「検証「安倍談話」、戦後70年・村山談話の歴史的意義」シンポジウムが開催

伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)

 村山首相談話を継承し発展させる会(略称「村山首相談話の会」)が主催する「検証「安倍談話」、戦後70年・村山談話の歴史的意義」のシンポジウムとパーティーが、11月5日、憲政記念館で開催されました。
シンポジウムは、主催者を代表して共同代表の鎌倉孝夫(埼玉大学名誉教授)さんがあいさつし、連帯のあいさつを平和フォーラムの藤本事務局長、全労連の小田川議長が行いました(小田川議長が登場するとはいささかびっくり)。
基調報告を浅井基文(元広島平和研究所長)さんが行いました。浅井さんは「安倍首相が目指すものは、昭和天皇の終戦詔書(玉音放送)の史観であり、戦後日本の体制を形づく
る原型であるポツダム宣言を無視し、単に受諾し降伏したものとしか見ていない。安倍談話を批判するとき、国民合意が欠如したもの、東アジアの平和と安定を揺るがすもの、日米関係の根本的な変節という国際的視点を忘れてはならない」と述べました。
シンポジウムは、高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)さんをコーディネーターに、田中宏(一ツ橋大学名誉教授)さん、天木直人(元レバノン大使)さん、最首悟(和光大学名誉教授)さんが発言しました。安倍談話の問題点の指摘はそれぞれ鋭いものがありましたが、田中さんの各国有名人の歴史認識に関する発言の紹介、天木さんの安倍首相は村山談話を継承するといわざるを得なかったという発言、最首さんの村山談話とアジア、安倍談話とイスラムという視点は、大変興味深く聞きました。

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挨拶する村山富市元首相

最後に村山元首相が「村山談話を継承すると言うなら、新たに談話を出す必要はなかった。安倍首相の言う積極的平和主義は武力による平和であり、日本国憲法とは異なるものである。慰安婦問題は日本の責任で解決すべきもの」と元気に発言しました。
パーティーでは、来賓として志位共産党委員長、吉田社民党党首をはじめ政界の要人が発言しました。私も来賓あいさつの第2部で紹介されましたので、日中労働情報フォーラムの紹介と「日中不再戦・反覇権の誓い」の決意を述べてきました。
「検証「安倍談話」、戦後70年・村山談話の歴史的意義」は、明石書店から出版され、1600円+税で販売されています。