天津の爆破事故の続報です。時間がなくて続きの一部しか翻訳できませんでした。ごめんなさい。
死亡したり連絡が取れない消防員の多くが、港湾企業に雇われた若い農民工だったようです。待遇も悪く、雇用の流動性も高かったようです。危険な安全衛生環境で殺されるのはいつも労働者・農民です。
ごく一部ですが、亡くなった消防員たちのことを報じている報道(中国語)を紹介しておきます。
现役消防员流动频繁经验不足 消防员职业化呼声强烈
<2015年08月21日 05:48 来源:中国青年报>
BBC 中文網
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2015/08/150815_tianjin_firefighters
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2015/08/150816_tianjin_blast_firemen
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◆ 天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄(その2)
文:左楠
【三】 消防員のうち、36名と連絡が取れなくなっており、9名の死亡が確認されているが、消防員の身分や待遇は?
避難する人々の流れに逆らって進む消防員らの姿や命を懸けて人々の生活を守ろうとするイメージは人々のなかに深く刻まれた。しかしこれら生死を省みない消防員らが、派遣労働者であった可能性が非常に高いことを、いったいどれだけの人が知っているだろう
2012年、天津市は1000名の契約制の消防員を募集している。
契約制消防員とは何か。全国のケースで見れば、契約制消防員の大部分は、地元の警備会社あるいは人材派遣会社が、警察や消防の定員要求に応じて、人員を募集し、研修を経て試験に合格すれば、警備会社(または人材派遣会社)と雇用契約を締結し、警察あるいは消防に派遣され、現役(正規)の消防士と同じように勤務して、消火活動や救助活動に従事する。警察や消防は、一定の管理費を派遣会社に支払う。雇用者義務は派遣会社が引き受ける。
契約制消防員と警察あるいは消防のあいだには「使用関係はあるが雇用関係はない」。逆に契約制消防員と派遣会社の間には「雇用関係はあるが使用関係はない」ということになる。つまり契約制消防員とは派遣労働者のことである。
専門家によると契約制消防員には以下の法的リスクが存在するという。
(1)雇用様式が法律に合致しない(長期の雇用契約ではなく臨時の雇用契約である)
(2)賃金待遇が法律に合致しない(現役消防員との間の賃金格差)
(3)労働時間と休憩時間が法律に合致しない(現役消防員と同じく24時間待機制度だが、派遣法に規定されている時間外労働の割増が加算されていない)
まず気になるのが、消防員の派遣労働が、国務院が規定する臨時性、補助性、代替性の職位に当てはまるのだろうか。
そして、このように高度に危険な職種に派遣労働を用いてよいのだろうか。本当に問題はないのだろうか。
天津での爆発事故で消防員36人と連絡が取れなくなっており、9名の死亡が確認されている。事故の死者は17名で、そのうち9名が消防員ということになる。死者に占める割合は53%。最初に現場に駆け付けた救助隊は、最初の爆発のあとに火災現場に入ったが、その時に発生した二回目の爆発はさらに大きく、火災現場の部隊全員と連絡が取れなくなったという。彼らの生存の可能性はどの程度なのか。彼らは派遣労働者ではなかったのか。現役の消防員と同じ待遇で同じ補償を得られるのだろうか?
※訳注:8月16日のBBC中文の報道によると、連絡が取れなくなっている85名の消防員のうち、72人は天津港を管理する天津港企業集団に所属する消防員、13人が天津市消防局の正規の消防士(公務員)だという。天津港企業集団所属の消防員は派遣会社から派遣されており、入れ替わりも多いという。
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2015/08/150816_tianjin_blast_firemen
天津の爆発事故:知っておくべき五つの事柄 (その2)-「惟工新聞」より(8月22日)