労働運動の「ヒロイン」 中国当局拘束か(東京新聞 8月18日朝刊)

こんにちは、会員のIYです。

ニッパツ(本社・横浜)100%子会社の広州日弘機電有限公司の組合側交渉員を御用労組から不当に剥奪され、その直後に会社からも不当に解雇された沈夢雨さんは、深圳の佳士科技公司(JASIC)で労働組合を結成しようとして解雇された労働者支援の渦中の8月11日、何者かに拉致されました。

中国国内では、JASICを解雇・逮捕された労働者への支援や拉致された沈夢雨さんらは無罪だという声が広がっています。JASICの労組結成への弾圧に対しては、香港だけでなく台湾の労働組合や団体なども中国政府編の抗議と労働者への連帯の声明を発してます。

日本では(僕も含め)ほとんど報道がないなか、東京新聞が報じています。記事では「沈さんは2015年に広東省の名門・中山大学大学院を修了後、自動車部品工場の労働者となった。劣悪な労働環境を目の当たりにし、会社に改善を訴えたことで解雇」とありますが、この自動車部品工場いうまでもなく日本発条株式会社(ニッパツ、横浜本社)の常務執行役員で精密ばね生産本部長の大竹一彦氏が総経理(社長)を務めるニッパツ100%子会社の広州日弘機電有限公司のことです。

「ヒロイン」はどうかとおもいますが、貴重な情報にもかかわらず、ウェブには掲載されておらず、僕もいろいろと翻訳紹介する時間がなかったので、反省を込めて以下紹介しておきます。

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東京新聞2018年8月18日 朝刊

労働運動の「ヒロイン」 中国当局拘束か

【上海=浅井正智】中国広東省深圳の化学工場で、労働者の待遇改善のため労働組合をつくろうとした女性、沈夢雨さんが、何者かに拉致されて行方不明になった。労働者の支援活動で主導的な役割を演じる沈さんは一部でヒロイン視され、中国各地の大学生が応援に駆け付けていた。沈さんへの支援拡大が社会不安につながる恐れから、当局が拘束した可能性がある。

工場で労組設立支援 沈夢雨さん

米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)や香港メディアによると、沈さんは11日夜、両親と夕食後、「おじ」と称する三人組の男に連行された後、行方不明となった。

沈さんは深圳の化学工場の労働環境を改善するため、会社の「御用組合」から独立した労組設立に向け労働者を支援してきた。会員制サイト(SNS)のツイッター上に投稿された沈さん自身の動画では「もし私が行方不明になったら、何らかの勢力の仕業だ」と語っていた。

沈さんは2015年に広東省の名門・中山大学大学院を修了後、自動車部品工場の労働者となった。劣悪な労働環境を目の当たりにし、会社に改善を訴えたことで解雇され、その後は労働者の支援活動に入った。

労働運動に身を投じた沈さんの活動はツイッターを通じて広まり、中国各地から応援する大学生が集まっていた。

写真の説明:中国当局に拘束されたとみられる沈夢雨さん=ツイッターの自撮り動画から