月別アーカイブ: 2015年12月

ジェンダーからみた労働人権活動家の逮捕について

こんにちは。会員のいながきです。つづけて中国労働人権活動家への弾圧の話です。

早期釈放をもとめるメッセージ・フォトアクションですが、支援団体のfacebookをみてみたら、中国国内の労働者やフェミニストやLGBTのみなさんも参加しているようです。
https://www.facebook.com/freechineselabouractivists/
(facebookにログインしないと見れないようです)
ということで、今回の弾圧を少し違った視点で論じた文章があったので訳してみました。

80年代に農村から都市部への出稼ぎ娘たちは「打工妹」と呼ばれてテレビドラマなどにもなりましたが、過酷な労働条件や危険な環境、そして性暴力の被害など、経済発展の影に彼女たちの苦労がありました。「中国の夢」へむかう「新常態」のしわ寄せが、彼女たちに襲いかかっているようです。 続きを読む ジェンダーからみた労働人権活動家の逮捕について

悲しみと怒りは消えていない~南京大虐殺の現場を訪ねて

  レイバーネット日本・訪中団員   佐々木有美

n00  *幸存者(大虐殺で生き残った人)の女性

12月10日から15日まで、日中労働情報フォーラムが企画する「日中不再戦の誓いの旅」に参加した。主な目的は、12月13日に行われる南京大虐殺犠牲者追悼式典参加と史跡などを訪ねること。北京で国際交流協会や、日中職工対外交流センターとの交流のあと、12日夕方に南京に到着した。現在800万人の人口を擁する南京は、大都市である。駅から市内へバスで向うと、夕闇に包まれた街はあちこちに高層ビルが立ち、夜景が美しい。78年前の大虐殺の面影は、当時街をとりまき、今も一部残る城壁に見られるくらいだ。

全文=レイバーネット日本サイト

動画(松岡環さん現地説明 5分) 南京大虐殺・太平門についてのお話

日中不再戦の誓いの旅 (2015年12月)― 北京、南京を訪問

日中労働情報フォーラム代表・訪中団長 伊藤彰信

 日中労交の「日中不再戦の誓いの旅」は、12月10日に出発し、北京、南京、蘇州を訪問して、15日に帰国しました。この旅は、中国職工対外交流センターの受け入れで実現したもので、訪中団は、団長=伊藤彰信(日中労交副会長)、秘書長=前川武志(日中労交事務局長)、団員=清水英宏(全国自治体運動研究会運営委員長)、佐々木史朗(全統一書記長)、佐々木有美(レイバーネット日本事務局次長)、小林勝彦(全港湾大阪支部書記次長)、西山直洋(全日建近畿地本書記次長)の7名です。

天安門前での訪中団
天安門前での訪中団

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深センの土砂崩れが工業団地を襲う(12/21)

昨日(20日)午前11時過ぎに中国深セン市の郊外にある工業団地で大規模な土砂崩れが発生しました。

8712dbbfea4c1e504f45dde97cb170d7工業団地ですので、被害者の多くは労働者であることが容易に予想されます。また一部市街地に残された村(城中村)にも土砂がなだれ込んだようで、こちらの被害も甚大なようです。 続きを読む 深センの土砂崩れが工業団地を襲う(12/21)

広東の労働NGO弾圧に関して中国中央テレビ(CCTV)がトンデモ報道

何度かお伝えしている広東省の労働NGOに対する弾圧事件。12月22日、新華社が「“労働運動の星”の栄光の背景を暴露する――番禺打工族文書処理服務部主任の曽飛洋らの重大犯罪事件容疑の調査報道」という記事を配信しました。

新華網 続きを読む 広東の労働NGO弾圧に関して中国中央テレビ(CCTV)がトンデモ報道

「人民網日本語版」2015年12月前半 抜粋(2015/12/17)

「人民網」日本語版から労働者・労働組合および日中関係に関わる記事を選択して、その抜粋(冒頭部分)掲載します。記事全文は見出しをクリックすると原文(日本語・中国語)を読むことができます。

<20> 「人民網日本語版」2015年12月16日
雪のタクラマカン砂漠を空撮、まるで童話の世界 新疆
強烈な寒気の影響を受け、12日夜から新疆維吾爾(ウィグル)自治区のタクラマカン砂漠周辺では雪が降り始めた。一面真っ白な雪景色の砂漠はまるで童話の世界のようで、多くの写真愛好家や観光客が集まった。写真は12月14日に同自治区ロプノール県タクラマカン砂漠の雪景色を空撮したもの。

<19> 「人民網日本語版」2015年12月16日
2015年中国の「今年の人物」総ざらい
〇驚喜(きょうき)【屠呦呦】ユーユーと鹿は鳴き、野の蒿(よもぎ)を食べる
中国の薬学者・屠呦呦氏が発見したアーテミシニンをマラリア患者の治療に使うと、致死率が著しく低減した。この功績によって、同氏は、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。中国の科学者が、国内で進めた科学研究で自然科学関連のノーベル賞を受賞したのは、今回が初めてだった。

<18> 「人民網日本語版」2015年12月15日
世にも珍しい中国の「海藻の家」を訪ねて 山東省
山東省栄成市煙墩角村で12月13日、大勢の観光客が海藻の家でオオハクチョウを見学している。海藻の家は主に山東半島東端にある栄成沿岸一帯の漁村に点在しており、強い地域特性を備えた珍しい中国の伝統家屋である。海藻の家は天然石の塊で壁を築き、近海で生育した海藻で屋根をふいている。また、雨風を凌ぐことができるほか、保温、断熱、防腐、防虫に優れ100年の間、耐久可能だ。今や、栄成市で現存している海藻の家の数は限られており、中でも最古の家は数百年の歴史を持ち、すでに修復保存作業を開始している。栄成市の生態系が改善されるに伴い、毎年冬になると、数千羽のオオハクチョウが越冬のためシベリアなどから飛来し、地元の観光業の急速な発展をけん引している。 続きを読む 「人民網日本語版」2015年12月前半 抜粋(2015/12/17)

トヨタ紡織の天津工場(Tenjin Intex)でストライキ

2015121020552837682中国・天津にあるトヨタ紡織の天津英泰汽車飾件有限公司(TIANJIN INTEX AUTO PARTS CO., LTD.)が労働時間の一方的変更にともなう時間外割増賃金の実質的カットを決めたことに対して、労働者が山猫ストを打ったようです。

ストライキは12月7日から8日まで続き、自動車組立ラインでの製造に影響がでましたが、警察が導入されストを弾圧するとともに、一時金の支給(向こう三カ月800元支給)などでいったんは沈静化したようです。 続きを読む トヨタ紡織の天津工場(Tenjin Intex)でストライキ

ユニクロ問題は解決していない

image こんにちは、会員の稲垣です。

中国の委託工場の過酷な労働条件問題で注目を浴びたユニクロですが、同問題を調査している香港のSACOMがレポートの第二弾を発表しています。情報の提供のみでごめんなさい。

ユニクロを経営するファーストリテイリングは、CSRを8月に発表しました。
そのなかで生産工場における問題点をいくつか指摘しています。 続きを読む ユニクロ問題は解決していない

「南京大虐殺」とは何だったのか?~あす(12.9)レイバーネットTVで検証番組

掘りおこされた従軍兵士の「日記」
掘りおこされた従軍兵士の「日記」

日本のマスコミのタブーは「天皇の戦争責任」「慰安婦」「南京大虐殺」の3つと言われている。しかしそんな中、10月4日深夜に放送されたNNNドキュメント『南京事件~兵士たちの遺言』は衝撃的だった。福島に住む小野賢二さんが、地元出身の元日本兵の「陣中日記」を丹念に掘り起こした記録だが、そこに刻まれた事実には重みがあった。小野さんは、当時戦場で書かれた「日記」に徹底的にこだわった。それを入手するために、元兵士を探しあて実に20年の時間をかけている。それも、小野さんは学者ではなく製造業で40年働いている労働者であり、その合間に調査を続けた。小野さんがこだわったのは、福島・会津若松の「歩兵65連隊」という一つの部隊だった。発掘した「陣中日記」には、「捕虜兵約3千を射殺」「捕虜残部1万数千を銃殺」という生々しい文字が残っている。南京事件から78年目の12月9日、小野さんをゲストに事件の真相に迫る。また「南京」と「原発」をつなぐ新事実を発表する予定だ。(レイバーネットTVプロジェクト)

◇ 放送録画
★ レイバーネット日本の報告:記事南京大虐殺の「勇士 木村守江」は福島原発導入の張本人だった!~レイバーネットTVで明らかに

 「戦争法の廃止を求め、侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジアに平和をつ くる集い」開かれる(11/27)

「戦争法の廃止を求め、侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジアに平和をつくる集い(11/27)
「戦争法の廃止を求め、侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジアに平和をつくる集い(11/27)

「戦争法の廃止を求め、侵略と植民地支配の歴史を直視し、アジアに平和をつくる集い」が、11月27日、衆議院第一議員会館で120名が参加して開かれました。
主催者あいさつに立った村山首相談話の会の藤田高景さんは「戦争法が成立したわけだが、日本の加害責任を見つめなおすことが、戦争をしないこと、アジアに平和をつくることにとって重要な課題だ」と述べたあと、「今回の集いに参加を予定していた中国からの証言者に対し、日本政府はビザを発給しなかった。歴史の証言をすることも許さない、事実をないものとしようする歴史歪曲主義の安倍政権を許すことはできない」と批判しました。

琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さんが基調提起を行い、安倍談話について「村山談話を継承していると言っているが、主体がはっきりせず、国策の誤りだったことを認めようとしていない。日本がアジアで最初に立憲政治を打ち立てたといっているが、アジア民族のたたかいが日本に対する欧米の圧力をゆるめさせたのである。その間に日本は侵略的帝国主義になった。決してアジアの解放のために戦争をしたのではない」と批判しました。

続いて、韓国から富山の不二越で女子勤労挺身隊として差別され、過酷な労働を強いられた被害者からの証言がありました。そのあと中国から細菌戦犠牲者遺族からの証言が予定されていましたが実現せず、ビデオが上映されました。
参加者の多くが高齢者であり、加害問題をどう若い人に伝えていくのかが課題だと思いました。戦争法案反対では大きく盛り上がりましたが、歴史認識問題になると低調になってしまいます。加害の事実にふたをすれば、国民は忘れてしまうと思っている安倍の目論見を跳ね返していきたいものです。

伊藤 彰信 (日中労働情報フォーラム代表)