こんにちは。会員のいながきです。
以前少しお知らせした香港の區龍宇さん講演会の案内です。安易なネーミングの講演会ですが、本は高いので資料代は安くしました。よかったらお越しください。
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★ 台頭する中国と香港雨傘運動
☆ 區龍宇さん 出版記念の講演会
【日 時】9月19日(土)13:30~17:00【資料代】500円
【場 所】四谷地域センター 多目的ホール
新宿御苑前駅 大木戸門側2番出口3分
【地 図】http://ycc.tokyo/about.html
【共 催】出版記念会、柘植書房新社
連絡03-3372-9401(新時代社)
◆「台頭する中国」の社会闘争
アメリカに次ぐ大国となった中国の動向に注目が集まっています。腐敗一掃で権力基盤を確立したとされる習近平指導部が進める「新常態」(ニュー・ノーマル)政策は、グローバル資本主義大国への新たなステップであるとともに、周辺国との政治的、領土的摩擦を惹起しています。しかし中国の新たな外交戦略は内政の延長ともいえます。「台頭する中国」の貪欲なエンジンとしての官僚支配体制のもとで、労働者民衆がどのような抵抗を続けているのか。2014年夏に『台頭する中国 その強靭性と脆弱性』(柘植書房新社)を出版された區龍宇さんを招きお話を伺います。香港を拠点にグローバルな視点でオピニオンを発信してきた區龍宇さんは、今年4月2日付の朝日新聞でもインタビューで取り上げられるなど、その分析や主張に注目が集まっています。
◆香港雨傘運動から一年
區龍宇さん来日の時期は2014年9月28日に始まった「雨傘運動」の一周年にあたります。香港の幹線道路を七九日間にわたって占拠しつづけて「真の普通選挙」を求めて香港の学生や労働者の新しい世代が中国政府・香港政府と対峙しました。區龍宇さんは「雨傘運動」の渦中で、普通選挙という民主的要求を労働者・庶民の労働や生活という民生的要求と結合させようと訴え続ける一方、運動内部における極右的傾向を果敢に批判してきました。雨傘運動は勝利できなかったが、これまでにない社会運動の理論的、実践的飛躍に向けた助走になったという區龍宇さんの総括を収めた、この数年にわたる區龍宇さんの一連の論評集『雨傘運動 プロレタリア民主派の政治論評集』が9月中旬に出版されます。香港における自決権運動と中国における民主化を固く結びつけることを訴える區龍宇さんに雨傘運動の総括と展望を伺います。
◆戦後70年の日中関係にもうひとつの視点を
安倍政権の極右的歴史修正主義は、中国や韓国、北朝鮮をはじめ東アジア諸国との関係に亀裂をもたらしており、安保法制整備を通じたグローバルな派兵国家へ向けた動きは、その亀裂をさらに広げるものになっています。戦争のできる国家へ進もうとする安倍政権は、極度の全体主義的支配をつづける中国共産党の一党支配に「反ファシズム戦争勝利70周年」という大義名分を与える余地を与え続けています。階級協調の「日中友好」や「平和共存」を中心とした日中関係は、中国資本主義の台頭と日本資本主義の没落の中で、その有効性を見いだすことは難しいでしょう。「搾取と大衆的殺害の資本主義世界に、諸民族の平和と友好のプロレタリア的世界を対置せよ!」(バーゼル宣言、1912年)のスローガンをたぐり寄せる戦後70年の議論が求められています。九月一九日の講演会にぜひご参加ください。
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『香港雨傘運動 プロレタリア民主派の政治論評集』
區 龍宇【著】 早野 一【訳】 柘植書房新社【刊】
2015年9月中旬、A4版360頁、3700円+税く
目次
【第一部】 雨傘運動の総括と展望
一 中国共産党と雨傘運動
二 六つのシナリオと一〇万人のキャスト
三 雨傘運動の意義と展望
【第二部】 オキュパイ・セントラル 雨傘の前奏曲(2013年6月~2014年7月)
一 香港社会の地殻変動
二 新しい民主化運動 青年とプロレタリア
三 オキュパイ・セントラルの決行に向けて
四 香港自決権の防衛と排外主義極右批判
【第三部】 雨傘運動のなかで(2014年9月~12月)
一 学生ストと新しい世代
二 雨傘運動の拡大
三 プロレタリア民主派の雨傘綱領
四 香港民族共同体批判
五 中国問題
【第四部】 雨傘運動が終わって(2015年1月~ )
【解説】 雨傘運動の底流 近年における香港の民主化運動(早野 一)