3月19日のシンポジウムで南京師範大学の林敏潔教授にお会いした時、「アジア言語文化研究」創刊号(2019/6)をいただきました。昨年6月、南京でお会いした時は、印刷中ということでしたが、今回いただいた本は刷り上がったばかりの第2版でした。
内容は、林先生がテーマにしている「日本民間反戦記憶に関する多分野研究」を 特集したものです。中国の研究者や学生が、日本の反戦文学、漫画、映画に関する研究について発表しています。ページをめくると、中国語の論文と日本語の論文が混在するものでした。どのような論文なのか、皆さんに紹介するため、取り急ぎ目次を整理してみました。
伊藤 彰信
「アジア言語文化研究」創刊号 目次
特 集 日本民間反戦記憶に関する多分野研究
編集 東方学術研究センター 編集長 林敏潔
編集 東方学術研究センター
編集長 林敏潔
〒171-0014 東京都豊島区池袋2-65-1
定価 本体4000円+税
2019年6月30日発行、2020年3月12日再版
B5版 370ページ
<巻頭言>
「アジア言語文化研究」創刊の言葉
<論 稿>
近代日本大学教員反戦運動史の回想 (中文)
林敏▲(さんずいに吉)(南京師範大学外国語学院教授)
反戦としての「対抗教育」 (日文)
溝井真人(早稲田大学応用言語学博士)
日本無産政党の反戦平和活動―対華非干渉同盟運動に対する考察に基づいて (中文)
姜勝▲(南京師範大学外国語学院博士生)
近代日本プロレタリア文芸運動と反戦 (中文)
李楊(吉林外国語大学東方語学院研究生)
十五年戦争期日本メディアの反戦報道―「朝日新聞」を中心に (中文)
匡伶(南京師範大学外国語学院博士后)
婦選運動家市川房枝と平和の希求 (日文)
―「15年戦争」にどう抗い、戦後の平和をどう護ろうとしたか
進藤久美子(東洋英和女学院名誉教授)
日本文学における戦争記憶の矛盾性-戦後日本文学の戦争認識について (中文)
劉炳範(曲阜師範大学文学院教授)
日本近代反戦文学の移り変わりについて (中文)
何建軍(湖南科技学院外国語学院教授)
大江健三郎の反戦文学創作のテーマについて (中文)
叶琳(南京大学外国語学院教授)
日本国民歌手美空ひばりの反戦意識について (中文)
季▲琴(南京師範大学外国語学院教授)、鄭季文(南京師範大学外国語学院博士生)
反戦・平和の詩人栗原貞子研究 (中文)
銭▲琴(南京工業大学外国語学院副教授)
宮本百合子における反戦意識の研究 (中文)
許蓓蓓(南京師範大学中北学院副教授)
イデオロギーの視点からみる「野火」の戦争観 (中文)
谷俊儀(南京師範大学中北学院)
戦争・トラウマ・救済―目取真俊の沖縄を題材とした小説について (中文)
丁▲斌(吉首大学外国語学院副教授)
「二人の墓標」から見る林京子の戦争批判 (中文)
湯成(南京師範大学外国語学院)
「アフターダーク」における村上春樹の反戦意識 (中文)
赫莎莎(南京師範大学外国語学院)
壷井栄の「二十四の瞳」をめぐって (日文)
李先瑞(浙江越秀外国語学院教授)
野上弥栄子の反戦意識 (日文)
楊彗頴(南京師範大学外国語学院)
「黒い雨」から見る井伏鱒二の「場所の感覚」 (日文)
干潔(南京師範大学外国語学院)
遠藤周作文学における戦争認識―「海と毒薬」を中心に (日文)
張雨涵(南京師範大学外国語学院)
日本民間反戦記憶研究―21世紀の日本映画作品の分析に基づいて (中文)
陳書、▲佳▲、張猛、趙雨璐、王楊晨曦(南京師範大学外国語学院)
戦犯の「罪」と「悔」―「私は貝になりたい」における反戦意識 (中文)
宋欣桐(南京師範大学外国語学院)
「さとうきび畑の歌」における沖縄戦の記憶構築と詩的叙述 (中文)
馬可(南京師範大学外国語学院)
後藤明生の戦争記憶と「間性空間」 (中文)
沈俊(南京師範大学外国語学院博士生)
漫画家水木しげるの戦争意識 (中文)
「全員玉砕せよ!」「ねぼけ人生」「ゲゲゲの鬼太郎」を例として
張珺妍(南京師範大学外国語学院)
日本高校生の戦争認識に対するアンケート調査 (中文)
黄博(南京林業大学外国語学院講師)
<回想録>
侵華老兵元山俊美自我救贖的一生 (中文)
元山里子(海外華文女作家協会会員)
回顧録「私は幸せ者だった」 (日文)
米山惇(元日中友好協会本部事務局員)
「人間の責任」を語る時がきた (日文)
渥美桂子(福田赳夫、福田康夫両元首相秘書)
<投稿規定・執筆要綱>
<編集後記>