月別アーカイブ: 2018年7月

「人民網日本語版」2018年7月前半 抜粋(2018/7/24)

<20>「人民網日本語版」2018年07月14日
三峡ダムにまもなく今年に入って最大規模の洪水到達
長江水利委員会水文局が13日に発表した最新情報で、長江において2018年で第2号となる洪水がすでに長江上流で発生していることが明らかになった。予想では14日2時にも三峡ダムに洪水のピーク流量である毎秒6万1千立方メートルが到達する見込みで、これは今年に入り同ダムに到達する最大規模の洪水となる。

<19> 「人民網日本語版」2018年07月13日
洪水の影響ですでに住民5万2千人が避難 重慶市
長江、嘉陵江、■江(■は倍のにんべんがさんずい)の氾濫による洪水が12日、重慶市に到達した。12日午前11時の段階で、この洪水の影響で住民5万2千人が避難を余儀なくされている。また、現時点で死傷者の報告はあがっていない。

<18> 「人民網日本語版」2018年07月13日
高齢者対象の食堂展開で高齢化に対応 広東省広州市
中国でも高齢化社会が急速に進み、「高齢者の世話」に注目が集まっている。統計によると、2017年末の時点で、中国の60歳以上の高齢者は2億4100万人と、総人口の17.3%を占めるようになっている。超大型都市である広州市の戸籍登録上における高齢者の数は161万人に達しており、高齢化問題が際立つようになっている。広州は16年から、「老人飯堂」という高齢者を対象にする食堂設置を展開し始め、数年の取り組みを経て、現在、町や村全域をカバーするようになっており、日中に家族が仕事で不在のため、昼食の準備が難しいという高齢者の問題の解決に一役買い、市民の間で好評を博している。政府の指導の下、社会が運営し、多くの人が参加するこのような高齢者サポートは、在宅介護をうける高齢者のサービス向上にもつながっている。

<17> 「人民網日本語版」2018年07月13日
河南省の農村で雑技の夢を追う子供
河南省濮陽市華竜区岳村郷東北荘村は「雑技の里」として有名を馳せている。「東北荘雑技」は2008年6月に、中国国家級無形文化遺産リストに登録された。東北荘村の雑技学校では、周辺の県や区の5歳から15歳までの生徒40人以上が雑技を学んでいる。生徒のほとんどが経済的にも恵まれているとは言えない農村家庭の出身であるため、雑技学校は最低限の生活費のほかは学費を取っていないという。基本練習の他にも、学校は文化の授業も行っている。一定期間の訓練を経て、生徒たちは次第に雑技のパフォーマンスを披露できるようになる。才能のある生徒はより大きな雑技団に入り、より大きな舞台で雑技の夢を追いつづけることになる。

<16> 「人民網日本語版」2018年07月13日
ゴンドラから橋へ 四川省の金沙江にかかる橋がついに開通
四川省布拖県馮家坪村の金沙江において「ゴンドラから橋への改善建設プロジェクト」が10日に竣工した。これにより、2年半かけて進められていた馮家坪村と雲南省巧家県鸚哥村の両岸をつなぐ橋がついに開通した。これまで20年間にわたって「鸚哥のゴンドラ」はこの一帯の人々が友達をたずねたり、病院に行ったり、学校に行く際に必ず通らなければならない金沙江を渡る「道」だった。この「鸚哥のゴンドラ」は一般の人からすれば見るだけでも恐ろしくなる高さのゴンドラであり、金沙江で使用されていた最後の1本だった。

<15> 「人民網日本語版」2018年07月12日
2018年「世界ソフトパワー報告」発表 中国のグローバル寄与度が著しく上昇
米国の南カリフォルニア大学外交研究センターと英ポートランド社は12日「2018年世界ソフトパワー研究報告」を共同で発表した。報告によると、英国が世界で最も大きなソフトパワーの影響力を備えた国家となり、中国は第27位と、4年連続でトップ30にランクインした。一方、米国のソフトパワーランキングは第4位にランクダウンした。環球時報が伝えた。連続4年目で発表された同報告によると、英国は、世界で最も大きなソフトパワーの影響力を備えた国家に選ばれ、フランスが第2位、ドイツは第3位、米国は第4位、日本は第5位だった。報告では、国家のソフトパワーを評価するにあたり、6項目の客観指標(政府・文化・教育・グローバル寄与度・企業・デジタル化)およびグローバル世論調査に基づき、ソフトパワー指数を算出、ランク付けしている。

<14> 「人民網日本語版」2018年07月12日
中国とドイツが年間1千人の青年実習生を相互派遣
中国人力資源・社会保障部(人社部)によると、人社部の張紀南部長とドイツのフーベルトゥス・ハイル連邦労働社会相はベルリンで9日、「青年実習交流計画に関する中華人民共和国政府とドイツ連邦共和国政府の共同意向声明」を締結した。声明によると、両国は、年間それぞれ1千人の青年実習生を受け入れることに同意した。18歳から35歳までの学生あるいは卒業1年未満の青年を対象として、職業技能を学び、職人精神を発揚し、国際的な見識を広げ、キャリア能力を高め、人文交流を促進し、友情と相互信頼を培うことを目的に、相手国に赴いて最長6ヶ月までの実習を行う機会が与えられる。

<13> 「人民網日本語版」2018年07月11日
中国が国家森林都市300ヶ所を建設へ
貴州省貴陽市でこのほど開かれた生態文明貴陽国際フォーラム2018年年次総会における「森林都市グリーンシェア」をテーマにしたサブフォーラムで「全国森林都市発展計画(2018—25年)」が発表された。同計画では、第一段階として、20年までに、中国全土で国家級森林都市群を6ヶ所、国家森林都市を200ヶ所建設し、国情にマッチし、バラエティーに富み、特色ある森林都市を作りたい考えだ。また、25年までに、国家森林都市を300ヶ所に増やし、35年までに、森林都市生態サービスの均等化を実現し、森林都市建設から、全国民が利益を得るようにしたいとしている。

<12> 「人民網日本語版」2018年07月11日
中国赤十字基金会が「一帯一路」参加国で医療援助
30年にわたる戦乱の影響でアフガニスタンの医療環境は劣悪となっており、最先端の医療技術も不足している。中国の「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブと中国赤十字会の外国支援業務の計画に基づいて、中国赤十字基金会は2017年2月に「シルクロード博愛基金」を立ち上げた。2017年度、同基金はパキスタンでの救援プロジェクト、アフガニスタンでの重病を患う子供たちを援助するプロジェクトやモンゴルでの救援活動などを含む「一帯一路」参加国21ヶ国での活動を展開した。今年も、アフガニスタンとモンゴルで引き続き、先天性心臓病を患う子供を援助するプロジェクトを実施するほか、他の「一帯一路」参加国でもプロジェクトを展開していく計画だ。

<11>「人民網日本語版」2018年07月11日
6月の消費者物価指数が1.9%上昇 統計局
2018年6月には、全国の消費者物価指数(CPI)が前年同期比1.9%上昇した。このうち都市部は同1.8%上昇、農村部は同1.9%上昇、食品価格は同0.3%上昇、非食品価格は同2.2%上昇、消費財価格は同1.5%上昇、サービス価格は同2.4%上昇。上半期のCPIは同2.0%上昇した。6月の全国CPIは前月比では0.1%低下した。このうち都市部は変わらず、農村部は同0.1%低下、食品価格は同0.8%低下、非食品価格は同0.1%上昇、消費財価格は同0.2%低下、サービス価格は同0.2%上昇した。

<10> 「人民網日本語版」2018年07月10日
北京地下鉄空港線に自動チェックイン機導入
北京地下鉄空港線東直門駅の無料エリアに、ライトブルーと白を組み合わせた色合いの機械6台が横一列に並んでいる。乗客が第2世代身分証を機械の上に置くだけで、搭乗券が印刷され、しかも座席を選択できる。空港線の職員は、「スムーズに操作できた場合、全プロセスはわずか1分から3分ほどで終了する。空港線で第3ターミナルと第2ターミナルに移動するのに約30分必要なため、現在は離陸時間の2時間前までなら地下鉄駅で搭乗券を印刷することが可能となった」と紹介した。

<9> 人民網日本語版 2018年07月10日
間もなく開通迎える世界最長の海上橋・港珠澳大橋
中国広東省珠海市と香港地区離島区大嶼(ランタオ)島および澳門(マカオ)地区花地瑪堂区を結ぶ海上橋・港珠澳大橋(全長55キロ)は今年末には開通する予定で、粤港澳グレイトベイエリアの建設が加速している。港珠澳大橋が開通すれば、これまで車なら4時間、船なら1時間かかっていた東のランタオ島と西の澳門が、車で30分間で結ばれることになる。

<8>  「人民網日本語版」2018年07月09日
暴雨と洪水、冠水などで91万5千人が被災 江西省
応急管理部によると、国家減災委員会と応急管理部は8日、江西省の南昌市、景徳鎮市、九江市などでここ最近続いている深刻な暴雨による洪水や冠水災害に対応するため、国家Ⅳ級被災者救済対応措置を緊急発動し、被災状況を詳しく調査して、地方政府の災害救済活動を指導するため、作業チームを被災地に派遣した。江西省民政庁によると、7日午後6時時点での統計データでは、5日から続いた深刻な暴雨による洪水や冠水災害は、南昌、景徳鎮、九江、鷹潭、贛州、吉安、宜春、撫州、上饒9市の39県(市、区)に住む計91万5千人に被害をもたらし、直接的な経済損失は10億1千万元(1元は約16.7円)に達した。

<7> 「人民網日本語版」2018年07月09日
見ているだけでも辛そう!湖南省寧郷市で唐辛子コンテスト
湖南省寧郷市炭河古城で7月8日、唐辛子コンテストが行われた。数多くの挑戦者たちは唐辛子がたっぷり敷き詰められた巨型貯水池の中で唐辛子をいくつ食べられるか競い合った。最終的に優勝を手にしたのは、寧郷市出身の唐帥さん。唐帥さんは1分間で50個もの唐辛子を食べ、見事チャンピオンの座についた。

<6> 「人民網日本語版」2018年07月09日
タイのプーケット島遊覧船沈没事故で中国人観光客41人の死亡確認
タイのプーケット沖で中国人観光客らを乗せた遊覧船が5日、転覆・沈没した事故で、在タイ中国大使館は8日午前9時までに中国人観光客41人の死亡を確認したことを明らかにした。これにより計42人の死亡が確認されているほか、現在もまだ15人が行方不明となっている。新華網が伝えた。

<5> 「人民網日本語版」2018年07月09日
華為・騰訊・百度がソフトITサービス企業ベスト3に
2018年中国ソフトウェア・情報技術(IT)サービス総合的競争力上位100企業番付」がこのほど発表され、上位3位には華為(ファーウェイ)、騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)が並んだ。上位100企業は次のような業績を上げた。ソフトウェア事業の売上高が前年比21.4%増加し、利益総額も同30.8%増加した。産業全体に占める収入の割合は19%、利益の割合は40%に達し、収益水準がはっきりと100社以外を上回った。自主革新(自主イノベーション)が著しい成果を上げ、100社の研究開発(R&D)費用の投資強度(同費用の国内総生産<GDP>に対する割合)は10%を超え、研究開発担当者の合計は産業全体の57%を占めた、コンピューターソフトの著作権登録件数は累計8万3951件を超えて同94%増加し、産業全体に占める割合は11.5%に上った。

<4> 「人民網日本語版」2018年07月07日
経済史上最大規模の貿易戦争勃発 中国の反撃の理由は
中国と米国の貿易戦争がついに勃発した。米国は現地時間の7月6日午前0時1分(北京時間同日午後0時1分)より、高関税措置の第1弾リストにある818品目・340億ドル(1ドルは約110.5円)分の中国からの輸入品に対して25%の関税を上乗せした。中国商務部の報道官はただちにコメントを発表し、中国は「国の核心的利益と国民の利益を守るためには、迫られれば必要な反撃を行わざるを得ない」と述べた。北京時間の6日午後0時1分、中国の米国への対抗措置が実施され、農産物や自動車など545品目・約340億ドルの米国からの輸入品が対象になった。しかし、こうした事態は決して中国が求めていた結果ではない。実際、中米貿易摩擦がエスカレートして貿易戦争に発展しないよう、中国はこれまで最大限の努力を行ってきた。

<3> 「人民網日本語版」2018年7月05日
香港市民の7割以上が「モバイル決済を利用していない」ことが明らかに
香港生産力促進局がこのほど実施した調査から、「モバイル決済を利用したことがある」市民は3割にも満たず、モバイル決済の利用者は25歳から34歳の年齢層に集中しており、50歳から64歳の利用者が最も少ないという状況が明らかになった。今回の調査は、香港市民1049人と現地の小売企業428社を対象として行われた。「モバイル決済を利用していない人にその理由を尋ねたところ、「操作手順が良く分からない」が最も多く68%に上った。このほか、「プライバシー漏えいの恐れがある(55%)」や「現在のモバイル決済方式に満足していない(46%)」といった回答が寄せられた。

<2> 「人民網日本語版」2018年07月05日
中国の青少年、性の知識を「ネット」と「友人」から得るのが最多
上海社会科学院がこのほど発表した「大都市北京・上海・広州に住む青少年の性健康調査」報告によると、現在、中国の青少年が「性の知識」を得るのは、主に「インターネット」や「友人」を通してだ。また、多くの保護者が子供の性に関する困惑に対応することを望んでいない。青少年の性に対する見方が日に日にオープンになっているのを背景に、正しい性の知識を得る場がない、系統立てた性教育の不足などの問題に注目が集まっている。報告によると、現在、青少年が性の知識を得るのは、主に「クラスメート」や「友人」を通してで、全体の割合は合わせて26.1%だった。「学校の授業」を通してという回答は9.5%、「両親を通して」は14.9%だった。また、青少年は「性の知識」を主にインターネットを通して得ており、回答者の12.1%が「SNSを含むサイト」を通して「性の知識」を得ていると答えた。

<1>  「人民網日本語版」2018年07月05日
中国、海外から帰国してキャリアアップ狙う経験豊富な人材が増加中
世界最大級のビジネス特化型SNS・LinkedIn(リンクトイン)がこのほど、フォード、拜騰(BYTON)、金風科技、滴滴出行などと提携して米シリコンバレーで求人を行ったところ、200人が企業の説明を聞くために会場に集まった。LinkedInの統計によると、200人のうち85%が6年以上の仕事の経験があり、90%が修士課程以上の学歴を持っていた。その技術の分野は、人工知能、自動運転、ソフト開発、ビッグデータ分析などだった。LinkedInは、「30-40歳の経験ある海外人材の回帰傾向が顕著」と分析している。

中国:広州日弘事件~中国のフェミニスト左翼はこう考える(2018/7/19)

中国・広州日弘機電公司(ニッパツ100%現地法人)で御用組合から排除され、会社から解雇された沈夢雨さんの大学の同窓生で、フェミニスト左翼の鄭楚然さん(HNは大兎)による論考です。タイトルはこちらでつけてみました。大兎さんは2014年夏の広州清掃労働者のスト争議を沈夢雨さんとともに支援し、レポートも書いています。

2015年3月には他の4人のフェミニストともに公共空間でセクシャルハラスメント被害を訴える取り組みが社会秩序を乱したという理由で警察に逮捕されています。

http://www.chinalaborf.org/report/report15/report150315.html

以下、ちょっと長くてすいません。原文と写真メッセージはこちら

请各位同志承认梦雨的主体性|校友大兔支持妳

中国:広州日弘事件~中国のフェミニスト左翼はこう考える

(原題:仲間のみんなへ、夢雨の主体性を承認しよう~同窓生大兎はあなたを支持する)
中山大学で社会学を学ぶ学生だった頃、先輩たちが卒業後に、高給の仕事をあきらめて、労働者の側にたつために工場の労働者になるという話をきいていた。

「ちょっと極端で理解できないけど尊敬はするわ」。当時、私の中国労働者に対する理解は、社会学の教科書の知識や経済に関する公式の物語にとどまっていた。人生の大切な時間を費やして社会科学の学位を取得したのに、どうして大企業や公務員にならずに、多くの人がやりたがらない工場の仕事につくのか、わたしには理解できなかった。

その後、私はフェミニストになり、ジェンダー平等を提唱する道に進んだ。子どもの頃は大金持ちのお嫁さんになることを夢見ていたが、一生涯貧乏で波乱に満ちた生活の道を進むことになろうとは。よくよく考えると大学での6年間のあいだ、大富豪のお嫁さんになるという「理想」を思い出したことはなった。これは私が持っていた最も単純な正義感、世界はもっと公正で良くなるという純粋な正義感から考えると、自然なことだった。

大学の同窓で、そしていまでは同志の沈夢雨も、同じように純粋な正義感を持つ進歩的青年だった。中山大学数学計算学院の修士課程を修了した彼女は、本来なら他の同院の先輩たちと同じように、高待遇の職をみつけるか、キャリア公務員の道を進むかして、それなりのパートナーを探し当てるのも困らなかったはずだ。中山大学計算数学院は、私のような文系などはとてもありつけないような、高いIQが必要な職業からの誘いが数多くあった。

しかし彼女はそれを拒否した!そして広州日弘機電有限公司(東風ホンダ自動車の部品工場)のライン労働者になった。誰にでも親切でリーダーシップに富んだ彼女は、同僚たちから推されて交渉代表になった。この歩みは決して容易なものではない。会社との息の詰まるせめぎ合いだけでなく、組合執行部からの圧力やレッテルはりにも対応しなければならなかったからだ。わたしのように一日中パソコンの前で書類を作っているような青臭い書生とは違い、夢雨の歩んできた道は困難につぐ困難が待っていたが、得るものもまた大きかったといえる。

◎彼女に対する評価について

そんな彼女に対する尊敬の念とは別に、わたしは夢雨の争議に関する左派言論圏での議論にも注目してきた。わたしがどうしても注目せざるを得ないのは、夢雨は毛派青年として一部の人々から持ち上げられ、ヒロイン化されているが、このようなやり方は夢雨の安全と行動にとって不利な影響を及ぼし、ひいては夢雨がセクトの宣伝に利用されている、という意見があることだ。

いろいろな経緯から、わたしのアイデンティティはマルクス主義フェミニストとは完全に一致しないが、左翼フェミニストではあると考えている。だからといって労働者のたたかいに口を出すべきではない、ということにはならないだろう。上述のような心配や意見はもちろん必要だろう。しかしフェミニズムの観点からはこうも言いたい。夢雨をお人形さんのように扱うのはどうかやめてほしい、と。

労働者生活も3年がたち、豊かな理論的素地ももった成人女性である夢雨は、自立した考えと強い主体性をもったアクティヴィストであることを、私はまったく疑っていない。もし彼女がおかしいと思うような外部からの評価に接したときは、小動物のようにそれに耐え忍ぶようなことはないだろう。もしそれらの評価が彼女にとって不利に働くとすれば、彼女が公然と、あるいは個別に自分の不満を表明し、自分の感情と考えを述べることに何ら支障はないはずだ。

いま夢雨は闘争に精神を集中しており、外からの評価(ヒロイン化されている、など)についてはあまり考える暇がないだろう。そんなときに、本心で夢雨を心配している仲間であろうと、あるいはこれを機に自分たちの主張を表明しようとする仲間であろうと(みんな仲間[同志]だとおもう)、夢雨が判断能力のない操り人形だと考えるべきではないし、彼女自身の判断能力や選択を信じるべきだろう。

私がこう言うのは、夢雨が舞台に祭り上げられて、知らず知らずのうちに毛派のヒロインになっているというような想像が一種の男主義であることを、みんなに気がついてもらいたいからだ。私のいう男主義とは、性別の問題ではなく、「かれ/かのじょ/あのひとは利用されている」という指導者然とした思考方式のことだ。今回の経過の中で、彼女の主体性や判断力を疑う理由は何もない。ゆえに私たちは彼女が利用されているのかどうか、祭り上げられているのかどうかといった議論に傾注するのではなく、彼女のたたかいの過程、戦術、組織方法にもっと注目すべきである。日弘公司の同僚たちから彼女に寄せられた支援の声こそ、まさに私たちにそう告げているのだ。

◎女性代表について

すこしでも開発区のことを知っている人は、そこでの男女比率が不均等であることを知っているだろう。それは開発区だけのことではなく、歴史的にも自動車産業においては、男性労働者が大きな比重を占めてきた。映画『ファクトリー・ウーマン』やハーゲン・クー著『韓国の労働者』をみても、自動車産業における女性労働者の数は限定的であったことがわかる。

そのような背景のもと、沈夢雨が日弘機電の交渉代表になれたことは意義のある事だ。沈夢雨の事件については、いろいろな意見がだされている。彼女の身分からその主張に至るまで、様々な観点が提起されている。しかし自動車産業における女性代表の意義という観点から掘り下げたものは見当たらない。

映画『ファクトリー・ウーマン』では、フォード自動車の女性労働者たちが男性との同一労働同一賃金を獲得するために、歴史的なストライキを打つのだが、今日の広州開発区の自動車部品工場では、男女は同一労働同一賃金が実現されているのだろうか?

法的に言えば、そうだと言える。しかし現実には、そうではないとも言える。

どうしてなのか。基本給についていえば、同じ仕事、同じ職級であれば男女に違いはない。しかし夢雨の文章からもわかるように、日弘工場の業務は楽なものではない。しかも労災のリスクも高い。このように労災リスクの高い業務には、数百元の業務手当がつく。あわせて、これらの業務の圧倒的大部分は男性労働者によって担われ、女性労働者はそれほどキツくない業務を希望したり、配属されたりする。その他、男性労働者は、中型や大型の機械による生産の休憩時間にローテーションで設備のメンテナンスを行ったりすることで、割増賃金を得る機会がある。こうして毎月の賃金は全般的に男性のほうが女性より高くなる。

このような状況も近年はかわりつつある。一部の女性労働者もキツくて、労災リスクの高い、つまり特別手当のある業務についている。またこれらの業務はオートメーション化が進んできたことから、そのような業務自体が減少傾向にもある。

夢雨が女性労働者として賃金交渉員の職責を担うということは、他の男性の交渉員よりも工場内の低賃金労働者である女性たちの状況をよく理解しているということでもある。またキツい業務がオートメーション化によって機械に取って代わられていくことは、職場内における男女分業という状況に変化が現れることを意味するとともに、特別手当などが削減されていき、全体的に賃金が低い方へ平準化されていくということも意味する。だから夢雨には大幅な賃上げにこだわる理由があった。

開発区の自動車パーツ工場では、これまでも無数の団体交渉が行われてきたし、女性の交渉代表も少なくなかったが、組合執行部に参加することができた女性はそう多くはない。自動車パーツ工場の組合委員長はほとんど男性で占められていた。夢雨が交渉代表に選出された経過を詳細にみれば、彼女は多くの支持を集めて選出されたが、会社と組合から否認され、その後、再び多くの仲間の支持を得てやっとのことで交渉代表になった。この一連の経過それ自体が、沈夢雨が多くの同僚の支持を勝ち得たことの証である。組合関連法による女性代表数の確保という状況があったわけではない。

この点だけをとっても、沈夢雨が交渉代表に選出されたことは、日弘の仲間たちが今回の団体交渉において、交渉の権限を代表に「委託」して結果を座して待っていたという単純なことではなく、選挙によって彼女を選出し、自分の代表である彼女をみんなで擁護して防衛するとともに、集団として自らの権利を要求したという意味を持っていたと言える。またそれは、このような意義のうえに、職場内のジェンダー不平等や女性の権利などの課題において、いっそう強固なたたかう基盤がうまれたとも言えるだろう。

沈夢雨:団結はチカラ(2018/7/2)

広州日弘機電(ニッパツの100%子会社)の労働者が2018年に実現した法定住宅積立金と賃上げについて、同社を不当に解雇された沈夢雨さんが論じた文章をざっと訳してみました。懐かしい言い回しなどは、中国の特色ある労働運動ゆえ。


沈夢雨:団結はチカラ
2018-07-02

2018年上半期、日弘公司で、日弘労働者の団結の力を示す二つの事件が発生した。

一、2018年6月19日、日弘は、派遣労働者と派遣から正社員に転換した労働者に対して、派遣身分のときには未納だった法定積立金を遡って納付することとを通知した。これは、日弘労働者たちの要求が実現したということである。

二、2018年の賃金交渉において、経営者とそれにおもねる労働組合執行部の意向を上回る回答を引き出した。当初、経営側は1.66%の基本給引き上げを提示していたが、われわれは6%+200元を勝ち取った。大部分の現場労働者の基本給が400元以上引き上げられる計算になる。年末一時金も経営側の3.5カ月に対して、4カ月+業績分を勝ち取った。

これらの勝利はどのようにして実現したのか。もちろん経営側の恩寵などではない。それは労働者全員の取り組みによって実現したのであり、とりわけ経営側に物申すことを厭わない果敢な労働者の功績が大きい。

一、圧力に屈せず団結して積立金をかちとる

経営側は、2018年1月まで、派遣労働者の住宅積立金を一銭も納付してこなかった。それによって、いったいどれだけの搾取が行われてきたのだろうか。

2018年が明けてから、周辺の工場の派遣労働者たちは積立金を勝ち取っていた。日弘の労働者も次々たちあがった。当初、積立金を勝ち取った人間は2~3人だけにとどまっていたが、すぐに20~30人に増えた。みんなで一致団結して、悪徳派遣業者と悪徳経営者に対して知恵を駆使して対峙し、最終的に積立金をかちとったのである。

その過程では、「出る杭は打たれる」といった警告もあった。たしかに最初に要求したときに、会社は見せしめとして、2名の派遣労働者が派遣会社に送り返されたが、それでもみんなは挫けなかった。逆にますます多くの労働者が積立金要求の隊列に加わり、団結した労働者たちを前に、経営側もお手上げとなり、圧力に屈して、積立金を遡って納付することに同意するほかなかった。

現在、200名近くの労働者が派遣身分のときの住宅積立金を遡って勝ち取ることができた。5000元もの積立金を勝ち取った労働者もいた!

当初、積立金を遡って納付するよう求めた労働者が狙い撃ちされたが、そのときは大部分の労働者のあいだに団結する意味が理解されていなかったからであり、いったんそれを理解したあとは、狙い撃ちされることもなくなった。団結こそが労働者の権利を守る最も有効な手段であり、団結した労働者全員を解雇したくても、そんな度胸は経営側にはなかった!

二、団体交渉に積極的に参加して成果をかちとる

賃金の団体交渉は、われわれ労働者の切実な利害に関係する事柄であり、一人一人が積極的に参加すべきである。しかし経営はさまざまな方法を通じて労働者の参加を阻害する。多くの労働者を交渉に参加させたがらない理由はいうまでもない。

2018年の賃金団体交渉は波乱万丈で息をのむ展開だったといえる。われわれ労働者ははじめて民主的権利を行使した。もちろんそれは、あまり徹底したものではなく、さらに大いに改善の余地はあるにしても、まったく行使しないよりも、はるかに意味のあることだった。

今年は、多くの労働者の参加によって、現場労働者の利益を代表して交渉に臨もうとしていた沈夢雨を、交渉員に推薦することに成功した。経営側とそれにおもねる労組執行部はあらゆる方法でそれを阻止しようとしたが、労働者たちは団結してその企みを跳ね返した。

多くの労働者がウェブ上であるいはリアルの世界でわれわれの交渉代表への支持を表明した。組合執行部は代議員大会で沈夢雨の交渉資格をはく奪しようとしたが失敗した。管理者は職権を濫用して労働者を恫喝し報復したが、それに屈しない労働者は、アンケート用紙への記入や彼女ために証言するといった実際の行動で彼女への支持を表明した。

後日、会社と組合執行部は共同で沈夢雨を不当解雇に追い込んだが、労働者の怒りを治めるために、譲歩せざるを得ず、団結した労働者の要求をのまざるを得なかった。

団結は力だ!小団結は小さな成果、大団結は大きな成果だ!

今年、われわれが積立金と賃金交渉においてかちとった成果は、経営者の慈悲によるものではなく、みんなの努力によってかちとったものだ。団結こそ権利実現のカギである。

この過程において、われわれが勝ち取ったもの利益だけではない。同時に尊厳をもかちとったのだ。解雇された者や狙い撃ちされたものもいたが、それは団結を経験した人数に比べたらずっと少ない人数でしかない!

われわれはまた、経営側のひ弱な実態と組合執行部の醜悪な一面を見た。労働者に対する弾圧は物の数ではなく、まさに「一切の反動派は張り子の虎」である。この張り子の虎は、なかば燃えかかっている。さらなる恥ずべき行為は、さらなる憤激を招くだけで、その代償は計り知れなく高くなるだろう。

もちろん、今回の勝利で警戒を解いてもいいというわけではない。

派遣会社が納付していなかった積立金は遡って納付させたが、日弘自体の積立金問題もある。賃金は挙がったが、経営はかならず別な方法で、それを回収しようとするだろう。たとえば生産量の増加、残業の削減[作業速度UP]、高賃金のベテラン労働者の解雇などなどが考えられる。今回の勝利の地平を維持すると同時に、今後おとずれるであろう暴風雨に備えるために、さらなる団結が必要であり、そうしてはじめて煮込んだ鴨鍋が飛び立つ[手にした勝利を逃す]ことを阻止できるだろう。

仲間たち、がんばろう!

後悔なき選択:中山大学のエリート学生から組み立てラインの労働者へ(沈夢雨)

広州日弘機電有限公司(ニッパツの100%子会社)を不当に解雇された沈夢雨さん自身の文章も結構あるので、これから紹介していきたいと思います。彼女がなぜ中山大学の大学院を卒業して工場労働者になったのかを語っている文章をWさんと訳しました。(I.Y)

後悔なき選択:中山大学のエリート学生から組み立てラインの労働者へ
(沈夢雨)

  • 一 工業区の女子大学院生
    二 自動車パーツ工場の女性労働者へ
    三 変革のためにたたかう

■ 中国語 ■ 英語


沈夢雤:後悔なき選択

中山大学のエリート学生から組み立てラインの労働者へ

原文はこちら

一 工業区の女子大学院生

2015年6月、私は中山大学数学コンピュータ科学部大学院を卒業した。しかし同級生たちとは異なり、高層ビルのオフィスで働くような仕事に就くかわりに、工業地区でブルーカラーの女性労働者になることを選択した。この選択は突然の思いつきや一時的な興味にかられたものではない。私の人生経験、労働者の状況について自ら経験し理解したこと、そして、この状況は変わらなくてはならないという信念に深く根付いてのものだった。
中山大学在学中に参加したいろいろなセミナーや講演が、労働者を理解するきっかけとなった。経済発展の車輪に轢かれて身体に障害を負った労災被害者たちのことを知った。工場の屋上から飛び降りたフォックスコンの労働者たちのことも。彼らの命は取るに足らないもの扱いだった。そして、罹れば生き地獄に陥る塵肺という労災病、ベンゼン中毒、白血病、騒音による失聴などなど。
都市で辛抱強く働く労働者たち。そんな彼らを都市は容赦なく叩きつぶすのだ。

座して死を待つ塵肺労働者

あるとき、農民工の状況に関する、北京大学の盧暉臨教授による講演を聞いた。質疑応答の時間に、一人の学生がこんな質問をした。「盧教授、私たちのような大学生はこういうシステムの既得権益者なのでしょうか?」
現行システムの既得権益者?!この言葉に激しく胸が痛んだ。
そう、私は幸運にも中流家庭に生まれたことで、基本的な生活上の必要が満たせないかもしれないという心配を一度もすることなく育った。質の良い教育を受ける機会も得て、自分の将来は明るいものに見えた。でもこうしたことは全部私にとって当然の権利だったのだろうか?
この瞬間から、私は自分自身のこと、そして教室を埋め尽くした無限の将来を持つ学生たちのことを見つめなおすようになった。そして、珠江デルタで毎年労働者たちが失う4万本の指のこと、青春を都市に捧げながら都市に住み続けることができない2億8千万の農民工たちのことを考えるようになった。

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中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義(2018/7/12)

こんにちは、続けて会員のIYです。

広州日弘機電の事件で問われているのは組合民主主義だ、という分析があったので訳してみました。これは2010年広州ホンダのストライキでも問われたことでした。日本の労働者に問われているものは何なのか・・・は別に考えないといけませんね。以下、原文はすでに削除されたのか見当たりませんが、ご参考まで。


■中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義

ひとりの女性労働者に対する違法解雇の事件は、2010年ホンダストライキ以後の、地方政府と自動車産業による労働者への弾圧の継続である。

2010年、南海ホンダでストライキが勃発し、ホンダ傘下の四つの工場の生産がストップし、数億元もの生産に影響がでた。このストライキでは、賃上げだけでなく、労働組合の民主的選挙という要求も掲げられた。ほぼ一か月にわたる闘争ののち、南海ホンダの労働者は勝利した。そしてこの闘争で掲げられた労働組合の民主的選挙という意識は、当時の珠江デルタで広がっていた自動車労働者のストライキのなかに拡散していった。

2010年以降、自動車部品産業が集中する広州経済開発区では、労働組合を通しての賃上げと年末一時金の獲得が、この地域の労働者の年間の二大焦点となっていった。2010年から2013年にかけて、意識的労働者が企業に就職して労働組合の執行部や交渉代表となり、一部の企業内労組の運営において労働者の立場を体現するようになっていった。同時進行で、開発区の労働者の賃金は明らかに上がっていった。

だが、賃金は上がっていったが、開発区の自動車部品工場のお得意先であるトヨタ、ホンダ、日産などは、毎年サプライヤーに対して値下げを要求した。工場では、休日入れ替えや残業調整など、労働強化が強められ、残業を避けるために[作業スピードがあげられ]、労災や職業病が増加した。

2013年から開発区労働者の行動空間[ストライキを取り巻く環境]に変化が見られ始めた。2013年以降は、地方政府や大小さまざまな資本家が一致団結して労働者に反撃をはじめ、労働者の行動[ストライキ]はリスクに直面し、積極分子は狙い撃ちされ、それ以前の数年間に積み上げてきた組合民主主義の経験は大いに損なわれることになった。

2013年の旧正月、開発区の東海自動車部品工場で年末一時金の団体交渉が行われていたときに、労働者がストライキを打って部長が務めていた組合委員長の解任を求めた争議のなかで二人の交渉代表が逮捕された。

この事件以降、逮捕された交渉代表は保釈され、裁判でも無罪となったにもかかわらず、開発区の経営者たちは「ストライキをすると逮捕される」と大々的に宣伝し、労働者の恐怖心をあおり、ストライキを抑え込んだ。

2014年から15年にかけて、デンソー、大友、白木などの[日系]自動車部品工場の労働組合の委員長や副委員長なども、職場を追われたり、辞職を迫られたりした。白木の組合委員長などは職場で暴行されるという目に遭った。これらの組合の委員長や副委員長らは、かつては広州市が進めてきた労働組合改革の好例として紹介され、労働組合の改革に関する学術会議のゲストとして招かれていたにも関わらずである。

2013年以降、開発区労働者の賃上げ・一時金交渉は、それ以前に比べて明らかに困難に直面した。組合の役員選挙も2010年以前の状況にますます似てきて、交渉代表に立候補することさえもはばかられ、その選挙もますます無内容なものになっていった。組合員から選出された代表であっても、ますます単なる「伝達機械」にならざるを得なくなり、たんに組合の決定を組合員に伝えるだけの役割となっていた。かつては当たり前のように見られた交渉前の組合員アンケートも、「労働者を扇動する行為」だとみなされるようになっていた。

組合改革の空間は消失したが、自動車部品工場と労働者の間の矛盾は先鋭化した!2017年、ホンダに部品供給していた広州アイパックの多数の派遣労働者が正規労働者への転換と同一労働同一賃金を求めてたちあがった。このたたかいは、開発区の他の会社の労働者にも影響を及ぼし、各工場で同じような要求が出された。沈夢雨がいた広州日弘機電でも、労働者が立ち上がり[正規職員と同じ]法定住宅積立金の会社負担を勝ち取った。

2015年、国家の最高指導者が組合活動に「機関化、行政化、貴族化、娯楽化」などの現象がみられると批判したことで、中華全国総工会は縮み上がり、この四つの現象を解消すると約束した。同じ年に沈夢雨は広州日弘機電に就職した。

2018年、沈夢雨は団体交渉のさなかに、労働者民主主義や労働者の権利を堅持したことが原因で、日弘機電の会社と労働組合によって解雇された。しかし夢雨は企業と組合執行部による現場労働者の民主的要求に対する弾圧に屈することなく、たたかいを継続し、会社を訴え、組合民主主義の実現を目指している。夢雨への違法解雇の事件が告げているのは、長いあいだ抑えつけられてきた開発区労働者による「自分たちの労働組合」という訴えなのである。

中国・広州日弘機電公司で春闘交渉員の不当解雇(2018/7/10)

工人代表—女工・沈夢雨さん

ひどい事件である。労働者の権利を行使しようとしただけで、会社だけでなく、(御用)労働組合からも嫌がらせを受けて、あげくのはてに解雇されてしまうとは。詳細は、翻訳したレポートを読んでほしいが、中国の特色ある資本主義が、日本のそれとそっくりなことを物語るケースでもある。

日本発条株式会社が中国広東省に設立した100%子会社の広州日弘機電公司で最近起こった事件だ。この工場では東風ホンダや日産のでエンジンの弁バネを製造している。

このケースは経営と一体となった労働組合という日本式職場管理の典型であるとともに、2010年に広州ホンダの労働者たちが掲げた「労働組合の民主化」の要求が2013年以降に後退してからの現状を示してもいる。

米中の「貿易戦争」といわれているが、資本家の「戦争」で犠牲になるのはいつも労働者や農民。貿易戦争は、日本企業のサプライチェーンやバリューチェーンの再配置を通じて、労働者にも影響を及ぼす。労働者の国際連帯にはTrade WarではなくClass Warが重要である。

不当解雇された当該は、会社と労組の違法行為に対する仲裁を地労委に申請し、受理されている。また中国国内でも支援の輪が広がっているようである。

今後とも注目したい。(国際部 I)

以下、原文はこちら


工人代表—女工・沈夢雨は如何にして鍛えられたか!

現在の官製労組は、労働者に奉仕するという旗を掲げながら、実際にはイエローユニオンであり、つねに資本家の側に立って、彼らにピッタリ寄り添い奉仕しています。ある労組の委員長が言ったように「(わたしは)会社で働いており、会社から賃金をもらっているので、当然、会社のために活動している」。

労働者たちが真に自分たちの権利のために働く代表を選出し、その代表が真に労働者の権利向上の職責を果たさせようとすれば、必ず資本家と官製労組による無数の嫌がらせと弾圧を被る。

沈夢雨[シェン・モンユー]という女性労働者は、広州日弘機電有限公司(東風ホンダ自動車の部品供給工場)の現場労働者から選出された労働者代表[団交交渉員]で、労働者の当然の権利と尊厳のために活動し、醜い官製労組と生き血を吸う資本家と、知恵と勇気でたたかい、屈服しなかった!

ここに、沈夢雨の闘争の経過を整理し、労働者代表・沈夢雨は如何にして鍛えられたのかを明らかにする!

<経過全文PDF>


広州日弘機電の解雇争議の続報

広州日弘機電の解雇争議の続報、というか追加情報&関連文章です。

労働契約を一方的に解除された沈さんは、6月19日に広州市労働人事争議仲裁委員会に仲裁を申し立て、受理されましたが、申し立ての内容は以下の通りです。

申し立ての内容を見ると、職場復帰ではなく金銭解決の申し立てとなりますが、中国の特色ある資本主義の労働法体系は、日本の特色ある資本主義も目指そうとしている解雇の金銭解決を、もう20年以上も先取りして実施しています。資本の側は、正当な理由のない労働契約解除に伴う追加補償金の支払いをケチり、それに対して労働者たちが追加補償金を支払わせる、という争議が主流です。

沈さんの場合も、一見そのようにみえますが、彼女が提起しているのは、そういった偏った労使関係や組合民主主義の在り方など、中国の特色ある資本主義がかかえる問題であり、それは改革開放40年を迎えたいま、「貿易戦争」の最前線に立たされている今日の開発区の労働者全体にかかわる問題だとおもいます。

中国国内でも、何度かにわたる記事の削除にもかかわらず、数十万人がこの記事を閲覧しており、開発区をはじめとする中国全土からの労働者の応援の声が寄せられているようです。下記リンク先には広州日弘の労働者が実名の顔写真入りで「沈さんがんばれ」のメッセージを寄せています。

工友评论集:men雨你是好样的!

沈さんのたたかいによって、沈さん自身が暴露したこの争議に関する具体的な問題や、中国の特色ある資本主義の実態を暴露した文章など、まだまだ文章はたくさんありますので、翻訳紹介を進めつつ、関心ある皆さんと情報共有の場をもったほうがいいですかね。

以下、広州市労働人事争議仲裁委員会への申立書の抄訳です。

+ + + + +

  • 申立人:沈夢雨,性别:女
  • 被申立人:広州日弘機電気有限公司,法定代表人:大竹一彦,住所:広州経済技術開発区東区聯広路189号
請求事項

1、広州日弘機電有限公司の労働組合執行委員会が2018年5月28日に出した「沈夢雨の2018年賃金団体協議労働側共議員の代表資格の取り消しについて」が違法であることを確認し、その取り消しを求める。

2、被申立人が2018年5月28日に違法に申立人との労働契約を解除したことの確認を求める。

3、被申立人が2015年11月10日から2018年5月28日までの期間にかかる労働契約の違法な解除に関する経済補償金41853.48元を支払うことを求める。

4、被申立人が2018年4月26日から2018年5月28日までの給与5000元を支払うことを求める。

5、被申立人が2018年に取得できなかった三日間の年次休暇分の賃金1330.34元を支払うことを求める。

6、広州日弘機電有限公司が申立人に対して年収の二倍の補償金167415.36元を支払うことを求める。

7、広州日弘機電有限公司の労働組合執行委員会を第三者として、本案件の審査に参加させることを求める。(この条文は受理されず)

全文(中国語)はこちら

「盧溝橋事件81周年 明治150年徹底批判!侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる集い」を東京で開く(2018/7/5)

盧溝橋事件81周年 明治150年徹底批判!侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる集い

7月5日、東京文京区民センターで1937年7月7日の盧溝橋事件から81年を前に「盧溝橋事件81周年 明治150年徹底批判!侵略と植民地支配の歴史を直視しアジアに平和をつくる集い」が開かれ、約300名が参加した。

藤田高景さん
市来伴子さん

市来伴子(杉並区議)の司会で始まった。最初に主催者の村山談話を継承発展させる会代表の藤田高景さんが、2500万人の中国人の犠牲者を出した日中戦争を教訓としてアジアの平和と共生をめざしていきたい、と開会のあいさつを述べた。特別報告の一番目に、田中宏さん(一橋大学名誉教授)が安倍政権による国家権力の乱用を許さない!「ビザ発給拒否・集会妨害裁判闘争」の支援の訴え。二番目に、佐戸恵美子さん(過労死家族会、2013年に過労死された元NHK記者・佐戸美和さんの母)が「過労死の繰り返しを許さない」と訴えた。三番目に、王選さん(NPO法人 731部隊細菌戦・資料センター共同代表)が「日本政府は細菌戦の事実を認めて、謝罪せよ」と訴えた。

田中宏さん
王選さん

 

 

 

 

纐纈厚さん

基調講演として纐纈厚さん(明治大学特任教授・前山口大学学長)が「『明治150年』に隠された日本の侵略思想を問う!」と題して報告した。1868年の明治維新から2018年の現在までの150年は1945年の敗戦を挟んで前後期に分けられる。この前後期は戦前の日本帝国と戦後の日本国憲法の時代が連続とみるか、断絶しているとみるか、見方が分かれるが、纐纈さんは連続していると判断する。それは、侵略思想に彩られた悪しき日本であると批判する。吉田松陰に始まり福沢諭吉の「脱亜入欧」の思想に導かれ、1874年の台湾出兵に始まり、1894年日清戦争、1904年日露戦争、1931年の満州事変、1937年の盧溝橋事件で日中全面戦争に突入し、その延長上に対英米蘭(1941-1945)戦争へと「戦争が戦争を生む」歴史構造を形成した。戦後、戦争は中国に敗北したが、降伏はアメリカに対して行われた結果、支配層はアメリカに従属することによってアジアに対する侵略の反省と謝罪を行わないことになった。

そのことはドイツがヨーロッパ各国に対して侵略戦争の反省と謝罪を行ったことと対照的である。元ドイツ首相シュミットが「日本はアジアに友を持たない」と言ったことが象徴的だ。
「近代日本国家に孕まれた軍事体質の象徴的表現として日中戦争がある。日本敗北は近代日本国家の生成発展過程に孕まれた負の結果であり、日本はアメリカにではなく、中国(アジア)に敗北したとする歴史認識を逞しくする必要がある」。その実証として、対中戦争に対英米戦争(南方)よりも1941年から1945年の敗戦時まで兵力も資金も圧倒的に多く費やしていた事実を示した。そして、作家の五味川順平の「よくいわれるように、対中国戦争はズルズルはじまり、拡大し、ついに敗北した。その敗北も、国民の意識では米英ソに負けたかもしれぬが、中国には絶対に負けなかったという信仰を失わせはしなかったと思う」を引用しながら、中国に対して「敵」という意識の不在、人間として見ていなかった。それゆえ、日本軍は中国人に「三光作戦」として残虐な行為を行った。最後に日本は中国(アジア)の人民の反帝国主義の闘いに敗北した事実を深く胸に刻むべきであろう、と話した。

伊藤彰信さん

最後に伊藤彰信さん(日中労働情報フォーラム代表)が次のような閉会のあいさつを行った。今、朝鮮戦争が終結を迎えようとしている。冷戦構造が終り、日中平和友好条約40周年を迎える中で、平和5原則と反覇権の思想をもとにアジアの平和に向かって共に努力しよう。

<報告と写真・高幣真公>

「人民網日本語版」2018年6月後半 抜粋(2018/7/5)

<20>「人民網日本語版」2018年06月30日
アリババのAI技術が発展 グーグル・アマゾンに挑戦
米経済誌「フォーブス」がこのほど伝えたところによると、グーグルとアマゾンの人工知能(AI)をめぐる競争はすでに白熱化しているが、阿里巴巴(アリババ)などの中国企業がこの分野への研究開発投資を拡大し続けるのにともなって、世界のアナリストや投資家の目は中国により向けられるようになってきた。同誌によると、グーグルはますますオンライン小売のアマゾンのようになり、アマゾンも商品検索を通じてグーグルのビジネス陣地にどんどん侵入している。だが双方の競争の真の目標は検索ではなく、AIだ。とはいえアリババがAI技術で力強く発展を遂げ、両社は中国からつきつけられた挑戦に向き合わざるを得ない状況だ。同誌は、「世界にはAI技術の戦いに参加できるだけのネットワーク規模、技術者、企業スピリットを備えた企業はごくわずかしかない。アリババはその中の1つだ」との見方を示した。

<19> 「人民網日本語版」2018年06月29日
日本物流大手・日通が中欧班列利用の新サービス展開
日本の大手物流企業・日本通運株式会社(日通)はこのほど取材に答える中で、「日通は国際定期貨物列車『中欧班列』を利用した日本と欧州を結ぶ一貫輸送(インターモーダル)サービスの提供をすでに開始しており、日本企業の間で幅広く注目を集めている」と述べた。日通海外事業本部グローバルフォワーディング企画部の直野徹専任部長は、「日本から中国鉄道網を経由した欧州への輸送業務の潜在的ニーズは、年間でおよそコンテナ4千万個になる」と予測した。直野氏は、「日通は最近、潜在的お客向けに新たなサービスの説明会などのイベントを開催し、日本企業約300社から問合せがあった。すでにテスト輸送の注文が続々と来ている。ニーズを抱えた顧客の数は今後ますます増加するだろう」と述べた。

<18> 「人民網日本語版」2018年06月29日
「貧困からの脱却」の成果目覚ましい河池市 海外メディアが見る広西2018 (2)
今月24日から29日にかけて、広西壮(チワン)族自治区成立60周年を記念して同自治区共産党委員会宣伝部と人民日報社、人民網が共同で展開している「錬磨と奮進の60年——海外メディアが見る広西2018」取材イベント。4グループに分かれて取材が進められており、第2グループの一行は28日、河池市を訪れ、同地の風光明媚な自然と多彩な民族情緒を体験した。また貧困脱却の難関攻略を推し進め、産業モデルのチェンジとアップグレードに取り組む現地の人々の勇気と智慧に深い感銘を受けた。一行は、同自治区河池市にある南丹南方金属有限公司や広西丹泉酒業有限公司、南丹県歌◆思谷農旅融合モデル地区(◆は女へんに亜)、南丹県「千家瑶寨・万戸瑶郷」の貧困脱却のための移転プロジェクトにおける里湖片区などを訪れ、取材を進めた。 続きを読む 「人民網日本語版」2018年6月後半 抜粋(2018/7/5)