カテゴリー別アーカイブ: NGO

外国人技能実習生が働く現場で何が起きているか?外国人技能実習生権利ネットワーク主催(11/11)

 衆議院で出入国管理法改正案の審議が11月13日から始まるのを前にして、「外
国人技能実習生の実態を知って!」と訴える集会が11月11日、東京で開かれ
た。外国人技能実習生権利ネットワークが、総会後の記念講演として開催した
「技能実習のリアル~いま、現場で何がおこっているのか」である。

外国人技能実習生権利ネットワーク共同代表・大脇雅子弁護士

はじめに同ネットワークの共同代表である大脇雅子弁護士(元国会議員)が
「送り出し機関での借金、日本の管理団体の搾取、まったく人道に反する扱いで
ある。公的な職業安定機関が労働者の権利が守られるよう紹介すべきで、12カ月
以上の外国人居住者を移住者として保護する国際ルールも知らない人がつくろう
とする制度は、技能実習生制度の問題を拡大するだけである」とあいさつし、改
正案を批判した。

そのご、クリーニング業界の外国人技能実習生の実態について鈴木和幸さん
(NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート)、外国人技能実習生問題に長
年取り組んできたが講演し、さらに佐々木史郎さ
ん(全統一労働組合書記長)、土屋信三さん(スクラムユニオン・ひろしま委員
長)、指宿昭一弁護士が報告した。

甄凱さん(岐阜一般労働組合)

鈴木さんは、クリーニング業界が価格競争によって組織的に技能実習生を使う
ようになり、不正・不当な競争が拡大していった経過を報告した。甄凱さんは、
カンボジア、中国、ベトナムの実習生の事例について、早朝から深夜までの長時
間労働、残業代は時給300円、賃金未払、強制貯金、給与明細書や雇用契約書の
不提示、労働災害、うつ病による自殺未遂、さまざまな差別・いやがらせなどを
報告した。

佐々木さんは、岩手県の建設会社に雇用されたベトナム人技能実習生が福島県
で除染作業に従事させられた事件について報告した。土屋さんは、日立製作所笠
戸事業所(山口県)でフィリピン人技能実習生が、電気機器組み立てという実習
計画とは異なる新幹線車両に窓や排水パイプ、カーペットやトイレを取り付ける
作業しかしていなかったこと、法務省と外国人技能実習機構の調査により実習計
画違反を指摘され、99名の実習生が解雇された事件について報告した。解雇から
30日間の短期滞在許可期間の中で日立と団交を行い、残りの実習予定期間22か月
分の所定賃金の支払いを確認した。指宿弁護士は、茨城県の「協同組合つばさ」
で農業に従事していた中国人技能実習生の裁判で、残業代の支払いを命じた判決
があったが、日常的なセクハラ行為は認められなかった。控訴して争うと述べた。

最後に、移住連の鳥井一平代表理事が「報告された実態は氷山の一角。日本は、
研修生・実習生と称して人権を無視した単純労働、低賃金労働者を受け入れてき
た。いまや、外国人労働者なしに日本経済は回らない状況になっている。新たに
外国人を受け入れても、実習生制度の問題を解決するものでなく、問題を引き起
こす制度をさらにつくることに過ぎない。技能実習生制度を廃止し、人権と労働
権が保障された多民族多文化共生社会をつくろう」と発言した。

<報告と写真:伊藤 彰信>

関東大震災 95周年虐殺された在日中国人受難者慰霊式(9/9) ご案内

謹啓

益々御清祥のこととお慶び申し上げます。 唐突にお便り差し上げますことをご容赦願います。

1923年9月の関東大震災に際して、東京を中心として名簿に記載されているだけでも750名以上の在日中国人が不条理な死を強いられました。
また中国人労働者の権利擁護に尽し、被災後は救援にあたっていた留学生出身の僑日共済会の王希天会長は、9月12日未明、野戦重砲兵第三旅団第七連隊の将校により密殺されました。
私たちは、夢と希望を抱いて日本へ渡り、必死に働いていた中国人の皆さんが、排外主義に煽られた軍と警察及び民衆の手により犠牲となった95年前の事実を心に刻み、受難者を追悼するため、二度とこのような歴史の再演を許さない為に、下記の要領で中国人受難者慰霊式を執り行います。慰霊式には最も被害者の多かった漸江省温州市からご遺族6名、福建省福清市からは関係者が来日され、吉林省からは9名のご遺族が参加されます。
ご出席がご無理な場合もメッセージ等を頂ければ幸いに存じます。

謹白 続きを読む 関東大震災 95周年虐殺された在日中国人受難者慰霊式(9/9) ご案内

沈夢雨:団結はチカラ(2018/7/2)

広州日弘機電(ニッパツの100%子会社)の労働者が2018年に実現した法定住宅積立金と賃上げについて、同社を不当に解雇された沈夢雨さんが論じた文章をざっと訳してみました。懐かしい言い回しなどは、中国の特色ある労働運動ゆえ。


沈夢雨:団結はチカラ
2018-07-02

2018年上半期、日弘公司で、日弘労働者の団結の力を示す二つの事件が発生した。

一、2018年6月19日、日弘は、派遣労働者と派遣から正社員に転換した労働者に対して、派遣身分のときには未納だった法定積立金を遡って納付することとを通知した。これは、日弘労働者たちの要求が実現したということである。

二、2018年の賃金交渉において、経営者とそれにおもねる労働組合執行部の意向を上回る回答を引き出した。当初、経営側は1.66%の基本給引き上げを提示していたが、われわれは6%+200元を勝ち取った。大部分の現場労働者の基本給が400元以上引き上げられる計算になる。年末一時金も経営側の3.5カ月に対して、4カ月+業績分を勝ち取った。

これらの勝利はどのようにして実現したのか。もちろん経営側の恩寵などではない。それは労働者全員の取り組みによって実現したのであり、とりわけ経営側に物申すことを厭わない果敢な労働者の功績が大きい。

一、圧力に屈せず団結して積立金をかちとる

経営側は、2018年1月まで、派遣労働者の住宅積立金を一銭も納付してこなかった。それによって、いったいどれだけの搾取が行われてきたのだろうか。

2018年が明けてから、周辺の工場の派遣労働者たちは積立金を勝ち取っていた。日弘の労働者も次々たちあがった。当初、積立金を勝ち取った人間は2~3人だけにとどまっていたが、すぐに20~30人に増えた。みんなで一致団結して、悪徳派遣業者と悪徳経営者に対して知恵を駆使して対峙し、最終的に積立金をかちとったのである。

その過程では、「出る杭は打たれる」といった警告もあった。たしかに最初に要求したときに、会社は見せしめとして、2名の派遣労働者が派遣会社に送り返されたが、それでもみんなは挫けなかった。逆にますます多くの労働者が積立金要求の隊列に加わり、団結した労働者たちを前に、経営側もお手上げとなり、圧力に屈して、積立金を遡って納付することに同意するほかなかった。

現在、200名近くの労働者が派遣身分のときの住宅積立金を遡って勝ち取ることができた。5000元もの積立金を勝ち取った労働者もいた!

当初、積立金を遡って納付するよう求めた労働者が狙い撃ちされたが、そのときは大部分の労働者のあいだに団結する意味が理解されていなかったからであり、いったんそれを理解したあとは、狙い撃ちされることもなくなった。団結こそが労働者の権利を守る最も有効な手段であり、団結した労働者全員を解雇したくても、そんな度胸は経営側にはなかった!

二、団体交渉に積極的に参加して成果をかちとる

賃金の団体交渉は、われわれ労働者の切実な利害に関係する事柄であり、一人一人が積極的に参加すべきである。しかし経営はさまざまな方法を通じて労働者の参加を阻害する。多くの労働者を交渉に参加させたがらない理由はいうまでもない。

2018年の賃金団体交渉は波乱万丈で息をのむ展開だったといえる。われわれ労働者ははじめて民主的権利を行使した。もちろんそれは、あまり徹底したものではなく、さらに大いに改善の余地はあるにしても、まったく行使しないよりも、はるかに意味のあることだった。

今年は、多くの労働者の参加によって、現場労働者の利益を代表して交渉に臨もうとしていた沈夢雨を、交渉員に推薦することに成功した。経営側とそれにおもねる労組執行部はあらゆる方法でそれを阻止しようとしたが、労働者たちは団結してその企みを跳ね返した。

多くの労働者がウェブ上であるいはリアルの世界でわれわれの交渉代表への支持を表明した。組合執行部は代議員大会で沈夢雨の交渉資格をはく奪しようとしたが失敗した。管理者は職権を濫用して労働者を恫喝し報復したが、それに屈しない労働者は、アンケート用紙への記入や彼女ために証言するといった実際の行動で彼女への支持を表明した。

後日、会社と組合執行部は共同で沈夢雨を不当解雇に追い込んだが、労働者の怒りを治めるために、譲歩せざるを得ず、団結した労働者の要求をのまざるを得なかった。

団結は力だ!小団結は小さな成果、大団結は大きな成果だ!

今年、われわれが積立金と賃金交渉においてかちとった成果は、経営者の慈悲によるものではなく、みんなの努力によってかちとったものだ。団結こそ権利実現のカギである。

この過程において、われわれが勝ち取ったもの利益だけではない。同時に尊厳をもかちとったのだ。解雇された者や狙い撃ちされたものもいたが、それは団結を経験した人数に比べたらずっと少ない人数でしかない!

われわれはまた、経営側のひ弱な実態と組合執行部の醜悪な一面を見た。労働者に対する弾圧は物の数ではなく、まさに「一切の反動派は張り子の虎」である。この張り子の虎は、なかば燃えかかっている。さらなる恥ずべき行為は、さらなる憤激を招くだけで、その代償は計り知れなく高くなるだろう。

もちろん、今回の勝利で警戒を解いてもいいというわけではない。

派遣会社が納付していなかった積立金は遡って納付させたが、日弘自体の積立金問題もある。賃金は挙がったが、経営はかならず別な方法で、それを回収しようとするだろう。たとえば生産量の増加、残業の削減[作業速度UP]、高賃金のベテラン労働者の解雇などなどが考えられる。今回の勝利の地平を維持すると同時に、今後おとずれるであろう暴風雨に備えるために、さらなる団結が必要であり、そうしてはじめて煮込んだ鴨鍋が飛び立つ[手にした勝利を逃す]ことを阻止できるだろう。

仲間たち、がんばろう!

中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義(2018/7/12)

こんにちは、続けて会員のIYです。

広州日弘機電の事件で問われているのは組合民主主義だ、という分析があったので訳してみました。これは2010年広州ホンダのストライキでも問われたことでした。日本の労働者に問われているものは何なのか・・・は別に考えないといけませんね。以下、原文はすでに削除されたのか見当たりませんが、ご参考まで。


■中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義

ひとりの女性労働者に対する違法解雇の事件は、2010年ホンダストライキ以後の、地方政府と自動車産業による労働者への弾圧の継続である。

2010年、南海ホンダでストライキが勃発し、ホンダ傘下の四つの工場の生産がストップし、数億元もの生産に影響がでた。このストライキでは、賃上げだけでなく、労働組合の民主的選挙という要求も掲げられた。ほぼ一か月にわたる闘争ののち、南海ホンダの労働者は勝利した。そしてこの闘争で掲げられた労働組合の民主的選挙という意識は、当時の珠江デルタで広がっていた自動車労働者のストライキのなかに拡散していった。

2010年以降、自動車部品産業が集中する広州経済開発区では、労働組合を通しての賃上げと年末一時金の獲得が、この地域の労働者の年間の二大焦点となっていった。2010年から2013年にかけて、意識的労働者が企業に就職して労働組合の執行部や交渉代表となり、一部の企業内労組の運営において労働者の立場を体現するようになっていった。同時進行で、開発区の労働者の賃金は明らかに上がっていった。

だが、賃金は上がっていったが、開発区の自動車部品工場のお得意先であるトヨタ、ホンダ、日産などは、毎年サプライヤーに対して値下げを要求した。工場では、休日入れ替えや残業調整など、労働強化が強められ、残業を避けるために[作業スピードがあげられ]、労災や職業病が増加した。

2013年から開発区労働者の行動空間[ストライキを取り巻く環境]に変化が見られ始めた。2013年以降は、地方政府や大小さまざまな資本家が一致団結して労働者に反撃をはじめ、労働者の行動[ストライキ]はリスクに直面し、積極分子は狙い撃ちされ、それ以前の数年間に積み上げてきた組合民主主義の経験は大いに損なわれることになった。

2013年の旧正月、開発区の東海自動車部品工場で年末一時金の団体交渉が行われていたときに、労働者がストライキを打って部長が務めていた組合委員長の解任を求めた争議のなかで二人の交渉代表が逮捕された。

この事件以降、逮捕された交渉代表は保釈され、裁判でも無罪となったにもかかわらず、開発区の経営者たちは「ストライキをすると逮捕される」と大々的に宣伝し、労働者の恐怖心をあおり、ストライキを抑え込んだ。

2014年から15年にかけて、デンソー、大友、白木などの[日系]自動車部品工場の労働組合の委員長や副委員長なども、職場を追われたり、辞職を迫られたりした。白木の組合委員長などは職場で暴行されるという目に遭った。これらの組合の委員長や副委員長らは、かつては広州市が進めてきた労働組合改革の好例として紹介され、労働組合の改革に関する学術会議のゲストとして招かれていたにも関わらずである。

2013年以降、開発区労働者の賃上げ・一時金交渉は、それ以前に比べて明らかに困難に直面した。組合の役員選挙も2010年以前の状況にますます似てきて、交渉代表に立候補することさえもはばかられ、その選挙もますます無内容なものになっていった。組合員から選出された代表であっても、ますます単なる「伝達機械」にならざるを得なくなり、たんに組合の決定を組合員に伝えるだけの役割となっていた。かつては当たり前のように見られた交渉前の組合員アンケートも、「労働者を扇動する行為」だとみなされるようになっていた。

組合改革の空間は消失したが、自動車部品工場と労働者の間の矛盾は先鋭化した!2017年、ホンダに部品供給していた広州アイパックの多数の派遣労働者が正規労働者への転換と同一労働同一賃金を求めてたちあがった。このたたかいは、開発区の他の会社の労働者にも影響を及ぼし、各工場で同じような要求が出された。沈夢雨がいた広州日弘機電でも、労働者が立ち上がり[正規職員と同じ]法定住宅積立金の会社負担を勝ち取った。

2015年、国家の最高指導者が組合活動に「機関化、行政化、貴族化、娯楽化」などの現象がみられると批判したことで、中華全国総工会は縮み上がり、この四つの現象を解消すると約束した。同じ年に沈夢雨は広州日弘機電に就職した。

2018年、沈夢雨は団体交渉のさなかに、労働者民主主義や労働者の権利を堅持したことが原因で、日弘機電の会社と労働組合によって解雇された。しかし夢雨は企業と組合執行部による現場労働者の民主的要求に対する弾圧に屈することなく、たたかいを継続し、会社を訴え、組合民主主義の実現を目指している。夢雨への違法解雇の事件が告げているのは、長いあいだ抑えつけられてきた開発区労働者による「自分たちの労働組合」という訴えなのである。

中国:二つのメーデースローガン(2018/5/1)

メーデーです。おとなり中国は、代替わりの「奉祝メーデー」とは関係なく毎年お休みです。人民日報ウェブ版を開いたら、トップ記事で大きく

「習近平:弘揚労模精神 激励広大労働群衆争做新時代奮闘者」
(習近平:労働模範精神を発揚し、広範な労働者大衆が競い合って新時代の奮闘者となるよう激励せよ)

という見出しとともに、メーデ関連記事が掲載されていました。あまり意味がないので、とりあえず記事のタイトルだけ訳します。

習近平給中国労働関係学院労模本科班学員的回信
(習近平から中国労働関係学院労働模範本科班学員への返答)

珍惜栄誉 努力学習 継続拼搏 再創佳績 激励広大労働群衆争做新时代的奮闘者
(栄誉を大切にし 学習にいそしみ 粘り強く奮闘を継続し 好業績をさらに創造し広範な労働者大衆が競い合って新時代の奮闘者となるよう激励せよ)

紀念中共中央発布“五一口号”七十周年座談会在京挙行
(中共中央発布の“メーデー・スローガン”70周年シンポジウム)

で、このような政府側の取り組みとは別に、賃上げや長時間労働など労働条件の改善という「メーデー・スローガン」を掲げてストライキを呼びかける労働者たちのニュースも流れていました。

どうせ訳すならこっちでしょ、ということで訳しました映像もあります。ちなみに4月末に北京大学でのアカハラに#MeTooの声を上げた女子学生の岳昕さんの二度目の公開状でもこの争議や塵肺患者の境遇など労働者への関心にも触れており、こちらもぜひ翻訳紹介したい内容です。
→https://www.letscorp.net/archives/130463。

激温経済の中で過酷労働の改善と賃上げを求める労働者の要求は当然でしょう。なぜ弾圧する?以下、香港紙りんご日報の記事の翻訳です。映像もあります。

<会員 IY>


★18省27市示威促加薪天秤手號召今罷工遭打壓
18省27都市で賃上げ示威 クレーン運転手らが呼びかけたストに弾圧

原文

「給料があがらないときはどうする?」「ストライキでしょ!」

今日は5・1労働節だが、中国国内では驚くことにメーデーストライキが呼びかけられていた。建築用クレーン運転手らが、低い賃金、ひどい待遇に不満をもち、先週木曜日(4月26日)に全国18省27都市の街頭で横断幕を掲げ、スローガンを叫ぶ示威を行い、賃上げを求め、賃上げされなければ5月1日にストライキを行うと予告した。争議は各地に広がり、当局は慌てて弾圧に乗り出した。労働運動活動家によると、今回の示威行動は現場の親方らが呼びかけたもので、従来の争議ではあまりみられなかったケースだという。

中国労工通訊およびウェブ上の映像などによると、クレーン運転手らによるリレー式の示威は、広東省中山、茂名、広西省、福建省、江西省、湖南省、湖北省、河南省、河北省、四川省、重慶特別市など中国全省の半分の18省27都市で連鎖的に、しかも同一産業のなかで発生している。四川省自貢市のクレーン労働者らが4月26日に行動をはじめたのが最初で、かれらは横断幕を掲げ、賃上げを要求し、それが受け入れなければすぐにストライキに突入すると宣言した。


・広東:横断幕を掲げる茂名の示威労働者(写真)

・山東:青島クレーン労働者らの示威(写真)

「家族を養えない 満足にご飯も食べられない!」と叫ぶ

河北省石家庄とおもわれるクレーン運転手らは大きな横断幕を掲げ、賃上げと労働時間の規制を要求している。「タワークレーンのオペレーター9000元、合図者5500元、エレベータ運転手5000元。8時間労働。」広西省玉林の労働者は横断幕を掲げて、残業代1時間につき50元増やせ、と叫んでいる。河南省洛陽の建築労働者は「洛陽のタワークレーンのオペレーターには祝日休暇もなく、残業代もなく、諸手当もないので要求してかちとるしかない」というスローガンを掲げている。

ある労働者はWEB映像のなかで中央政府に対する不満を公然と述べている。「おれたちの給料は5-6年前と変わらない……残業代も出ないし、給料も上がらない……これじゃ家族を養っていけないし、満足に食事もとれないよ」

当局は大いに緊張し、ウェイシン・チャット(中国国内のライン)グループを閉鎖し、チャット・オーナーを調査している。本誌記者はためしにこのアカウントに連絡を取ってみたが、このアカウントが違法の疑いがあるということで当局から閉鎖されていた。情報によると、深セン建築業協会機械分会が前日に発した緊急通知では、クレーン運転手らが低賃金に抗議してメーデーに集団行動をおこすので、建築関連企業は管理を強化し、争議の爆発を回避するよう指示していたという。昨日、本誌記者は深セン建築業協会に電話したがつながらなかった。政府関係者がすでにこの事件に介入しており、労働者代表と面会したという情報もある。

・建設現場で示威の指揮を執る親方(写真)

・政府担当者と警察が説得に(写真)

「非常にめずらしい」と香港HKCTUの幹事

中国国内の労働者の権利に関心を示してきた香港職工会聯盟の林祖明幹事によると、今回の示威行動は労働者がQQ(中国のインスタントメッセンジャー)などのグループで自発的に組織したもののようだ。中国国内の建築業や下請け構造の状況は香港と似ており、下請け、孫請け、など階層化されている。現場の労働者は親方が仕事を手配しており、今回はその親方らが始めた者だろう。林祖明幹事によると、中国国内のタクシーやバイク便などの業界でも近年ストライキが多発していたが、建設業ではあまりみられなかった。今回のクレーン作業員らの示威とメーデー・ストライキの呼びかけは、近年ではまれに見る事件だ。

中国:読書の権利を守れ!左翼への弾圧をやめろ!(声明とフォトアクションのお願い)(2/20)

 

すこしまえに、中国国内の大学のマルクス主義読書会メンバーに対する弾圧を紹介しました。
レイバーネット日中労働情報フォーラムのサイトでも紹介していただきました。多謝!

旧正月のいまも迫害は続いているようで、以前、ユニクロ問題で来日した香港の方から、弾圧されている青年らを応援するフォトアクションを世界に呼びかけているというメールをもらいました。

被疑者8名の名前と応援メッセージが書かれたボードをもった写真を撮って応援する、というよくあるスタイルです。こちらの応援FBページに写真がありますのでご覧ください。FBページには、被疑者の青年らの訴えも掲載されており、なかなか根性の入った訴えなのですが、ちょっと翻訳紹介する時間がなくてすいません。かわりにこの応援FBに掲載されている声明「読書の権利を守れ!左派への弾圧をやめろ!」と、「あなたにできること」という支援要請のメッセージを訳して紹介します。

声明によると警察は、マルクス主義を学ぶ真の理由を訊問したそうですが、そんなの革命にきまってるじゃない。そしてそれを罪に問うてはいけません。偉大な主席も言っていませんでしたか?「革命無罪」って。読書の権利は「right to read」と言うようですが、この場合は「left to read」かな。がんばれ~。

以下、FBページからの超訳です。

会員・IY


★ あなたできること

旧正月の期間に、保釈中の人やウェブ上で指名手配され逃走中の左翼青年を応援する運動をはじめました。メッセージボードを掲げた写真を撮って、wendychow1985@gmail.comまで送ると、その写真がこの応援サイトのアルバムに掲載され、連帯の意志を示すことができます。

メッセージボードはこちら(googleドライブ)
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中文

★ 声明:読書の権利を守れ!左翼への弾圧をやめろ!

この数か月のあいだ、中国政府は南京と広州にある二つの大学のマルクス読書会に対する摘発を行うという弾圧をつづけてきた。

2017年11月、警察は広州工業大学のマルクス主義読書会を襲撃し、6名の参加者を逮捕し、うち2人を「聚衆擾乱社会秩序罪」の容疑で刑事拘留した。その後、読書会の他の関係者2人も同じ容疑で拘束された。そのうちの一人、張雲帆が拘束されたというニュースが広がり、幾名かの著名な知識人が釈放を求める公開書簡を起草し、検閲の厳しいインターネット上において400名を超す賛同署名を集めた。それからおよそ一か月後、4人の被拘束者は保釈された。別の4人の読書会参加者もインターネットをつうじて指名手配されている。

広州事件が発生する3カ月前の2017年8月、南京中医薬大学のマルクス主義読書会のメンバーが、10人の警察官によって襲撃され、「違法マルチ商法」容疑で派出所に連行された。派出所に一晩拘留され、何度も張り手をされながら、マルクス主義を学ぶ背後の意図は何かを訊問された。その後かれらは釈放されたが、その後の警察は読書会の妨害を続け、読書会は継続できなくなってしまった。南京読書会に対する弾圧は2018年1月29日になって、参加者の一人が弾圧の実態を暴露したことで、広州の事件が単独のケースではなかったことが明らかになった。

今回の事件は、学生や青年がマルクス主義の文献を学ぶだけで犯罪とみなされ、読書会は当局によって「反党反社会的組織」というレッテルを貼られたが、これが形の上ではマルクス主義が主導する国家の警察人員によって行われたのである。これは一般的に言われている事とは異なり、中国政府による迫害が共産主義に起因するものではなく、資本主義であるがゆえである!

われわれは当局に対して、保釈された人や指名手配中の人をふくむ読書会に参加した青年らに帰せられた一切の容疑を撤回し、左翼および読書会への迫害を停止するよう求める。焚書反対!読書の権利を守れ!

広州の労働人権活動家の孟含がふたたび拘束(9月22日)

9月3日に釈放されたという嬉しい情報をお知らせした中国・広州の労働人権活動家の孟含さんが、9月22日にふたたび拘束されたという悲しいお知らせです。以下は、中国の自律的労働運動を支援している香港職工会聯盟のfacebookの翻訳です。

※なお名前の「含」は本当は日へんに「含」ですが、文字化けの可能性があるので、「含」としました。


【二度の下獄でも信念を曲げず、今日、みたび逮捕される】

彼は、何度も中国で労働者の権利のためにストライキを組織した。
彼は、労働者の権利を守るために二度も下獄した。
彼は、労働者の権利を守る活動に参加したことで、それぞれ9ヶ月と21カ月も監獄に囚われた。
彼は、2017年9月3日に出獄し、今日獄中ノートを発表したがその日のうちに、またもや広州警察に逮捕された。
彼の名は、孟含。中国の労働人権活動家だ。

報道によると、今日(9月22日)午後2時30分、広州南沙金州派出所の警察職員8人が孟含の自宅を家宅捜索し、彼を連行したという。連行理由は今のところ不明。しかし今回の事件は前日に自分のウェイボ(微博=中国のSNS)で「獄中札記」を発表したことと関係があると考えられている。(文章はすでに削除されており、今朝がた広州の人権活動家、祥子のfacebookに転載された)

孟含は「札記」のなかで、彼が利得社での争議における労働者の組織化の経歴を記し、労働者の権利擁護の立場を堅持することを述べていた。私たちは、中国政府が言論内容だけで孟含をふたたび逮捕したことについて強い怒りを表明するとともに、すぐに孟含を釈放することを求める。

本組合は、彼の獄中書簡を転載する。その一字一句から、自らの行いに何ら恥じ入ることなく、たとえ下獄していても、いぜんとして労働者の権利を守る行動を尊重しない中国政府に対する批判を続けていることが分かるだろう。

獄中書簡の全文(中国語)はこちら:

以下はその抄録:

私の態度は依然として断固としています。私は私が推進してきた団体交渉が正しかったと確信します。もしこのような行為が犯罪とみなされるのなら、わたしはふたたびこのようなリスクを冒しても労働者の抱える問題を解決しようとするでしょう!

2015年4月、利得社の労働者のストライキが発生し、わたしは無秩序な行動にNGOが介入し、労働法規と知識を宣伝し、労働者が秩序的な組織をつくることを手助けすることに意味があると考えています。いま当時を振り返り、すべてがどのように発生したのかを、真剣に振り返り、そこで犯した過ちも回避する必要はないでしょう。これらの回想による痛みを気にすることもないでしょう。

変革の時代であるいま、NGOという名称は、私たちが活動に従事している時には一定の意味合いを帯びていました。わたしたちNGOは犯罪活動となんら関係もなく、むしろ政府部門の不作為と密接に関係していると言えます。まさにそうであるがゆえに、私たちは社会から一定の注目を受け、メディア、研究者、そして労働者からの注目を受けています。実際、NGOに対する政府の影響はどの国においても不可避ですが、問題はそれらの影響がどのような方法なのか、ということです。わたしのNGO組織は労働者からの要請に応えて、利得社の労使紛争に介入しましたが、その活動は積極的、向上的、進歩的なものでした。

長年、地方政府はGDPを最優先にして、他の一切を犠牲にし、一切は政治の業績のために、一切は安定第一で経済成長するためのものです。彼らは労使の矛盾が激化していることが分からないのでしょうか。さらにはこの様な考えに基づいた経済成長が続くと、労働者や農民工が最大の被害者になることに、考えが及ばないのでしょうか。これら大衆はそのことをよく知っています。私自身も国有企業をレイオフされた労働者です。「高層ビルには長い影、ネオンの下には血と涙」。これこそが労働者農民を映し出す姿なのです。

従来の無組織の極端な行動に比べると、組織的な権利擁護の方法は疑いなく一種の理性的で進歩的なものです。利得社労働者の権利擁護活動の成功は、まさにそれを反映したものでした。この集団は争議の過程において、不安定になるかもしれず、また各種の暴風に遭うかもしれませんが、しかし必ずこの過程を経る必要があるのです。深く眠らされた労働者を呼び覚ます必要があるのです。かれらが自らの立場に立ち、みずからの権利を主張し擁護し、難関を突破し、闘争を堅持し、労働者組織を信頼し、集団的力量に依拠することで、勝利することができるでしょう。わたしは彼らにその勇気があることを信じています。そしてそれ以上に彼らが勝利をかちとることを熱望しているのです。

中国広東:労働人権の不屈の男、孟含さん釈放(2017/9/7)

中国労働人権活動家、孟含さんが刑期を終えて釈放された、というニュースです。

中国では政治的な色彩を帯びた裁判では、裁判で白黒をはっきりさせるまでに、あらかじめ容疑者に罪を認めさせて、裁判の判決に従うように誘導します。それが人事評価を意識した裁判所の意向なのか、警察や検察の意向なのか、ちょっとわかりませんが、そういう事情があるようです。日本でも検察に上申書などを出すことと似ているかも知れませんが。。。

以下、香港の自立系ナショナルセンターの香港職工会聯盟(HKCTU)のfacebookから。香港での一帯一路の市民フォーラムでもHKCTUの中国チームはがんばっていました。

原文および孟含さんの写真はこちら。

※なお名前の「含」は本当は口へんに「含」ですが、文字化けの可能性があるので、「含」としました。  <会員・YI>

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広東:労働人権の不屈の男――孟含

21カ月の不当な拘禁ののち、中国労働者の権利擁護の活動家、孟含は9月3日に刑期を終えて出獄した。

習近平政権が発足し、中国の市民社会と権利擁護の活動家は厳しい日々を余儀なくされてきた。劉暁波は獄中で病に侵され、ついに亡くなったことは全世界を震撼させた。世界中で嘆きと悲しみが覆う時を同じくして、これまで何度も弾圧に屈しなかった人権弁護士の江天勇は罪を認めて判決を受け入れた。だがそのことを意外に思う人はすでにいなかった。過酷な取り調べと家族への恫喝のなかで、不屈の男も膝を屈せざるを得なかったのである。一年前の広東でも同じような不屈の男が罪を受け入れることを余儀なくされた。それが孟含である。

2013年、広州中医薬大学第一付属医院の労働者と警備員の権利のために、同一労働同一賃金と労働契約を実現する活動を理由に、孟含と17人の仲間たちはの容疑で起訴され、懲役9カ月の判決を受けた。孟含は法廷で「現代中国の労働者として、ディーセントワークの権利さえもはく奪されるのであれば、わたしは監獄で余生を過ごすことを選択する」と発言した。刑期を終えた9ヶ月ののち彼は「政府は公権力をつかった労働者の人権擁護活動への弾圧をやめるべきだ。労働者の権利をまもるために犠牲はやむを得ない。わたしはそのための心の準備はすでにできている」と語っていた。

その後、彼は労働NGOで活動をはじめ、広州の利得シューズ工場の3000名近い労働者の権利獲得に成功したが、その代償として2015年12月3日に広東省の労働人権活動家ら27名とともに一斉に逮捕され、最終的に4人が起訴された。

孟含の審理と判決は最後に回された。なぜなら彼は最も「面倒な」被告だったからだ。逮捕された後、孟含は弁護士を通じてこう述べていた。「わたしの案件は短期間では解決できないでしょう。わたしも良心と道徳を捨ててまで彼らと妥協はしたくありません。」「この事件について、私は良心に恥じるところはありません。」

彼の両親が脅かされ、伴侶が監視下に置かれ、家族に嫌がらせが行われるという状況で、不屈の男、孟含は当局との妥協と容疑を認めることを余儀なくされ、1年9ヶ月の判決を受けたのである。しかし、それによって彼に対するわれわれの尊敬が損なわれることはなかったし、抵抗する中国労働者という彼のイメージが損なわれることもなかったのである。

労働人権活動家の劉少明さんに国家政権転覆罪で禁固4年の判決(7/7)

日本でもノーベル平和賞の劉暁波さんや人権弁護士一斉弾圧2周年(7月9日)の報道が流れていますが、こちらは労働運動関連での弾圧情報なので、日本の主流メディアの注目度は低いかと思い、紹介します。<I・Y 会員>

香港の公営放送が流した短いニュースです。

原文および劉少明さんの写真はこちら。
http://news.rthk.hk/rthk/ch/component/k2/1340703-20170707.htm

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劉少明が国家政権転覆罪で禁固4年の判決
2017-07-07 HKT 12:53

労働人権活動家の劉少明さん

(写真)劉少明はこれまで珠江デルタ地域の労働者の権利のための活動を続けてきた

中国内で積極的に労働運動に従事してきた人権活動家の劉少明は、2年間拘留され、今朝(7月7日)国家政権転覆罪で禁固4年の判決を受けた。

今年60歳になる劉少明は、珠江デルタ地域で労働者の権利擁護の活動を支援してきた。一昨年5月に自宅から連行され、「騒乱罪」の容疑で勾留されていたが、昨年4月に「国家政権転覆扇動罪」容疑に変更され起訴されていた。広州市中級人民法院の第一審は15ヵ月後にやっと判決を言い渡した。

劉少明はかつて江西鋼鉄廠の労働者で、1989年5月に北京に赴き「北京工人自治聯合会」に参加し、天安門の学生たちを支援したとして、6・4天安門事件後に禁固1年の実刑を受けた。