長崎・中国人原爆犠牲者追悼式

伊藤彰信(日中労交会長)

 中国人原爆犠牲者追悼式が7月6日(日)10時30分から、長崎平和公園の中国人原爆犠牲者追悼碑前で行われました。「浦上刑務支所・中国人原爆犠牲者追悼碑」維持管理委員会と長崎の中国人強制連行裁判を支援する会(代表・内田雅敏、竹下芙美、崎山昇、平野伸人)が主催したもので、中国長崎総領事をはじめ、高校生も含めて30人ほどが参加しました。

     平野伸人さん

 主催者を代表して平野さんがあいさつに立ち、「1991年1月に平和公園の地下駐車場の建設現場で旧長崎刑務所浦上刑務支所の遺構が出土した。刑務支所と官舎には職員、家族、収容者134人がいたが、全員が原爆の犠牲になった。収容者81人の中には、中国人32人、朝鮮人13人が含まれていた。中国人原爆犠牲者追悼碑を建立することになり、2008年7月7日に除幕式を行い、毎年7月7日前後に追悼式を行っている。今日、私たちは中国人原爆犠牲者を追悼するとともに、日中友好を誓うために集まった。」と碑を建てた経過と追悼式の意義を説明しました。

   陳泳中国駐長崎総領事

 献花が行われたあと、来賓の陳泳長崎総領事が「80年前、日本軍国主義は侵略戦争を発動し、中国・アジア人民に残虐な行為を行ったが、日本人民もまた日本軍国主義の犠牲者だった。歴史を銘記することは、憎しみ続けることではなく、平和をつくりあげるためである。日中両国は4つの基本文書を結び、お互いに脅威にならないことを誓い、戦略的互恵関係を堅持することを確認している。中国は人類運命共同体の旗印を高く掲げて平和外交を続けている。日中両国が共に世界に平和を照らすことを希望する。」とあいさつしました。

 維持管理委員会の新海事務局長が「中国人強制連行の遺族が4月に来日し、この追悼碑にも詣でた。12月にも遺族を呼ぶ予定である。」と活動報告を行いました。

 原爆が投下された11時2分に黙とうをささげ、追悼式を終えました。