ブックレット「『平和資源』としての日中共同声明」が発売されます(7/7)

当会の会員でもある内田雅敏弁護士が、日中両政府が結んだ4つの基本文書をたどりながら、日中間の平和で安定した未来を切り拓くため、ブックレット「『平和資源』としての日中共同声明」を著しました。
A5判128ページで、資料も充実しています。1972年の日中共同声明、1978年の平和友好条約、1998年の平和友好協力パートナーシップ宣言、2008年の戦略的互恵関係声明、2014年の合意文書が全文収録されています。その当時の新聞記事も掲載されており、社会状況もわかります。また、井上ひさし作の「シャンハイムーン」を引き合いに日中関係を見つめなおすことも資料に加えられており、政治文書の解説だけではなく、日本が中国とどう向き合うのかを問いかける内容になっています。
今年は、盧溝橋事件による日中全面戦争の開始から80年、南京大虐殺から80年にあたります。二度と再び戦争はしないと誓い、平和国家としての歩みを宣言した日本国憲法の施行から70年にもあたります。安倍首相が「憲法9条を変える」と表明しているときに、私たちが歴史に向き合い、平和をどのように築くのか考えることは重要なことだと思います。
是非「『平和資源』としての日中共同声明」をお読みください。
日中労働情報フォーラムは、ブックレット「『平和資源』としての日中共同声明」の販売・取り扱いを行っております。ブックレットの定価は1000円+消費税の1080円ですが、当会では消費税なしの1000円で販売をしています。また、当会会員には特別価格950円で販売しています。5冊以上お買い上げの場合は送料無料といたします。
注文は、氏名、住所(送付先)、注文部数を明記してinfo@chinalaborf.orgにメールで申し込んでください。

宣伝用チラシを参照してください。


一 衣 帯 水
「平和資源」としての日中共同声明── 日中間の安定的発展と未来を切り拓く 四つの基本文書と二〇一四年の合意文書

内田雅敏 編著

一九七二年九月二十九日、日中共同声明が発せられました。声明は前文で「日中両国は一衣帯水の間にある隣国であり、長い伝統的友好の歴史を有する。両国国民は、両国間にこれまで存在していた不正常な状態に終止符を打つことを切望している。……両国間の国交を正常化し、相互に善隣友好関係を発展させることは、両国国民の利益に合致するところであり、またアジアの緊張緩和と世界の平和に貢献するものである」とうたっています。
私は、毎朝、自宅から駅に向かう途で、この日中共同声明を暗唱しています。その昔、学問は漢籍の素読から始められたといいます。この種の文書は声に出して読むことが大切です。声を出して読むことによって、その良さが体感されてきます。……
今年は一九四七年の日本国憲法施行から七〇年です。憲法施行七〇年を考えると同時に日中国交正常化四五周年を振り返ってみる必要があります。 (「あとがき」より)

目 次

◉民間交流のレールが導いた日中国交正常化
◉日中共同声明 第五項 戦争賠償の放棄について
◉反覇権条項を巡る鄧小平のエピソード
◉日中関係を壊したのは誰か 他

<4つの基本文書と2014年の合意文書>
日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明/日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約/平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言/「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明/日中関係の改善に向けた話合い

<資料> 国連創立40周年記念会期における中曽根内閣総理大臣演説(抜粋) 他

内田雅敏(うちだ・まさとし)
1945年生まれ、1975年東京弁護士会登録。
日弁連人権擁護委員会委員、同接見交通権確立実行委員会委員長、関東弁護士会連合会憲法問題協議会委員長を経て、現在、日弁連憲法委員会幹事、西松安野友好基金運営委員会委員長、弁護士としての通常業務の他に、中国人強制連行・強制労働問題(花岡、西松、三菱マテリアル)など戦後補償問題、靖國問題などに取り組む。

主な著書 『弁護士──法の現場の仕事人』(講談社新書)、『「戦後補償」を考える』(同)、『〈戦後の思考〉──人権・憲法・戦後補償』(れんが書房新社)、『半世紀前からの贈り物』(同)、『戦争が遺したもの』(同 鈴木茂臣氏との共著)、『憲法9条の復権)(樹花舎)、『敗戦の年に生まれて』(太田出版)、『在日からの手紙』(同 姜尚中氏との共著)、『憲法9条と専守防衛』(梨の木舎 箕輪登氏との共著)、『靖國にはゆかない、戦争にもゆかない』(梨の木舎)、『乗っ取り弁護士』(ちくま文庫)、『これが犯罪?「ビラ配りで逮捕」を考える』(岩波ブックレット)、『靖國問題Q&A 特攻記念館で涙を流すだけでよいのでしょうか』(スペース伽耶)、『ここがロードス島だ、ここで跳べ』(梨の木舎)、『天皇を戴く国家』(スペース伽耶)、『想像力と複眼的思考』(スペース伽耶)、『靖国神社参拝の何が問題か』(平凡社新書)、『和解は可能か』(岩波ブックレット)