慶盛の労働者からユニクロへの公開状(7月9日)

深セン慶盛服飾皮具有限公司(Shenzhen Artigas Clothing & Leatherware)は香港の利華成衣グループ(Lever Style社)傘下の工場で、これまでもユニクロ製品を生産してきました。2014年12月9日、慶盛の労働者が養老年金保険料の支払いを求めてストライキを打ちました。その際にはユニクロは12月19日付で、委託先工場の労働条件の問題を重要視しているとの表明がありました。労働者の権利に対してユニクロが理解を示したことで、慶盛公司は一部で改善を行いましたが、労働者が提起した保険料の追納問題は解決しませんでした。
それから半年が経過しました。慶盛公司は工場移転に伴って新たに雇用契約を締結するよう要求するとともに、労働者を解雇しはじめました。この動きは4年前に親会社のLever Style社との雇用契約に変更したときから準備されてきたともいえます[書面上での雇用主変更によってそれ以前の様々な責任や違法行為を免責する:訳注]。6月5日、労働者たちは会社に対して団体交渉申し入れ書を提出しました。「広東省団体交渉・集団契約条例」では従業員の過半数による申し入れがあった場合には、経営側は団体交渉に応じる必要があります。しかし経営側は何ら回答しませんでした。そして6月9日に、労働者の呉偉花さんを解雇することで、労働者のストライキを誘発させたのです。
この一カ月、慶盛公司は労働者の要求に対して無視を決め込んできました。しかし私たちは団体交渉を通じてこの争議を解決するために頑張っています。6月17日にユニクロが発表した声明では「弊社は、生産プロセスにおける人権の尊重と適正な労働環境の維持を重視」しており「Lever Style社の経営者に対しては、従業員との十分な対話を通して平和的な解決を求める」ことを表明しました。
7月7日、慶盛公司は工場の電気と水道を止めるという通知を張り出しました。慶盛公司は問題解決を回避し続けながら、さまざまな手段で労働者を「追い出し」しています。それは、ユニクロが声明の中で促した「平和的な解決」ではなく、労使間の矛盾をさらに深刻にする行為でした。
私たちは、ユニクロが2014年12月19日および2015年6月17日に発した声明において、労働者の権利を「重視している」「極めて重視している」という姿勢を、真摯に実行し、慶盛公司に対して再度、早急に労働者との対等な交渉を行うよう要求してブランド企業としての責任を果たしてもらいたと思っています。
これが実行できない場合は、ユニクロがブランド企業としての責任を果たすことを促すために、ユニクロ店舗で私たちの要望書を手渡したいと思います。

慶盛服飾皮具有限公司 従業員

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