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南京大虐殺事件を扱った4本の中国の映像

会員の木島です。
以下、南京大虐殺事件を扱った4本の中国の映像の紹介します。

前2つは劇作です。

●『南京!南京!』(なんきん!なんきん!)

(英題 City of Life and Death)は、陸川監督によって製作された中国映画。日中戦争の南京戦とその後に起こったとされる南京事件を題材にした作品。モノクロで制作されており、南京戦の一連の様子が一日本兵の視点から描かれている。2009年4月、中国本土で上映。同じ年に、第57回サン・セバスチャン国際映画祭ゴールデン・シェル賞やその他の賞を受賞した。(日本語字幕)

●『金陵十三釵』(きんりょうじゅうさんさ)

(英語題:The Flowers Of War)は、2011年公開の中国映画。張芸謀(チャン・イーモウ)監督作品。日本未公開。題名は『紅楼夢』の『金陵十二釵』に由来する。金陵は南京の古い名前。南京事件を題材としたフィクション作品で、中国映画史上最高額となる製作費6億元(約78億円)を投じた超大作であり、2011年の中国の年間総興行第1位(約71億円)と大ヒットし、中国社会に大きな影響を与えた。第84回アカデミー賞外国語映画賞中国代表作品。(中国語・英語字幕)

●『【探索发现】南京大屠杀真相(六集全)』

2005年南京電影制片廠、CCTV(中国中央電視台)ネットワーク。「1937南京の真実」のドキュメンタリー。6話、各40分。①」秋の古都」(南京陥落あまり知られていない歴史的真実)、②「金陵の血の海」(南京で日本軍、強盗、強姦、放火、殺人の犯罪記録)、③「国際的援助」(南京の国際友人による無私の救援救助の記録)、④「死体の山」(流血の南京大虐殺)、⑤「正義の剣」(日本の降伏、日本の戦犯の記録)、⑥「平和のために」(南京大虐殺についての日本社会の見解。南京の真実を明らかにすることは平和を大切にすること)。(中国語字幕)

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●外国人眼中的南京大屠杀(全十集)

2015年12月7日に南京で初上映。CCTVサイエンスチャンネル・江蘇衛星テレビ。南京大虐殺に関連した以下の10人の外国人の物語。(中国語字幕)(動画に文字が書き込まれているので、観難いですが、中国人視聴者の怒りの気持ちがうかがえます)

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ジョン・マギー(虐殺の映像記録者)―John Gillespie Magee(1884年 – 1956年)はアメリカ合衆国の米国聖公会牧師。日本軍による南京事件(南京虐殺)についての証言を東京裁判で行った。また事件の記録映像(マギーフィルム)は中国政府が世界の記憶へ申請し、2015年登録された。

ミニー・ヴォートリン(孤島の守護聖人)―Minnie Vautrin(1886年 – 1941年)は、アメリカ人の宣教師。1919年より中国・南京の金陵女子大学で教師・教務主任を務めた。1937年、日中戦争初期の南京攻略戦の際に南京安全区の設営に関わり、同区内にあった金陵女子文理学院で多数の女性や子供の難民を保護した。

ジョージ・フィッチ(残虐行為の真実を明らかにする)―George Ashmore Fitch(1883年 – 1979年)は、中国・蘇州市生まれのアメリカ人宣教師。キリスト教青年会(YMCA)南京支部長。1937年12月の南京攻略戦時、日中両軍の戦闘による被害から一般市民を保護するため設置された南京安全区国際委員会の一員であった。1938年2月末、 南京事件(南京大虐殺)の模様を撮影したとされるフィルムを持って南京を脱出。アメリカ各地でこのフィルムの上映を行い、南京虐殺を宣伝した。

ジョン・ラーベ(南京大虐殺の目撃者)―John Heinrich Detlev Rabe ( 1882年 – 1950年) ドイツの実業家、シーメンス社の中国駐在員(のち中国支社総責任者)として約30年に渡って中国に滞在。ナチ党南京支部副支部長。南京事件の時には南京安全区国際委員会委員長として多くの中国人を保護した。

ロバート・ウィルソン(南京の傷を縫合)―Robert O. Wilson(1904年 –1967年)鼓樽病院の外科医師。南京大虐殺の間に、残虐行為の犠牲者を治療した唯一の外科医。ラーベとヴォートリンとともに、南京安全区の設立に尽力。

ベイツ(歴史の証人)―Miner Searle Bates(1897年 – 1978年)。アメリカの宣教師で歴史学者。南京安全区国際委員会の中心メンバー。南京日本大使館への抗議交渉などを担当。南京国際赤十字委員会委員、金陵大学副学長。

シンドバーグ(南京の106日)―Bernhard Arp Sindberg(1911年2月19日 – 1983年)デンマーク出身の実業家。南京虐殺について彼の写真、手紙が事態を明らかにするのにおおきな役割を果たした。また多くの中国人を救い、後で「中国の友人」と称された。

東史郎(一個人の懺悔)―(1912年 – 2006年)は、日本軍兵士(陸軍第16師団歩兵第20連隊第1大隊第3中隊上等兵)として南京攻略戦に参加。南京大虐殺事件を著書『わが南京プラトーン―一召集兵の体験した南京大虐殺』(青木書店)で告発した。

松岡環(被害者とともに)―(1947年 – )は、日本の社会運動家・南京事件の研究者。著書に、「南京 引き裂かれた記憶 -元兵士と被害者の証言」(社会評論社)など。

笠原十九司(歴史の復元者)―(1944年 – )は、日本の歴史学者。都留文科大学名誉教授。著書に、「南京事件」(岩波新書)、「日本軍の治安戦――日中戦争の実相(岩波書店)など。