韓国映画「弁護人」―記憶を大切にする社会に未来を見る

11月9日は、世界中が喪に服しました。
奇しくも、1938年ベルリンで、ユダヤ人商店らが襲われたクリスタルナハトと同じ日です。
ナチスもこのような状況で現れたのでしょうか。

別紙は『キネマ旬報』に書いた韓国映画『弁護人』の映画評です。
廬武鉉大統領の弁護士時代をモデルにし、軍政下での人権弾圧と闘った物語です。韓国では大ヒットしたようです。lawyer
人々に軍政下の人権弾圧の記憶がまだ鮮明なのでしょう。記憶を大切にする社会に未来を見ます。
彼らの闘いが、韓国憲法の前文に、3・1独立運動と並んで、「不義に抗拒した4・19民主理念を継承し」と書き込ませた(1987年10月29日改正 4・19とは1960年の学生革命)のです。
韓国の憲法は、日本の植民地支配に対する抵抗、独裁政権に対する抵抗という「抵抗の憲法」です。
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意」した日本の憲法は「反省憲法」です。

この映画は日本でも間もなく公開されるそうです。
今、ゲラが来ました。字が小さいですので拡大してお読み下されば幸いです。

弁護士  内 田 雅 敏

* 映画「弁護人」映評:内田雅敏(キネマ旬報)PDF

* 映画「弁護人」公式サイト