月別アーカイブ: 2015年8月

 日中労働情報フォーラムの会員の最近の活動と意見を掲載します。

 日中間の労働者連帯を促進するための私たち日中労働情報フォーラム(JCLIF)の最近の活動を伝えます。

中国に進出した日系企業における争議や中国の労働者の闘いを紹介する中国国内・香港・台湾などのニュースを翻訳して紹介します。また、日中間の友好連帯の活動をレポートします。

天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄(その3)

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文:左楠    原文

【四】 爆発現場は東疆保税港区だが、保税区とは何か?

天津保税区は1991年5月12日に国務院の批准で設立された。面積は5平方キロで、中国北部最大の保税区。保税区は高度に解放された特別経済区域で、国際貿易、現代物流、加工区、展示即売の四つの機能を持ち、税関手続き、租税、為替などで優遇がある。つまり海外からの輸入あるいは国内からの輸出において、関税面で優遇をうけることができる。ゆえに保税区の倉庫や物流産業の成長はすさまじい。保税区に加工工場をつくり、原材料や半製品の輸出入など一連の活動を手掛ける企業もある。 続きを読む 天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄(その3)

隣国すべてが友人になるために ―戦後70年、米戦略と安保法制、そして平和を考える― 内田雅敏

内田雅敏 弁護士

 1 戦後70年の光景

2014年7月1日、安倍政権は閣議決定による解釈改憲を行い、これまで憲法上許されないとしてきた集団的自衛権行使容認した。そして関連法案が国会で審議される前に、日米外務・防衛担当閣僚会議(2+2)において日米防衛協力に関する指針(ガイドライン)を策定した。閣議決定は立憲主義を無視した違憲なものであり、新ガイドラインの策定は、国会無視、立法権の侵害である。安保法制については、その内容の曖昧さが指摘されたにもかかわらず、本年7月16日、衆議院で強行採決がなされた。
2013年、安倍政権は、多くの国民の反対の声を押し切って特定秘密保護法を制定し、14年これを施行した。その他にも、国是であった武器輸出禁止原則を緩和し、防衛設備移転三原則を作成した。そして、英国、仏国、豪州らとミサイル、潜水艦などの共同研究、共同開発の協議を始めた。 続きを読む 隣国すべてが友人になるために ―戦後70年、米戦略と安保法制、そして平和を考える― 内田雅敏

言葉は形容詞によって腐る―靖国史観が透けて見える安倍首相の70年談話― 内田雅敏

2015年8月15日
内田 雅敏

「百年以上前の世界には西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、19世紀、アジアにも押し寄せました」。2015年8月14日、安倍首相によって発せられた戦後70年首相談話の冒頭部分である。
正直、驚いた。「戦後」70年談話であるから、当然、これまでの首相談話等 ― 「日本側は、過去において、日本国が戦争を通じて、中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」(1972年日中共同声明)、 続きを読む 言葉は形容詞によって腐る―靖国史観が透けて見える安倍首相の70年談話― 内田雅敏

今年も南京大虐殺犠牲者追悼式典に参加 (2015/12/10~15)

日中労働情報フォーラムの会員の皆さん

日中労交は、今年も南京大虐殺犠牲者追悼式典に参加するため、北京・南京の旅を案内しています。あなたも、参加しませんか。(この計画は中国職工対外交流センターのご厚意により企画・手配されるものです)

■ 日 程 2015年12月10日(木)出発~12月15日(火)帰国
5泊6日
12月10日 北京到着(東京、大阪から)
中国職工対外交流センター表敬訪問
11日 中国人民抗日戦争記念館(盧溝橋)見学
中国国際交流協会表敬訪問
12日 南京へ移動
13日 南京大虐殺犠牲者追悼式典参加
14日 南京大虐殺記念館見学
上海に移動
15日 上海より帰国(東京、大阪へ) 続きを読む 今年も南京大虐殺犠牲者追悼式典に参加 (2015/12/10~15)

天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄(その2)

天津の爆破事故の続報です。時間がなくて続きの一部しか翻訳できませんでした。ごめんなさい。
死亡したり連絡が取れない消防員の多くが、港湾企業に雇われた若い農民工だったようです。待遇も悪く、雇用の流動性も高かったようです。危険な安全衛生環境で殺されるのはいつも労働者・農民です。 続きを読む 天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄(その2)

天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄 -「惟工新聞」より(8月21日)

こんにちは。会員の稲垣です。

天津の爆発事故は、もっと早くに紹介しておくべきでしたが、仕事が詰まっていて遅れ遅れになってしまいました。いろいろな視点があると思いますが、たくさんの労働者が亡くなっていますので、そういった観点からの情報を送ります。以下、香港のウェブメディア「惟工新聞」より。事故翌日のものですので、犠牲者数や情報量に限界がありますが、ポイントはついていると思います。二回に分けて紹介します。

原文はhttp://wknews.org/node/850
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天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄
13/08/2015 – 10:57pm

惟工新聞 編注】8月12日の深夜、天津で発生した危険な化学薬品の大爆発の被害者は増え続けている。爆発事故を起こした企業とは?犠牲になった労働者と消防士たちとは?なぜ化学薬品がこの地区に大量に蓄積されてきたのか?などについて書かれた「破土」の文章を転載する。文章では、事故の背景の内幕――物流会社による環境評価報告書の虚偽の疑い、労災補償が全額は支払われない下請け労働者の実体、そして救助の過程で犠牲になった消防士らも下請け(委託)制度における被抑圧者であった可能性などに触れられている。猛毒の煙火のなかでどれだけの事実が隠ぺいされようとしているのか。 続きを読む 天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄 -「惟工新聞」より(8月21日)

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明 (1972)

日本国内閣総理大臣田中角栄は、中華人民共和国国務院総理周恩来の招きにより、千九百七十二年九月二十五日から九月三十日まで、中華人民共和国を訪問した。田中総理大臣には大平正芳外務大臣、二階堂進内閣官房長官その他の政府職員が随行した。
毛沢東主席は、九月二十七日に田中角栄総理大臣と会見した。双方は、真剣かつ友好的な話合いを行った。
田中総理大臣及び大平外務大臣と周恩来総理及び姫鵬飛外交部長は、日中両国間の国交正常化問題をはじめとする両国間の諸問題及び双方が関心を有するその他の諸問題について、終始、友好的な雰囲気のなかで真剣かつ率直に意見を交換し、次の両政府の共同声明を発出することに合意した。 続きを読む 日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明 (1972)