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歴史に向き合い、和解から友好強化へ 内田雅敏講演会(2016年9月30日)

「過ちて改めざる、是を過ちという」、三菱マテリアル社(旧三菱鉱業)が中国人強制連行事件の和解にあたって受難生存労工に述べた謝罪の言葉である。同事件の和解を経て「日中友好の展望」と題する内田雅敏弁護士(戦争をさせない1000人委員会事務局長)の講演会が、9月30日、連合会館で開かれた。930uchida_a2

伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)
伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)

はじめに日中労働情報フォーラム伊藤代表が「日本の平和運動の弱さは加害者意識が薄いことである。二度と戦争を起こさないために中国人強制連行・強制労働問題を加害者としての反省を背負いながら考えてみたい」とあいさつした。(伊藤代表のあいさつ詳報)
内田弁護士は、鹿島建設の花岡和解、西松建設の広島安野和解の経験を踏まえながら、今回の和解が「平和資源」と言える内容を持つものだと評価し、次のように講演した。
いままでの和解より前進した点は、①三菱鉱業だけでなく下請先を含む3765人を対象とした、②会社の代表者が中国に赴き受難者に直接謝罪した、③和解金額が大幅に増額された、④その使途も明確に定められた。裁判では、元労工の請求を棄却する決定がなされ、確定しているが、和解ができた根拠は、西松建設事件での最高裁判決の「西松建設を含む関係者(註=国を指す)において、被害者らの被害の救済に向けた努力が期待される」という「付言」である。 続きを読む 歴史に向き合い、和解から友好強化へ 内田雅敏講演会(2016年9月30日)