JCLIF レポート

香港:港湾労働者のストライキが終結
職場復帰に向けた取り組みを続ける(5月7日)

ストライキに参加していた港湾労働者たちは、今夕に開かれた労働者大会で討論をおこない、ストライキの終結を決定しました。組合は委託業者との間で今後の職場復帰および休憩時間や職業安全についての具体的方策についての協議を行います。

4つの委託業者が賃上げと業務改善を書面で約束

今日、組合は永豊、現創、聯栄、培記の四つの委託業者の署名入りの文書を受け取りました。文書は労工処〔香港の労働省にあたる:訳注〕対して、コンテナ埠頭内のすべての労働者(荷役労働者、クレーンペレーターを含む)を対象に2013年5月1日から9.8%の賃上げを実施することを約束したものです。これは、埠頭内の委託業者が労工処の監督下で各業種の賃上げ幅を統一することを書面で約束したものであり、妥当性と信頼性において当初これらの委託業者による口頭での賃上げ約束を上回るものです。ストライキ労働者は、このような手続によって委託業者に約束を守らせることができると考えています。組合と会社との間で団体協約を締結することはできませんでしたが、業者単独の口約束よりも前進したと言えます。

また、それぞれの委託業者が労工処に提出した文書では、「労働者が自分の都合に合わせて作業を停止し、食事をとるようにする」、「トイレなど、労働者が必要なときにはクレーン作業室を離れることができるようにする」という約束も明言されています。また労働安全衛生の問題について元請港湾会社と協議することにも同意しています。組合およびストライキ労働者は、会社側が誠意をもって問題解決の具体的な約束を提示したと考えます。組合は引き続き会社側と具体的な改善方策について協議を続けます。

スムーズな職場復帰に向けて労工処は調整を行うべし

現時点で解決を要する最重要課題は、各業種の労働者の職場復帰を支援することです。とりわけ100名余りのクレーンオペレーターは雇い主であった高宝が廃業してしまったことから、新しい委託業者がいかに労働者たちの職場復帰を手配するのかについて組合として明確にさせる必要があります。労工処はこの問題に対応することを約束していますが、組合は委託業者が早急に対応方法を明らかにするよう要求します。組合は事後弾圧および労働者を分裂させるいかなる策動も絶対に許しません。

会社側の待遇改善を今後も監視する

組合は、委託業者が休憩時間、食事時間、労働安全衛生などの問題を改善するかどうかに関心を持ち続けます。また今後の賃上げおよび団体交渉権の獲得にむけた行動を、組合員と協議していきます。2007年の建設労働者のストライキの時と同様に、組合は今後とも納得のいく賃上げを勝ち取るために奮闘します。今日、建築労働者たちがディーセントワークを勝ち取ったように、明日には港湾がそれを勝ち取ることができると組合は確信しています。

市民の皆さんによる長期間の支持に感謝します

港湾労働者が40日ものあいだ持ち堪えることができたのは、ひとえに香港市民の義捐金と励ましによるものです。組合と組合員は市民の皆さんが長期間にわたり絶え間なく支持してくださったことに感謝します。労働者は一致団結し、生活のため、尊厳のために納得のいく待遇を勝ち取らなければならないということを、港湾労働者は行動で私たちに示してくれました。また今回の港湾争議を通じて、政府は早急に団体交渉権を保障する法律を制定し、労使対等の交渉を確立する必要があることが改めて明らかにされました。

以上


 

<2013年前半>

<2013年後半>

<2012年>

2013年前半 topへ