保険未加入)を監督する責任を果たし、労使双方の対等な交渉を促し、ストライキ参加者への事後弾圧をおこなわせず、労働者に対する暴力行為を深刻に受け止めるよう、ユニクロに求めています。


NGOの公開書簡(英語) 
 ここ数日は、労働者たちが信頼する労働弁護士ではなく、会社や総工会が派遣した弁護士を代理人するようにという妨害行為が続いていますが、どちらに委任するかの投票では圧倒的多数で、労働者が信頼する弁護士を代理人にする、という結果が伝えられています。がんばれ! 香港のNGOは英語のウェブサイトもあります。
たくさんの皆さんの注目を!
 以下は、労働者からの訴えの翻訳です。ユニクロに対する申し入れなども呼びかけられています。ユニクロには労働者の訴えに即した誠実な対応が求められています。

平和的な要求行動をしていた労働者に対して団体交渉の直前に暴力を用いたことに強く抗議する
慶盛(アーティガス)社は 各種社会保障費用の未払いを解消し 労働者の訴えに誠実に対応せよ
2014年12月18日

深セン慶盛服飾皮具有限公司(アーティガス社深セン工場)は、国際的にも知名度の高いユニクロおよびG2000の衣料を生産しています。
 私たちはアーティガスの工場で10~20年働いてきたベテラン労働者で、もっともすばらしい青春時代を会社に捧げてきました。いま退職する年齢となり、会社が2003年以降になってやっと社会保険に加入していたことを知りました。保険料納付が15年に満たないので、養老年金を受給することができないのです。12月初めに私たちは、会社が法令に従って社会保険料と住宅積立金を追納するように、労働者の連名で要求し、12月8日までに回答するよう求めました。しかし会社側は回答もせず、具体的な措置を講じることもありませんでした。
 12月10日、会社側の回答を求めるために工場全体がストライキに入りました。
 12月11日、会社側は緊急出荷を行おうとしました。労働者は自分たちの権利を守るために、仕方なく車両による搬出を阻止し、寒風のなかで工場の入口でピケを張り、会社からの回答を待ちました。
 12月15日、私たちは代理人の弁護士を通じて団体協議の申し入れ書を送り、会社側の弁護士と12月18日の朝に交渉を行う約束をしました。
◎素手の私たちに対して、数百人もの武装警察と機動隊が工場に侵入して対峙
今朝(18日)8時、数百もの武装警察と機動隊が工場を包囲し、工場に押し入り労働者に対して暴力をふるい、私たちと約束していた交渉の前に商品を搬出する手助けをしました。この時に多くの仲間が捕まり、いまだゆくえは知れません!この数日、仲間たちがおこなってきたストライキによる権利防衛行動は、平和的かつ冷静な方法で会社側にこれまでの社会保険料等の未納分を清算してもらうためのものでした。しかし警察によるこのような暴力が、深センという先進的な都市で行われてよいわけがありません!ユニクロとG2000というグローバル・ブランドでこのような暴力が許されてよいわけがありません!


◎会社側は交渉の前提である信頼を損ねた!
問題の正しい解決方法は団体協議ですが、会社側は政府と一緒になって双方の弁護士をそこに待機させて、暴力をふるって労働者を捕まえたのです。これは交渉の前提である信頼を完全に損ねる行為であり、問題をさらに深刻化させ、社会の安定にとって極めてマイナスの行為と言わざるを得ません!
◎暴力では何も解決できない
数百もの武装警察と機動隊が工場を包囲し、工場建屋に突入して労働者を逮捕し、会社側が内定した労働者代表を無理やり労働者に選ばせるというやり方は、労使矛盾を解決する手段としては最悪の先例になるでしょう。暴力と逮捕でその場は労働者を屈服させたとしても、それは会社に対する恨みと不信を助長することにしかならず、私たちの退職後の問題は依然として横たわり続けているのであり、解決などしておらず、社会に対する影響はますます大きくなるだけです。このような方法で対処することは本当に愚かなやり方です!

私たちアーティガス深センの労働者は以下のように訴えます。
1、団体交渉の直前に平和的訴えをしていた労働者に対して、会社と政府が野蛮な暴力を用いたことを厳しく非難するとともに、これまでの社会保険料の未納分を清算し、アーティガス労働者の訴えに誠実に対応することを求めます!
2、全国の人々がアーティガス深センの労働者に関心と支援を寄せ、会社と政府の暴力行為を厳しく監視することを呼びかけるとともに、政府、会社に対して逮捕された労働者を即時釈放し、対等な労使協議をおこなうことを求めます!
3、国際社会がアーティガス労働者に関心と支援を寄せ、取引相手のブランド(ユニクロ、G2000)、深セン市政府、深セン市総工会に対して働きかけを行い、労働者の合法的な権利防衛行動に支援を寄せることを呼びかけます!


<2014年 後半>

<2014年 前半>

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