関東大震災で虐殺された在日中国人受難者の慰霊式が行われる(9/9)

関東大震災で虐殺された在日中国人受難者の慰霊式(9/9 東京)

今年は関東大震災から95年。大震災で虐殺された在日中国人受難者慰霊式が9
月9日、関東大震災中国人受難者を追悼する会の主催で執り行われた。同会の共
同代表は、田中宏(一橋大学名誉教授)、林伯耀(旅日華僑中日交流促進会)で
ある。慰霊式は今回で6回目になる。例年は東京都慰霊堂で行われていたが今年
は会場の都合により全水道会館で行われた。
関東大震災では朝鮮人の虐殺、日本の社会主義者の虐殺は知られているが、中
国人の虐殺はあまり知られていない。名簿に記載されているだけでも750名以上
の虐殺が記録されており、中国人労働者の権利擁護に尽くし、被災後は救援にあ
たっていた僑日共済会の王希天会長も陸軍将校に密殺されている。
慰霊式には、王希天烈士の遺族ら15名が出席した。開会の言葉を田中宏が述べ、
遺族の代表が地域別、世代別にあいさつした。黙とうのあと、来賓のあいさつが
続いたが、在日華僑の代表はいずれも改革開放後に来日した新華僑だった。また、
服部良一社民党国際担当常任幹事、中村まさ子江東区議会議員が来賓あいさつを
おこなった。
慰霊式は、参加者が献花をおこない終了した。

 なお、遺族は、以下の4点を日本政府に要求している。
1 日本政府は、必ず国家としての責任を負い、この歴史事実を認め、1923年関東大震災時に虐殺された旅日中国人労働者・行商人及び彼らの遺族に謝罪すること。
2 1924年に日本政府が決定した賠償方針にもとづき、現行の国際慣例、物価水準に適合させ、受難者人数を修正のうえ賠償を実施すること。
3 歴史を以って鑑とし、後の世代にこの歴史事実を伝えるため、受難現地に、記念碑を建立し並びに中国人と朝鮮人を含む虐殺歴史記念館を建設すること。
4 日本の歴史教科書に書き入れ、日本の若い世代にこの歴史を知らしめ、そこから教訓をくみ取らせること。

 文・写真:伊藤彰信

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