カテゴリー別アーカイブ: NGO

南京大虐殺から82年 2019東京証言集会  ― 世代を越えて戦争の記憶を受け継ごう(12/11)

南京大虐殺から82年 2019東京証言集会
 ―― 世代を越えて戦争の記憶を受け継ごう ――

2019年12月11日(水)午後6時半開始(開場6時)

全水道会館 

(JR水道橋駅下車東口白山通りを北へ右すぐ 地下鉄三田線水道橋駅A1出口)

証言:葛鳳瑾さん

   「父葛道栄(幸存社)の受けた被害」(仮題)

講演:孫宅巍さん(江蘇省社会科学院研究員)

   「悲壮な南京防衛戦の真相」

資料代:1000円(18歳以下無料)

賛同:個人1000円 団体3000円

郵便振替:00170-3-87807 「南京」集会実行委員会

主催:南京集会東京実行委員会

連絡先:ノーモア南京の会・東京
  

http://www.chinalaborf.org/wp/wp-content/uploads/2019/12/8b650d8ea98de57a62b72896538651db.pdf

* 南京大虐殺から82年 2019東京証言集会 チラシ(表)
* 南京大虐殺から82年 2019東京証言集会 チラシ(裏)

塵肺労働者を支援して逮捕された3人の青年(楊鄭君、危志立、柯成兵)

中国内陸の湖南省から深センに出稼ぎで工事現場の粉砕工事に携わり塵肺症を患った労働者らの補償要求を支援、報道したことが「社会不安をあおる」とされて、今年1月と3月に青年3人が拘束されました。

塵肺症患者らはじめ支援者らは、3人の即時釈放を求めています。また拘留中の3人の顔写真をお面にして各地で写真を撮る連帯アクションも呼びかけられています。

#釋放勞權維護者危志立
#FreeChineseLaborActivistWeizhili

のハッシュタグで検索してください。フォトアクションの様子が分かります。
日本でも連帯してほしいと連絡が来ています。協力できそうな方は連絡を。

80年代後半生まれの3人の青年の経歴などはまた別の機会に紹介します。

=============

◆湖南省の塵肺労働者の補償要求と「新生代」web編集員の逮捕

【概要:2019年3月20日早朝、湖南の塵肺労働者の補償要求を支援してきた労働自主メディア「新生代」の編集員の危志立(小危)、柯成兵(老木)が広州まで市を跨いでやってきた深セン市坪山警察に逮捕された。今年1月8日に同じく湖南の塵肺労働者の補償要求を支援してきた「新生代」の編集長、楊鄭君(包子)も市を跨いで広州市までやってきた深セン市坪山警察に逮捕されている】

1990年代から、湖南省の桑植市、耒陽市、汨羅市などから労働者が深センへの出稼ぎで、ドリルや爆弾を使った建設工事に従事してきた。深セン市地下鉄、地王ビル、京基100ビルなど、深センのランドマーク的建設物の建設に従事してきた。かれらの作業環境は粉じんが充満していたが、防護措置はせいぜい簡単なマスク一枚で、それさえないこともあった。雇った会社はほとんど雇用契約を結ばず、社会保険料なども支払ってなかった。そして20年が経過し、労働者たちは次々塵肺症の疑いと診断された。しかし雇用契約もなく、社会保険料の納付証明もないので、雇用関係を確認することができず、労災認定や治療や補償に困難をきたしている。

2017年、桑植市、耒陽市、汨羅市では塵肺症を発症したりその疑いがある労働者が次々とでてきた。わかっているだけでも桑植市で300人余り、耒陽市で200人余り、汨羅市で30人余りに達している。すでに塵肺が原因で亡くなった労働者もいる。こうしたことから、2018年1月から、三地域の労働者が続けて深センにやってきて、深セン市当局が雇用関係を証明し、治療費や生活補助を求めた。しかし深セン市と湖南省の両当局は、労働者らの補償を求める動きを分断、恫喝、弾圧した。2018年11月初め、三地域の労働者約300人が「治療を!生活を!」「深セン市の不作為(を許さない)!」などのスローガンを叫びながら、深セン市政府の前で座り込み、責任者との対話を訴えた。しかし警察は刺激性の液体を労働者らに向
けて発射。労働者らが自殺覚悟でビルに上ろうとしたときになってやっと深セン市の厚生労働局や市政府の責任者が姿を現して労働者と協議をはじめた。

塵肺労働者の闘いによって、深セン市政府は湖南省政府に対して3億元の賠償を一括で支払い、湖南省が責任をもって塵肺労働者の補償を実施するよう委託した。しかし年が明けた2019年1月になっても、三地域の労働者の医療費手当や生活補償は全額が支給されなかった。あわせて湖南省当局は、労働者に対する監視を強め、かれらが北京や深センに行くこと妨害した。深セン市当局は1月7日に、深センに補償を求めにやってきた湖南省桑植市の労働者ら全員を故郷に送り返した。そして1月8日と3月20日に、それまで湖南の塵肺労働者を支援してきた楊鄭君(包子)、危志立(小危険)、柯成兵(老木)を拘束した。

楊鄭君、危志立、柯成兵はともに労働関連の情報を掲載してきた自主メディア「新生代」の編集員であった。「新生代」ウェブサイトは労働者をテーマにして、労働者の声を紹介することを趣旨とし、労働者の争議経験を共有し、労働者の争議情報のプラットフォームとして、労働者や社会分析に関するニュースを収集して提供すること、そして世論に対して労働者に関する議題を提唱してきた。楊、危、柯の三人は深セン坪山警察が市を跨いで広州市までやってきた逮捕された。現在、3人はともに深セン市第二看守所に勾留されている。

日本反戦平和記憶国際シンポジウム (3/8) へのご案内

連日のご奮闘に心から敬意を表します。
さて、来たる3月8日16時から、村山首相談話の会の主催で、衆議院第1議員
会館で、中国から著名な学者の皆さんを招聘し、日本の各界でご活躍の大学教授
・ジャーナリスト・市民運動家の皆さま方の出席のもと、「日本反戦平和記憶国
際シンポジウム」(添付のカラーチラシを御参照下さい)を、下記の要領で開催
いたします。
大変、中味の濃い、充実した内容の国際シンポジウムとなりますので、ご多忙
中、恐縮ですが、万障お繰り合わせの上、ご出席いただきますようお願い申し上
げます。

村山首相談話の会・理事長・藤田高景(携帯090-8808-5000)

*****************************************************************
「村山首相談話を継承し発展させる会」主催/「国際アジア共同体学会」後援

●●日本反戦平和記憶国際シンポジウム●●

第二次安倍内閣は、防衛費を毎年増加させ続け、2015年には集団的自衛権
の行使容認を含む安保法制を制定して憲法の平和主義を形骸化させようとしています。
現在、安倍首相は2020年の憲法改正で自衛隊を憲法に盛り込み平和主義の核
心である憲法9条2項の「戦力不保持、交戦権否認」を死文化させようと狙っています。
このように日本の政治状況は大変危険な方向に向かって進んでいますが、日本
人の中には政治に無関心な人も少なくありません。その原因は、一つには日本人
が過去の旧日本軍による中国・アジア諸国への侵略と植民地支配という歴史につ
いて教育を受けていなことにあります。
同時に、日本人、特に若者が憲法の平和主義を支えてきた戦後の日本民衆の粘り強い反戦平和の運動を知らないことにあります。
今回、私たちが中国からお招きする南京師範大学の林敏潔教授は、「日本の民
衆の反戦運動とその記憶」ついて研究されています。林敏潔教授は、中国の人々、
特に若い世代に日本での反戦・平和の活動の事実を正確に伝えることは、長期的
に見れば日本と中国の友好と和解と共生に役立つという信念から、地道な研究に
取り組んでこられました。林教授の研究は、実は日本人にとっても極めて重要です。
私たちは、アジアと世界の平和実現をめざし林敏潔教授の日本における反戦・
平和の活動記憶を後世に残そうと言う思いに賛同し、日本の学者・研究者・ジャー
ナリスト・社会運動家が一堂に会し、日本反戦平和記憶国際シンポジウムを下記
の要領で開催する事にしました。多くの皆様方のご出席をお待ちしております。

日時 2019年3月8日(金)16時~19時30分
15時30分から、衆議院第1議員会館のロビーで入館証を配付します。
会場 衆議院第1議員会館・B1・大会議室
※必ず、事前申し込みが必要です。

●申込先:会場は300名定員です。300名で申し込みを締め切りますので、恐縮ですが、大至急、以下までメールでお申し込みを、お願い致します。
村山首相談話の会・Email : murayamadanwa1995@ybb.ne.jp
<mailto:murayamadanwa1995@ybb.ne.jp>
携帯電話 : 090-8808-5000

*日本反戦平和記憶国際シンポジウム案内チラシ

今こそ、包括的な移民政策を! 移住連が院内集会開く(11/21)

安倍政権は今国会に新たな外国人労働者の受け入れを可能とする出入国管理法の改正案を提出した。法案の前提とされた法務省の「失踪技能実習生の現状」調査が不正に改ざんされた問題をめぐって国会が紛糾した後にようやく11月21日に衆議院での審議が始まった。この日、国会の議員会館で「移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」主催の集会が開かれた。国会議員多数を含め200名が参加した。
冒頭、鳥井一平(移住連代表理事)は、人類は移動することによって進歩してきたのであり、移民を労働者また人間として受け入れる必要がある。日本社会の現状は多数の外国人労働者の存在なくして成り立たない。政府は深刻な問題のある技能実習生制度や留学生に名を借りた外国人の雇用などを放置して、まともな移民政策を論議してこなかった。今こそ正面から移民の受け入れをまともに議論すべき時だと訴えた。

指宿昭一さん(外国人労働者弁護団代表)

次に指宿昭一さん(外国人労働者弁護団代表)は、「これまで政府は、専門的・技術的分野以外の非熟練労働(いわゆる「単純労働」)としての外国人労働者を受け入れないという方針を堅持してきた。しかし、実際には、技能実習生や留学生といった、本来は就労を目的としない在留資格を有する者が、非熟練労働の分野において就労し、日本経済を支えてきた」が、「従前の方針を実質的に転換し、非熟練労働者を含めた外国人の受け入れを行うことを表明」したのであり、「今後あらゆる分野に拡大される可能性が極めて高い」と解説した。これまでの外国人実習生を前提にした新たな制度は以下の課題が存在する。職場移転の自由、民間団体の関与と中間搾取、家族帯同を認めないこと等。基本的な立場として「外国人を労働力としてではなく、人として受け入れを行うべきである」。

引き続き、以下の方々が新しい制度の課題について発言した。

旗手明(技能実習制度権利ネットワーク)さん

■ 旗手明(技能実習制度権利ネットワーク)・「技能実習生の廃止を!」。
■ 高橋済(東京弁護士会「外国人も権利に関する委員会」)・「追いつめられる難民申請者と非正規滞在者」
■ 大川昭博(移住連)・「医療・社会保障と外国人パッシング」
■ 鈴木江理子(国士舘大学)・「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」は十分か?
■ 師岡康子(外国人人権法連絡会)・「人種差別撤廃基本法の制定を!」

日本で働く外国人労働者たち(起立)

また、この日外国人労働者の多数参加していた中で当該2名が発言した。
栃木県の農家(とち乙女栽培)で2005年から就労する中国人男性は、朝5時から夜8時まで1日15時間も働かせられ、残業代は時給500円、手取り月給8万円で、部屋は鍵をかけられ外出の自由もなかったと奴隷的な状態を語った。
もう一人の神奈川シティユニオンに所属するイメルダさん(女性)は、南米からの移民労働者で46年も滞在するが、会社内の外国人差別(厳しい仕事、残業の強制、ノルマの脅し、契約書へのサイン、社会保険なし)などを告発した。

集会の最後に、本格的な移民法が必要という佐藤信行さん(移住連)が集会宣言(別紙PDF)1121決議を提案し、採択した。

<報告と写真:高幣真公>

<関連記事> レイバーネット
歪んだ移民政策からまっとうな移民政策へ/「審議入りの日」300人が声上げる

外国人技能実習生が働く現場で何が起きているか?外国人技能実習生権利ネットワーク主催(11/11)

 衆議院で出入国管理法改正案の審議が11月13日から始まるのを前にして、「外
国人技能実習生の実態を知って!」と訴える集会が11月11日、東京で開かれ
た。外国人技能実習生権利ネットワークが、総会後の記念講演として開催した
「技能実習のリアル~いま、現場で何がおこっているのか」である。

外国人技能実習生権利ネットワーク共同代表・大脇雅子弁護士

はじめに同ネットワークの共同代表である大脇雅子弁護士(元国会議員)が
「送り出し機関での借金、日本の管理団体の搾取、まったく人道に反する扱いで
ある。公的な職業安定機関が労働者の権利が守られるよう紹介すべきで、12カ月
以上の外国人居住者を移住者として保護する国際ルールも知らない人がつくろう
とする制度は、技能実習生制度の問題を拡大するだけである」とあいさつし、改
正案を批判した。

そのご、クリーニング業界の外国人技能実習生の実態について鈴木和幸さん
(NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート)、外国人技能実習生問題に長
年取り組んできたが講演し、さらに佐々木史郎さ
ん(全統一労働組合書記長)、土屋信三さん(スクラムユニオン・ひろしま委員
長)、指宿昭一弁護士が報告した。

甄凱さん(岐阜一般労働組合)

鈴木さんは、クリーニング業界が価格競争によって組織的に技能実習生を使う
ようになり、不正・不当な競争が拡大していった経過を報告した。甄凱さんは、
カンボジア、中国、ベトナムの実習生の事例について、早朝から深夜までの長時
間労働、残業代は時給300円、賃金未払、強制貯金、給与明細書や雇用契約書の
不提示、労働災害、うつ病による自殺未遂、さまざまな差別・いやがらせなどを
報告した。

佐々木さんは、岩手県の建設会社に雇用されたベトナム人技能実習生が福島県
で除染作業に従事させられた事件について報告した。土屋さんは、日立製作所笠
戸事業所(山口県)でフィリピン人技能実習生が、電気機器組み立てという実習
計画とは異なる新幹線車両に窓や排水パイプ、カーペットやトイレを取り付ける
作業しかしていなかったこと、法務省と外国人技能実習機構の調査により実習計
画違反を指摘され、99名の実習生が解雇された事件について報告した。解雇から
30日間の短期滞在許可期間の中で日立と団交を行い、残りの実習予定期間22か月
分の所定賃金の支払いを確認した。指宿弁護士は、茨城県の「協同組合つばさ」
で農業に従事していた中国人技能実習生の裁判で、残業代の支払いを命じた判決
があったが、日常的なセクハラ行為は認められなかった。控訴して争うと述べた。

最後に、移住連の鳥井一平代表理事が「報告された実態は氷山の一角。日本は、
研修生・実習生と称して人権を無視した単純労働、低賃金労働者を受け入れてき
た。いまや、外国人労働者なしに日本経済は回らない状況になっている。新たに
外国人を受け入れても、実習生制度の問題を解決するものでなく、問題を引き起
こす制度をさらにつくることに過ぎない。技能実習生制度を廃止し、人権と労働
権が保障された多民族多文化共生社会をつくろう」と発言した。

<報告と写真:伊藤 彰信>

関東大震災 95周年虐殺された在日中国人受難者慰霊式(9/9) ご案内

謹啓

益々御清祥のこととお慶び申し上げます。 唐突にお便り差し上げますことをご容赦願います。

1923年9月の関東大震災に際して、東京を中心として名簿に記載されているだけでも750名以上の在日中国人が不条理な死を強いられました。
また中国人労働者の権利擁護に尽し、被災後は救援にあたっていた留学生出身の僑日共済会の王希天会長は、9月12日未明、野戦重砲兵第三旅団第七連隊の将校により密殺されました。
私たちは、夢と希望を抱いて日本へ渡り、必死に働いていた中国人の皆さんが、排外主義に煽られた軍と警察及び民衆の手により犠牲となった95年前の事実を心に刻み、受難者を追悼するため、二度とこのような歴史の再演を許さない為に、下記の要領で中国人受難者慰霊式を執り行います。慰霊式には最も被害者の多かった漸江省温州市からご遺族6名、福建省福清市からは関係者が来日され、吉林省からは9名のご遺族が参加されます。
ご出席がご無理な場合もメッセージ等を頂ければ幸いに存じます。

謹白 続きを読む 関東大震災 95周年虐殺された在日中国人受難者慰霊式(9/9) ご案内

沈夢雨:団結はチカラ(2018/7/2)

広州日弘機電(ニッパツの100%子会社)の労働者が2018年に実現した法定住宅積立金と賃上げについて、同社を不当に解雇された沈夢雨さんが論じた文章をざっと訳してみました。懐かしい言い回しなどは、中国の特色ある労働運動ゆえ。


沈夢雨:団結はチカラ
2018-07-02

2018年上半期、日弘公司で、日弘労働者の団結の力を示す二つの事件が発生した。

一、2018年6月19日、日弘は、派遣労働者と派遣から正社員に転換した労働者に対して、派遣身分のときには未納だった法定積立金を遡って納付することとを通知した。これは、日弘労働者たちの要求が実現したということである。

二、2018年の賃金交渉において、経営者とそれにおもねる労働組合執行部の意向を上回る回答を引き出した。当初、経営側は1.66%の基本給引き上げを提示していたが、われわれは6%+200元を勝ち取った。大部分の現場労働者の基本給が400元以上引き上げられる計算になる。年末一時金も経営側の3.5カ月に対して、4カ月+業績分を勝ち取った。

これらの勝利はどのようにして実現したのか。もちろん経営側の恩寵などではない。それは労働者全員の取り組みによって実現したのであり、とりわけ経営側に物申すことを厭わない果敢な労働者の功績が大きい。

一、圧力に屈せず団結して積立金をかちとる

経営側は、2018年1月まで、派遣労働者の住宅積立金を一銭も納付してこなかった。それによって、いったいどれだけの搾取が行われてきたのだろうか。

2018年が明けてから、周辺の工場の派遣労働者たちは積立金を勝ち取っていた。日弘の労働者も次々たちあがった。当初、積立金を勝ち取った人間は2~3人だけにとどまっていたが、すぐに20~30人に増えた。みんなで一致団結して、悪徳派遣業者と悪徳経営者に対して知恵を駆使して対峙し、最終的に積立金をかちとったのである。

その過程では、「出る杭は打たれる」といった警告もあった。たしかに最初に要求したときに、会社は見せしめとして、2名の派遣労働者が派遣会社に送り返されたが、それでもみんなは挫けなかった。逆にますます多くの労働者が積立金要求の隊列に加わり、団結した労働者たちを前に、経営側もお手上げとなり、圧力に屈して、積立金を遡って納付することに同意するほかなかった。

現在、200名近くの労働者が派遣身分のときの住宅積立金を遡って勝ち取ることができた。5000元もの積立金を勝ち取った労働者もいた!

当初、積立金を遡って納付するよう求めた労働者が狙い撃ちされたが、そのときは大部分の労働者のあいだに団結する意味が理解されていなかったからであり、いったんそれを理解したあとは、狙い撃ちされることもなくなった。団結こそが労働者の権利を守る最も有効な手段であり、団結した労働者全員を解雇したくても、そんな度胸は経営側にはなかった!

二、団体交渉に積極的に参加して成果をかちとる

賃金の団体交渉は、われわれ労働者の切実な利害に関係する事柄であり、一人一人が積極的に参加すべきである。しかし経営はさまざまな方法を通じて労働者の参加を阻害する。多くの労働者を交渉に参加させたがらない理由はいうまでもない。

2018年の賃金団体交渉は波乱万丈で息をのむ展開だったといえる。われわれ労働者ははじめて民主的権利を行使した。もちろんそれは、あまり徹底したものではなく、さらに大いに改善の余地はあるにしても、まったく行使しないよりも、はるかに意味のあることだった。

今年は、多くの労働者の参加によって、現場労働者の利益を代表して交渉に臨もうとしていた沈夢雨を、交渉員に推薦することに成功した。経営側とそれにおもねる労組執行部はあらゆる方法でそれを阻止しようとしたが、労働者たちは団結してその企みを跳ね返した。

多くの労働者がウェブ上であるいはリアルの世界でわれわれの交渉代表への支持を表明した。組合執行部は代議員大会で沈夢雨の交渉資格をはく奪しようとしたが失敗した。管理者は職権を濫用して労働者を恫喝し報復したが、それに屈しない労働者は、アンケート用紙への記入や彼女ために証言するといった実際の行動で彼女への支持を表明した。

後日、会社と組合執行部は共同で沈夢雨を不当解雇に追い込んだが、労働者の怒りを治めるために、譲歩せざるを得ず、団結した労働者の要求をのまざるを得なかった。

団結は力だ!小団結は小さな成果、大団結は大きな成果だ!

今年、われわれが積立金と賃金交渉においてかちとった成果は、経営者の慈悲によるものではなく、みんなの努力によってかちとったものだ。団結こそ権利実現のカギである。

この過程において、われわれが勝ち取ったもの利益だけではない。同時に尊厳をもかちとったのだ。解雇された者や狙い撃ちされたものもいたが、それは団結を経験した人数に比べたらずっと少ない人数でしかない!

われわれはまた、経営側のひ弱な実態と組合執行部の醜悪な一面を見た。労働者に対する弾圧は物の数ではなく、まさに「一切の反動派は張り子の虎」である。この張り子の虎は、なかば燃えかかっている。さらなる恥ずべき行為は、さらなる憤激を招くだけで、その代償は計り知れなく高くなるだろう。

もちろん、今回の勝利で警戒を解いてもいいというわけではない。

派遣会社が納付していなかった積立金は遡って納付させたが、日弘自体の積立金問題もある。賃金は挙がったが、経営はかならず別な方法で、それを回収しようとするだろう。たとえば生産量の増加、残業の削減[作業速度UP]、高賃金のベテラン労働者の解雇などなどが考えられる。今回の勝利の地平を維持すると同時に、今後おとずれるであろう暴風雨に備えるために、さらなる団結が必要であり、そうしてはじめて煮込んだ鴨鍋が飛び立つ[手にした勝利を逃す]ことを阻止できるだろう。

仲間たち、がんばろう!

広州の労働人権活動家の孟含がふたたび拘束(9月22日)

9月3日に釈放されたという嬉しい情報をお知らせした中国・広州の労働人権活動家の孟含さんが、9月22日にふたたび拘束されたという悲しいお知らせです。以下は、中国の自律的労働運動を支援している香港職工会聯盟のfacebookの翻訳です。

※なお名前の「含」は本当は日へんに「含」ですが、文字化けの可能性があるので、「含」としました。


【二度の下獄でも信念を曲げず、今日、みたび逮捕される】

彼は、何度も中国で労働者の権利のためにストライキを組織した。
彼は、労働者の権利を守るために二度も下獄した。
彼は、労働者の権利を守る活動に参加したことで、それぞれ9ヶ月と21カ月も監獄に囚われた。
彼は、2017年9月3日に出獄し、今日獄中ノートを発表したがその日のうちに、またもや広州警察に逮捕された。
彼の名は、孟含。中国の労働人権活動家だ。

報道によると、今日(9月22日)午後2時30分、広州南沙金州派出所の警察職員8人が孟含の自宅を家宅捜索し、彼を連行したという。連行理由は今のところ不明。しかし今回の事件は前日に自分のウェイボ(微博=中国のSNS)で「獄中札記」を発表したことと関係があると考えられている。(文章はすでに削除されており、今朝がた広州の人権活動家、祥子のfacebookに転載された)

孟含は「札記」のなかで、彼が利得社での争議における労働者の組織化の経歴を記し、労働者の権利擁護の立場を堅持することを述べていた。私たちは、中国政府が言論内容だけで孟含をふたたび逮捕したことについて強い怒りを表明するとともに、すぐに孟含を釈放することを求める。

本組合は、彼の獄中書簡を転載する。その一字一句から、自らの行いに何ら恥じ入ることなく、たとえ下獄していても、いぜんとして労働者の権利を守る行動を尊重しない中国政府に対する批判を続けていることが分かるだろう。

獄中書簡の全文(中国語)はこちら:

以下はその抄録:

私の態度は依然として断固としています。私は私が推進してきた団体交渉が正しかったと確信します。もしこのような行為が犯罪とみなされるのなら、わたしはふたたびこのようなリスクを冒しても労働者の抱える問題を解決しようとするでしょう!

2015年4月、利得社の労働者のストライキが発生し、わたしは無秩序な行動にNGOが介入し、労働法規と知識を宣伝し、労働者が秩序的な組織をつくることを手助けすることに意味があると考えています。いま当時を振り返り、すべてがどのように発生したのかを、真剣に振り返り、そこで犯した過ちも回避する必要はないでしょう。これらの回想による痛みを気にすることもないでしょう。

変革の時代であるいま、NGOという名称は、私たちが活動に従事している時には一定の意味合いを帯びていました。わたしたちNGOは犯罪活動となんら関係もなく、むしろ政府部門の不作為と密接に関係していると言えます。まさにそうであるがゆえに、私たちは社会から一定の注目を受け、メディア、研究者、そして労働者からの注目を受けています。実際、NGOに対する政府の影響はどの国においても不可避ですが、問題はそれらの影響がどのような方法なのか、ということです。わたしのNGO組織は労働者からの要請に応えて、利得社の労使紛争に介入しましたが、その活動は積極的、向上的、進歩的なものでした。

長年、地方政府はGDPを最優先にして、他の一切を犠牲にし、一切は政治の業績のために、一切は安定第一で経済成長するためのものです。彼らは労使の矛盾が激化していることが分からないのでしょうか。さらにはこの様な考えに基づいた経済成長が続くと、労働者や農民工が最大の被害者になることに、考えが及ばないのでしょうか。これら大衆はそのことをよく知っています。私自身も国有企業をレイオフされた労働者です。「高層ビルには長い影、ネオンの下には血と涙」。これこそが労働者農民を映し出す姿なのです。

従来の無組織の極端な行動に比べると、組織的な権利擁護の方法は疑いなく一種の理性的で進歩的なものです。利得社労働者の権利擁護活動の成功は、まさにそれを反映したものでした。この集団は争議の過程において、不安定になるかもしれず、また各種の暴風に遭うかもしれませんが、しかし必ずこの過程を経る必要があるのです。深く眠らされた労働者を呼び覚ます必要があるのです。かれらが自らの立場に立ち、みずからの権利を主張し擁護し、難関を突破し、闘争を堅持し、労働者組織を信頼し、集団的力量に依拠することで、勝利することができるでしょう。わたしは彼らにその勇気があることを信じています。そしてそれ以上に彼らが勝利をかちとることを熱望しているのです。