1月29日、東京永田町の憲政記念館で「村山談話を継承し発展させる会」が主催する「高市首相の台湾有事発言の撤回を求め、日本が再び中国に侵略戦争を仕掛ける事を許さない、緊急大集会」が開催され、市民や内外のマスコミなど、約200人が参加しました。
冒頭、村山首相談話の会の藤田高景理事長は、「高市首相は台湾有事発言を撤回していない。確信犯である事が明確になった。高市首相は、防衛力を増強し、スパイ防止法を成立させ、非核三原則を見直し、武器を輸出し、憲法を改正しようとしている。日中関係の悪化による経済的損失は計り知れない。中国と戦争をしようとする人に首相としての資格はない。選挙で高市首相を退陣させよう」と訴えました。
来賓の鳩山由紀夫元首相は、「衆院選の中で重要な争点なのに、議論がなされていないことに不安を感じる。高市首相の発言は、1972年9月の日中共同声明に反するものであり、これによって日中関係はめちゃくちゃに壊されてしまった。昨年9月3日の抗日戦争・世界反ファッショ戦争勝利記念祝賀宴で習近平主席が『悪いのは日本軍国主義であって、日中両国人民は共通の被害者』と述べていたのが印象に残っている」と述べました。
また、田中優子法政大学元総長は、「ポツダム宣言には『日本国国民を欺瞞シ、世界征服の挙に出るという過誤を犯させた権力及び勢力は永久に除去されなければならない』と書かれている」と語り、「戦後、日本から軍国主義者は除去されたはずなのに、安倍晋三首相以降、再び蘇ってしまった。そして高市首相になって、左右両派の対立と言うより、軍国主義者とそうではない者たちに分断されている」と話し、「軍事費をGNPの5%までに上げ、それを国債で賄おうとすれば、経済に多大な影響を与えてしまう。これによって国民は疲弊してしまうことを衆院選で伝えていく必要がある」と強調しました。
続いて行なわれた記念講演で、政治経済評論家で元経済産業省官僚の古賀茂明氏が、「米国でトランプ大統領が、『TACO(Trump Always Chickens Out―トランプはいつも尻込みして退く―)』と皮肉られているように、私は高市首相のことを『TACO市』と呼んでいる」と参加者の笑いを誘い、「中国との関係を安定させてこそ、初めて米国にものが言えるのに、現状では全く逆だ」と批判しました。
また、高野孟インサイダー編集長も、「台湾有事が話題なのは日本と米国だけ。ありもしない台湾有事で国策を誤ることはない。台湾有事はまず起こらないし、起こさせないようにするのが外交の知恵だ」と訴えました。
各界からの発言として、東郷和彦元外務省条約局長は、「この問題を見るポイントは3点ある。1点目は冷静に事態に対応し、分析をすることだ。2点目は米国との関係から日中関係を深く考える。そして、3点目が中国政府は高市首相に対する不信感が強いということだ」と分析し、「中国と戦争をしてしまうなど、狂気の沙汰としか思えない。中国は国連中心主義であり、日本はそれに協調していくことが重要だ」と話しました。
羽場久美子(青山学院大学名誉教授)、高山佳奈子(京都大学教授)、足立昌勝(関東学院大学名誉教授)の発言が続いたあと、日中労働者交流協会の伊藤彰信会長は、「今回、高市首相発言批判の本を緊急出版したが、タイトルに『日本軍国主義と決別し』と入れたことは間違いでなかった」と語り、「高市首相の発言は、『一つの中国』を確認した日中共同声明の否定であり、国交正常化を否定したものだ。マスコミは『台湾地位未確定論』を振りまいている。それこそが高市発言の狙いだったと言える。集団的自衛権を行使するためには、アメリカと同じ『あいまい戦略』に立たなければ戦争できない。今や高市首相は、トランプ親分の西太平洋における鉄砲玉となった。日本国民は軍国主義と決別しなければならない」と強調しました。

