台湾の富士ゼロックスのストライキ(昨日で8日目)の続報ですが、昨日の労使交渉をまえに、台湾全土の富士ゼロックス支部から100人が結集して勤労権を訴えました。
以下、苦労網の報道の訳です。
台湾:富士ゼロックス
労使交渉をまえに台湾全土から組合員が台北に結集
2018/10/30
苦労報道
張智琦(苦労網記者)
富士ゼロックス労組のストライキは8日目に突入した。今日(10月30日)午後、労使交渉が行われるが、会社からの回答を促すために、労働組合は台北、三重、中歴、台中、高雄の五つの地域で行われているスト拠点から100余名の組合員を動員して、日本交流協会[国交のない台湾での日本政府の代表機関で外務省・経産省が管轄]に結集し、「日本企業は解雇するな、働く権利を保障せよ!」と声をあげ、日本企業の富士ゼロックスが解雇をやめて、労働者の勤労権を保障することを求めた。
日本企業の富士ゼロックスは台湾で300人の整理解雇を計画している。富士ゼロックス労組は10月23日から台湾全土でストライキを打ち、今日で8日目に入った。労組はこれまでに労働部、外交部に要請行動をおこない、日本交流協会で座り込みなどを展開し、今日の労使交渉に至っている。労組は台湾各地にある倉庫でピケを張っている組合員から100余名を台北に動員し、日本交流協会に申し入れを行い、その後、台北の台湾本社で交渉結果を待つ。
富士ゼロックス労組の鄭炎委員長によると、昨日、台湾富士ゼロックスの勝田昭典董事長と交渉したが、会社側が受け入れたのは組合員に対して懲罰や警告など不利な扱いを行わないということだけで、従業員らの勤労権の保障は難しいとの考えを示したという。鄭委員長は、日本企業はたった200~300人の勤労権さえも保障できないのか、まるでかつての植民地時代のやり方で台湾人を抑圧するのか、「台日友好」とはたんなるイメージだけのものなのか、「日本企業が中華民国憲法で保障されている勤労権の考えに反した行為をしながら、台日友好を語る資格などあるのか?」と厳しく批判した。
三重倉庫の職員で、富士ゼロックス労組の監事の孫元敏によると、会社側は三重の倉庫から在庫を持ち去ろうとしたが、三重倉庫の組合員らがピケを張って会社の侵入を阻止して、ストライキのピケット・ラインの防衛に成功した。孫氏は、この数日間は、組合員が不満を漏らすこともなく、交代で夜を徹して三重倉庫を守っているので、他の地域の組合員も、会社が勤労権の保障を約束するまで、最期まで持ち場を堅持してほしいと語る。
富士ゼロックス労組の上部組合の桃園市産業総工会の荘福凱委員長も応援に駆け付け、赤字も出していない台湾支社でリストラをする日本企業を批判し、日本企業がかつてのような植民地的考えで台湾の労働者に接することのないよう訴え、早急に労使交渉を行うことを呼びかけ、桃園市産業総工会の役員と組合員は全力で富士ゼロックス労組のストライキを支援することを表明した。
富士ゼロックス労組は日本交流協会への要請行動を終え、一列縦隊で近くの富士ゼロックス台湾本社まで歩き、オフィス街の人々に対して「わたしたち富士ゼロックスの社員はみなさん同じサラリーマンですが、会社からいじめられています。みなさんも労働組合を結成しましょう」と訴えるとともに、勤労権の保障という労働組合の求め会社が応えるよう訴えた。