カテゴリー別アーカイブ: 日系企業

台湾:富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入(10/31)

富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入台湾の富士ゼロックスのストライキ(昨日で8日目)の続報ですが、昨日の労使交渉をまえに、台湾全土の富士ゼロックス支部から100人が結集して勤労権を訴えました。
以下、苦労網の報道の訳です。

原文と写真はこちら


台湾:富士ゼロックス
労使交渉をまえに台湾全土から組合員が台北に結集
2018/10/30

苦労報道

張智琦(苦労網記者)

富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入富士ゼロックス労組のストライキは8日目に突入した。今日(10月30日)午後、労使交渉が行われるが、会社からの回答を促すために、労働組合は台北、三重、中歴、台中、高雄の五つの地域で行われているスト拠点から100余名の組合員を動員して、日本交流協会[国交のない台湾での日本政府の代表機関で外務省・経産省が管轄]に結集し、「日本企業は解雇するな、働く権利を保障せよ!」と声をあげ、日本企業の富士ゼロックスが解雇をやめて、労働者の勤労権を保障することを求めた。

日本企業の富士ゼロックスは台湾で300人の整理解雇を計画している。富士ゼロックス労組は10月23日から台湾全土でストライキを打ち、今日で8日目に入った。労組はこれまでに労働部、外交部に要請行動をおこない、日本交流協会で座り込みなどを展開し、今日の労使交渉に至っている。労組は台湾各地にある倉庫でピケを張っている組合員から100余名を台北に動員し、日本交流協会に申し入れを行い、その後、台北の台湾本社で交渉結果を待つ。

富士ゼロックス労組の鄭炎委員長によると、昨日、台湾富士ゼロックスの勝田昭典董事長と交渉したが、会社側が受け入れたのは組合員に対して懲罰や警告など不利な扱いを行わないということだけで、従業員らの勤労権の保障は難しいとの考えを示したという。鄭委員長は、日本企業はたった200~300人の勤労権さえも保障できないのか、まるでかつての植民地時代のやり方で台湾人を抑圧するのか、「台日友好」とはたんなるイメージだけのものなのか、「日本企業が中華民国憲法で保障されている勤労権の考えに反した行為をしながら、台日友好を語る資格などあるのか?」と厳しく批判した。

三重倉庫の職員で、富士ゼロックス労組の監事の孫元敏によると、会社側は三重の倉庫から在庫を持ち去ろうとしたが、三重倉庫の組合員らがピケを張って会社の侵入を阻止して、ストライキのピケット・ラインの防衛に成功した。孫氏は、この数日間は、組合員が不満を漏らすこともなく、交代で夜を徹して三重倉庫を守っているので、他の地域の組合員も、会社が勤労権の保障を約束するまで、最期まで持ち場を堅持してほしいと語る。

富士ゼロックス労組の上部組合の桃園市産業総工会の荘福凱委員長も応援に駆け付け、赤字も出していない台湾支社でリストラをする日本企業を批判し、日本企業がかつてのような植民地的考えで台湾の労働者に接することのないよう訴え、早急に労使交渉を行うことを呼びかけ、桃園市産業総工会の役員と組合員は全力で富士ゼロックス労組のストライキを支援することを表明した。富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入

富士ゼロックス労組は日本交流協会への要請行動を終え、一列縦隊で近くの富士ゼロックス台湾本社まで歩き、オフィス街の人々に対して「わたしたち富士ゼロックスの社員はみなさん同じサラリーマンですが、会社からいじめられています。みなさんも労働組合を結成しましょう」と訴えるとともに、勤労権の保障という労働組合の求め会社が応えるよう訴えた。

富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入

富士ゼロックス労組がリストラに抗してスト突入

失踪から10日目:沈夢雨の自筆の手紙(2018/8/23)

ニッパツ100%子会社の広州日弘を不当に解雇された沈夢雨さんらは、深圳の佳士科技公司(JASIC)で組合を結成しようとして解雇された労働者を支援するさなかに、何者かに連れ去られました。その沈さんが拉致されているさなかに書いた自筆の手紙が香港の労働NGOが公表しました。全文を訳しました。

原文および手紙の画像はこちらです

ロイターもこの事件を報じています。英語ですがリンクぶら下げときます。

またJASIC労働者や拉致された沈さんらを支援するために北京、上海、南紀など全国各地から集まった学生たちが寝泊まりしていた宿舎に、今朝(8/24)に機動隊がなだれ込み学生ら50人が拘束されています。その瞬間の映像も香港の労働NGOのSACOMがウェブにUPしていますので、紹介しておきます。

!!URGENT!!! Around two hours ago, at midnight, over 50 students from the Jasic concern group were arrested by the police at their rented place. All of them. This is the video taken right before they were arrested. Please share this post!!!!緊急!!!大約兩小時前,清晨十分,防暴警察至佳士工人聲援團租屋處清場,在場超過五十名同學全部被捕。這是被捕前學生拍攝的影片,請多多轉發,擴散消息!

SACOMさんの投稿 2018年8月23日木曜日

がんばれ!
以下、沈さんの手紙の訳です。 (会員・IY)


失踪から10日目:沈夢雨の自筆の手紙

2018年8月23日

8月11日、法律にしたがって労働組合を結成しようとした佳士科技(JASIC)労働者を支援してきた広東の労働運動活動家の沈夢雨は、友人たちとの夕食最中に連れ去られた。それから10日後、沈夢雨が自筆で現在の状況と経過を書いた手紙を支援団体がウェブ上で公開した。以下はその全文。

◇ ◇ ◇ ◇

夢雨です。私は8月11日に闇の勢力にそそのかされた両親の親戚に連れ去られてからずっと軟禁されています。

その日の晩、連れ去られて載せられた黒色のSUV車には、私の両親のほかに、助手席に見たことのない50歳くらいの太い眉をした男が座っていました。彼は私を拉致したことを確認すると電話を掛けました。わたしはすぐに男の手から電話を叩き落しましたが、両手を拘束されてしまいましたので、彼の顔に唾を吐きかけ、大いに罵ってやりました。なんと爽快だったことでしょう!

その後、軟禁場所に連れていかれると、その男は私と同じ建物で寝泊まりしました。

私は軟禁され、シャワーやトイレにも監視がつき、外に出ることはできません。ドアの外には一組の男女が監視しています。広間にはたくさんの監視がいますが、すべて見たことのない人ばかりです。かれらの会話から「大隊」といった言葉が聞き取れました。私たちの携帯は没収され、室内には電波遮断機が設置されています。

こういう状況なので、外部の様子は分からず、連絡も取れないのですが、それでも私は兄弟姉妹たちが果敢に闘っていることを信じています。というのも、彼ら[監視者]は、まだ14人が釈放されておらず、罪を認めない労働者は起訴されるだろうと言っていたからです。

どれだけ軟禁が長くなろうとも、わたしの心は決して折れません。わたしたち声援団による労働者支援は、合理合法であり、私たちに対してどうすることもできなかったので、両親をそそのかして子どもを拉致させる下劣な手段に出たのです。ここの生活環境は留置場よりもずっといいことから、彼らが動揺していることが分かるというものです!

歴史の車輪はどんどんと進むだけです。わずかな闇の勢力の跳梁跋扈程度ではそれをとどめることはできません!労働組合の結成は、現実の白紙の上に黒い字でしっかりと書かれた法的権利であり、それを罰することはできません。公平な正義ものなのです!

「JASIC労働者の闘いの歌」を歌い響かせよう。労働者は無罪です。拘束したすべての労働者を釈放せよ。

沈夢雨:団結はチカラ(2018/7/2)

広州日弘機電(ニッパツの100%子会社)の労働者が2018年に実現した法定住宅積立金と賃上げについて、同社を不当に解雇された沈夢雨さんが論じた文章をざっと訳してみました。懐かしい言い回しなどは、中国の特色ある労働運動ゆえ。


沈夢雨:団結はチカラ
2018-07-02

2018年上半期、日弘公司で、日弘労働者の団結の力を示す二つの事件が発生した。

一、2018年6月19日、日弘は、派遣労働者と派遣から正社員に転換した労働者に対して、派遣身分のときには未納だった法定積立金を遡って納付することとを通知した。これは、日弘労働者たちの要求が実現したということである。

二、2018年の賃金交渉において、経営者とそれにおもねる労働組合執行部の意向を上回る回答を引き出した。当初、経営側は1.66%の基本給引き上げを提示していたが、われわれは6%+200元を勝ち取った。大部分の現場労働者の基本給が400元以上引き上げられる計算になる。年末一時金も経営側の3.5カ月に対して、4カ月+業績分を勝ち取った。

これらの勝利はどのようにして実現したのか。もちろん経営側の恩寵などではない。それは労働者全員の取り組みによって実現したのであり、とりわけ経営側に物申すことを厭わない果敢な労働者の功績が大きい。

一、圧力に屈せず団結して積立金をかちとる

経営側は、2018年1月まで、派遣労働者の住宅積立金を一銭も納付してこなかった。それによって、いったいどれだけの搾取が行われてきたのだろうか。

2018年が明けてから、周辺の工場の派遣労働者たちは積立金を勝ち取っていた。日弘の労働者も次々たちあがった。当初、積立金を勝ち取った人間は2~3人だけにとどまっていたが、すぐに20~30人に増えた。みんなで一致団結して、悪徳派遣業者と悪徳経営者に対して知恵を駆使して対峙し、最終的に積立金をかちとったのである。

その過程では、「出る杭は打たれる」といった警告もあった。たしかに最初に要求したときに、会社は見せしめとして、2名の派遣労働者が派遣会社に送り返されたが、それでもみんなは挫けなかった。逆にますます多くの労働者が積立金要求の隊列に加わり、団結した労働者たちを前に、経営側もお手上げとなり、圧力に屈して、積立金を遡って納付することに同意するほかなかった。

現在、200名近くの労働者が派遣身分のときの住宅積立金を遡って勝ち取ることができた。5000元もの積立金を勝ち取った労働者もいた!

当初、積立金を遡って納付するよう求めた労働者が狙い撃ちされたが、そのときは大部分の労働者のあいだに団結する意味が理解されていなかったからであり、いったんそれを理解したあとは、狙い撃ちされることもなくなった。団結こそが労働者の権利を守る最も有効な手段であり、団結した労働者全員を解雇したくても、そんな度胸は経営側にはなかった!

二、団体交渉に積極的に参加して成果をかちとる

賃金の団体交渉は、われわれ労働者の切実な利害に関係する事柄であり、一人一人が積極的に参加すべきである。しかし経営はさまざまな方法を通じて労働者の参加を阻害する。多くの労働者を交渉に参加させたがらない理由はいうまでもない。

2018年の賃金団体交渉は波乱万丈で息をのむ展開だったといえる。われわれ労働者ははじめて民主的権利を行使した。もちろんそれは、あまり徹底したものではなく、さらに大いに改善の余地はあるにしても、まったく行使しないよりも、はるかに意味のあることだった。

今年は、多くの労働者の参加によって、現場労働者の利益を代表して交渉に臨もうとしていた沈夢雨を、交渉員に推薦することに成功した。経営側とそれにおもねる労組執行部はあらゆる方法でそれを阻止しようとしたが、労働者たちは団結してその企みを跳ね返した。

多くの労働者がウェブ上であるいはリアルの世界でわれわれの交渉代表への支持を表明した。組合執行部は代議員大会で沈夢雨の交渉資格をはく奪しようとしたが失敗した。管理者は職権を濫用して労働者を恫喝し報復したが、それに屈しない労働者は、アンケート用紙への記入や彼女ために証言するといった実際の行動で彼女への支持を表明した。

後日、会社と組合執行部は共同で沈夢雨を不当解雇に追い込んだが、労働者の怒りを治めるために、譲歩せざるを得ず、団結した労働者の要求をのまざるを得なかった。

団結は力だ!小団結は小さな成果、大団結は大きな成果だ!

今年、われわれが積立金と賃金交渉においてかちとった成果は、経営者の慈悲によるものではなく、みんなの努力によってかちとったものだ。団結こそ権利実現のカギである。

この過程において、われわれが勝ち取ったもの利益だけではない。同時に尊厳をもかちとったのだ。解雇された者や狙い撃ちされたものもいたが、それは団結を経験した人数に比べたらずっと少ない人数でしかない!

われわれはまた、経営側のひ弱な実態と組合執行部の醜悪な一面を見た。労働者に対する弾圧は物の数ではなく、まさに「一切の反動派は張り子の虎」である。この張り子の虎は、なかば燃えかかっている。さらなる恥ずべき行為は、さらなる憤激を招くだけで、その代償は計り知れなく高くなるだろう。

もちろん、今回の勝利で警戒を解いてもいいというわけではない。

派遣会社が納付していなかった積立金は遡って納付させたが、日弘自体の積立金問題もある。賃金は挙がったが、経営はかならず別な方法で、それを回収しようとするだろう。たとえば生産量の増加、残業の削減[作業速度UP]、高賃金のベテラン労働者の解雇などなどが考えられる。今回の勝利の地平を維持すると同時に、今後おとずれるであろう暴風雨に備えるために、さらなる団結が必要であり、そうしてはじめて煮込んだ鴨鍋が飛び立つ[手にした勝利を逃す]ことを阻止できるだろう。

仲間たち、がんばろう!

中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義(2018/7/12)

こんにちは、続けて会員のIYです。

広州日弘機電の事件で問われているのは組合民主主義だ、という分析があったので訳してみました。これは2010年広州ホンダのストライキでも問われたことでした。日本の労働者に問われているものは何なのか・・・は別に考えないといけませんね。以下、原文はすでに削除されたのか見当たりませんが、ご参考まで。


■中国:広州日弘争議で問われているのは組合民主主義

ひとりの女性労働者に対する違法解雇の事件は、2010年ホンダストライキ以後の、地方政府と自動車産業による労働者への弾圧の継続である。

2010年、南海ホンダでストライキが勃発し、ホンダ傘下の四つの工場の生産がストップし、数億元もの生産に影響がでた。このストライキでは、賃上げだけでなく、労働組合の民主的選挙という要求も掲げられた。ほぼ一か月にわたる闘争ののち、南海ホンダの労働者は勝利した。そしてこの闘争で掲げられた労働組合の民主的選挙という意識は、当時の珠江デルタで広がっていた自動車労働者のストライキのなかに拡散していった。

2010年以降、自動車部品産業が集中する広州経済開発区では、労働組合を通しての賃上げと年末一時金の獲得が、この地域の労働者の年間の二大焦点となっていった。2010年から2013年にかけて、意識的労働者が企業に就職して労働組合の執行部や交渉代表となり、一部の企業内労組の運営において労働者の立場を体現するようになっていった。同時進行で、開発区の労働者の賃金は明らかに上がっていった。

だが、賃金は上がっていったが、開発区の自動車部品工場のお得意先であるトヨタ、ホンダ、日産などは、毎年サプライヤーに対して値下げを要求した。工場では、休日入れ替えや残業調整など、労働強化が強められ、残業を避けるために[作業スピードがあげられ]、労災や職業病が増加した。

2013年から開発区労働者の行動空間[ストライキを取り巻く環境]に変化が見られ始めた。2013年以降は、地方政府や大小さまざまな資本家が一致団結して労働者に反撃をはじめ、労働者の行動[ストライキ]はリスクに直面し、積極分子は狙い撃ちされ、それ以前の数年間に積み上げてきた組合民主主義の経験は大いに損なわれることになった。

2013年の旧正月、開発区の東海自動車部品工場で年末一時金の団体交渉が行われていたときに、労働者がストライキを打って部長が務めていた組合委員長の解任を求めた争議のなかで二人の交渉代表が逮捕された。

この事件以降、逮捕された交渉代表は保釈され、裁判でも無罪となったにもかかわらず、開発区の経営者たちは「ストライキをすると逮捕される」と大々的に宣伝し、労働者の恐怖心をあおり、ストライキを抑え込んだ。

2014年から15年にかけて、デンソー、大友、白木などの[日系]自動車部品工場の労働組合の委員長や副委員長なども、職場を追われたり、辞職を迫られたりした。白木の組合委員長などは職場で暴行されるという目に遭った。これらの組合の委員長や副委員長らは、かつては広州市が進めてきた労働組合改革の好例として紹介され、労働組合の改革に関する学術会議のゲストとして招かれていたにも関わらずである。

2013年以降、開発区労働者の賃上げ・一時金交渉は、それ以前に比べて明らかに困難に直面した。組合の役員選挙も2010年以前の状況にますます似てきて、交渉代表に立候補することさえもはばかられ、その選挙もますます無内容なものになっていった。組合員から選出された代表であっても、ますます単なる「伝達機械」にならざるを得なくなり、たんに組合の決定を組合員に伝えるだけの役割となっていた。かつては当たり前のように見られた交渉前の組合員アンケートも、「労働者を扇動する行為」だとみなされるようになっていた。

組合改革の空間は消失したが、自動車部品工場と労働者の間の矛盾は先鋭化した!2017年、ホンダに部品供給していた広州アイパックの多数の派遣労働者が正規労働者への転換と同一労働同一賃金を求めてたちあがった。このたたかいは、開発区の他の会社の労働者にも影響を及ぼし、各工場で同じような要求が出された。沈夢雨がいた広州日弘機電でも、労働者が立ち上がり[正規職員と同じ]法定住宅積立金の会社負担を勝ち取った。

2015年、国家の最高指導者が組合活動に「機関化、行政化、貴族化、娯楽化」などの現象がみられると批判したことで、中華全国総工会は縮み上がり、この四つの現象を解消すると約束した。同じ年に沈夢雨は広州日弘機電に就職した。

2018年、沈夢雨は団体交渉のさなかに、労働者民主主義や労働者の権利を堅持したことが原因で、日弘機電の会社と労働組合によって解雇された。しかし夢雨は企業と組合執行部による現場労働者の民主的要求に対する弾圧に屈することなく、たたかいを継続し、会社を訴え、組合民主主義の実現を目指している。夢雨への違法解雇の事件が告げているのは、長いあいだ抑えつけられてきた開発区労働者による「自分たちの労働組合」という訴えなのである。

中国人強制連行に関する院内集会(11/27)

日時 2017年11月27日(月)午後2時~4時
場所 衆議院第一議員会館 地下1階の部屋(変更になりました) (会館入口で通行証をお渡しします)
・国会議員の挨拶
・弁護団と支援団体の報告
・三菱マテリアル和解当事者中国人被害者が来日・出席!
講演 強制連行事件の全体解決と歴史的意味 ―ドイツとの比較で―(仮題)
講師 石田 勇治 (東京大学大学院総合文化研究科教授)

 1942年11月27日、当時の東条内閣による「華人労務者内地移入に関する件」という閣議決定がなされてから今年で75年になります。この決定による日本軍の武力による中国人の連行は38,939人におよびました。
日本各地の35企業、135ヶ所の事業場で奴隷労働を強いられ、過酷な労働と劣悪な待遇の中で6,834人の中国人が命を失いました。
被害者中国人は10年に及ぶ日本での裁判を闘い、請求は退けられましたが、事実認定と当事者による解決を促す「付言」つき判決を勝取り、西松建設につづき昨年は三菱マテリアル(旧三菱鉱業)事件の画期的な和解も成立させました。
しかし、強制労働を強いた他の企業は未だに事件解決に向きあおうとせず、日本政府は国策で行ったのに、全く解決に動こうとしていません。
75年の節目の年に、中国人強制連行事件の全面解決に向けた運動を前進させるための院内集会を開催いたします。
みなさまのご参加をお願いいたします。

主 催:中国人強制連行事件の解決をめざす全国連絡会
中国人強制連行事件全国弁護団
連絡先:わかばの風法律事務所 FAX :: 03-3357-1788

「中国人強制連行の全面解決を! 院内集会」チラシ

広島で強制連行中国人受難者を追悼し日中友好を誓う集会(10/15)

内田弁護士から10月15日に広島県で行われた、中国電力安野発電所建設に
強制連行された中国人受難者を追悼し、日中友好を誓う集会の報告がありました
ので、代理投稿します。 (伊藤彰信)

******************************
内田です。お元気ですか。
西松安野友好基金は任務を終え解散します。今後は、地元の「継承する会」が
引き継いで行きます。別紙参考まで。
2009年10月23日の和解から8年、248名の受難者・遺族(全体は3
60人)に和解金をお届けし、翌2010年から始まった中国からの受難者・遺
族をお招きしての第1回追悼式~今回の第10回(途中、春夏と年2回もあり)ま
で199名の受難者・遺族が来日されました。石原都知事(当時)の尖閣問題挑発
により日中間が最悪になった2012年の追悼式には中国から来ていただけるだ
ろうかと危惧したこともありましたが、途絶えることなく民間の日中交流を続け
てくることが出来ました。
来日した受難者・遺族は、追悼式の後、強制労働の現場を回り、当時の苛酷な
状況に想像力を働かせ、翌日は原爆資料館を見学していただきました。
広島を中心とする市民団体、地元安芸太田町、中国電力、西松建設中国支店等
の協力があったからこそ出来たことです。

第9回「中国人受難者を追悼し平和と友好を祈念する集い」(10/15 広島) 内田 雅敏

 広島での第9回「中国人受難者を追悼し平和と友好を祈念する集い」に行ってきました。
2009年10月中国人強制労働西松和解の翌年10年から毎年、広島、太田川上流の中国電力発電所の一角に建立した「中国人受難の碑」の前での追悼会です。地元、安芸太田町長、中国電力、在大阪中国総領事館等からも参加を頂いております。
今回は前日に、「中国人強制連行の戦後 民間が拓いてきた日中交流 引揚げ・遺骨送還から和解へ」というシンポジュームを行ないました。
戦後なお中国に残留(いわゆる残留婦人、孤児とは別)していた約3万人の日本人の帰還事業(旅費を中国政府が負担)に対応した、日本からの民間の手による遺骨(強制連行・強制労働の受難者)送還運動→強制連行・強制労働の実態調査→賠償請求→裁判→付言による和解の流れがよく理解できました。
西松安野友好基金も来年で、任務を終え解散し、再来年からは、地元広島の「中国人強制連行・強制労働の歴史を継承する会」が追悼式を引き継ぎます。「中国人受難の碑」がいつか「日中友好の碑」になることを願っています(追悼式に参加した、或る遺族の言葉)。
来年からは、先日和解が成立した三菱マテリアルの追悼式(私の担当は長崎)も始まることになると思います。 続きを読む 第9回「中国人受難者を追悼し平和と友好を祈念する集い」(10/15 広島) 内田 雅敏

歴史に向き合い、和解から友好強化へ 内田雅敏講演会(2016年9月30日)

「過ちて改めざる、是を過ちという」、三菱マテリアル社(旧三菱鉱業)が中国人強制連行事件の和解にあたって受難生存労工に述べた謝罪の言葉である。同事件の和解を経て「日中友好の展望」と題する内田雅敏弁護士(戦争をさせない1000人委員会事務局長)の講演会が、9月30日、連合会館で開かれた。930uchida_a2

伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)
伊藤彰信(日中労働情報フォーラム代表)

はじめに日中労働情報フォーラム伊藤代表が「日本の平和運動の弱さは加害者意識が薄いことである。二度と戦争を起こさないために中国人強制連行・強制労働問題を加害者としての反省を背負いながら考えてみたい」とあいさつした。(伊藤代表のあいさつ詳報)
内田弁護士は、鹿島建設の花岡和解、西松建設の広島安野和解の経験を踏まえながら、今回の和解が「平和資源」と言える内容を持つものだと評価し、次のように講演した。
いままでの和解より前進した点は、①三菱鉱業だけでなく下請先を含む3765人を対象とした、②会社の代表者が中国に赴き受難者に直接謝罪した、③和解金額が大幅に増額された、④その使途も明確に定められた。裁判では、元労工の請求を棄却する決定がなされ、確定しているが、和解ができた根拠は、西松建設事件での最高裁判決の「西松建設を含む関係者(註=国を指す)において、被害者らの被害の救済に向けた努力が期待される」という「付言」である。 続きを読む 歴史に向き合い、和解から友好強化へ 内田雅敏講演会(2016年9月30日)

講演会「日中友好の展望 -三菱マテリアル中国人強制連行事件の和解を経てー 」

日中国交正常化44周年

講師 内田雅敏弁護士

6.12戦争をさせない全国署名提出集会・国会包囲抗議行動で発言する内田氏 (撮影・Shinya)

(戦争をさせない1000人委員会事務局長)

  • 日 時 2016年9月30日(金)18時30分~
  • 場 所 連合会館 2階 201号室

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
TEL:03-3253-1771(代)
地下鉄千代田線 新御茶ノ水駅 (B3 出口) より 徒歩約 1 分. 地下鉄丸ノ内線 淡路町駅より 徒歩約 6 分. 地下鉄新宿線 小川町駅より 徒歩約 4 分. JR 御茶ノ水駅 (聖橋口) より 徒歩約 7 分.

  • 会場費 500円(日中労働情報フォーラム会員は無料)
  • 主 催 日中労働情報フォーラム
  • 協 賛 平和フォーラム

日本は戦時中、中国人労働者を強制連行し、鉱山、ダム建設、港湾などの労働に従事させました。連行された38、935人のうち6,830人が苛酷な労働のため命を落としています。
今年6月1日、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)が強制連行された中国人元労働者に謝罪し、和解金を支払うことで和解が成立しました。今回の和解は、今までの中国人強制連行事件の和解に比べて、対象者が下請け先を含む3、765人と多く、和解金額も大幅に引きあがったものでした。
多くの中国人強制連行裁判に携わってきた内田雅敏弁護士に、今回の和解の意義と課題について報告していただき、昨年の安保法制成立以降、ますます緊張が高まる日中関係のなかで、日中友好を図るにはどうしたらよいか、その展望について語っていただきます。

930内田雅敏講演会
画像をクリックすると拡大図(PDF)に変わります

香港のNGO・SACOMが中国のディズニー・サプライヤーの労働条件を調査、改善を要望

先日、香港のNGO・SACOM(Students and Scholars Against Corporate Misbehaviour、多国籍企業の労働実態を監視する学者と学生の会)が、上海ディズニーランドの開園に合わせて、中国のディズニー・サプライヤーで多発する労災を糾弾する抗議行動を行ったことを紹介させていただきました。

そのなかで言及されている、上海ディズニーランド開園に先立って、このほど発表された、在中国ディズニーサプライヤーの労働条件調査報告書についてのプレス・リリースを翻訳しましたので、ご紹介します。

報告書は題して『労働者にはおとぎの国ではない』。上海では、アジア最大のディズニーランドの開園に先立つ5月20日、世界最大、売場面積5,000平米のディズニーストアが開店、その内部をテレビで見ましたが、ありとあらゆる(お菓子はないそうですが)ディズニーグッズで5,000平米の売り場はいっぱい。この影にいったいどれだけの労災被害者がいるか、どれだけの失われた指があるかと思うと、気が遠くなりそうでした。

★ プレスリリースの原文(英語版)URLはこちら

★ 報告書の全文(pdf、中国語、英語併記)はこちらです。

 投稿:わだともこ(レイバーネット・国際部)

 

 ★ 関連ニュース「上海ディズニーランド開園にあわせて抗議行動」

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[報告]   労働者にはおとぎの国ではない

―中国のディズニーサプライヤーにおける労働条件についての調査報告書

2016年6月14日

 われわれ Students and Scholars Against Corporate Misbehaviour (SACOM、多国籍企業の労働実態を監視する学者と学生の会) は、2005年の設立以来、中国のディズニーサプライヤーにおける労働条件について憂慮し続けてきた。
われわれが以前に行った調査では、工場において労災が頻発し、多数の労働者が、老朽化した設備のせいで指を切断していることが明らかになった。これを受けてディズニーは、これらの工場においていくつかの条件を改め、また、工場のリストを公表した。しかしながら、本件はまだ”めでたし、めでたし。終わり。”とはなっていない。先の報告から10年、SACOMの新しい調査報告で、従業員たちが未だに大きな労災リスクにさらされながら、ぎりぎりの生活を送っていることが明らかになっている。

この度の報告は、2015年7月から2016年2月に実施した、8つの在中国 ディズニーサプライヤー工場での調査にもとづいている。調査員は、工場の労働現場へ潜入し、また、周辺の労働者や入通院中の労働者から聞き取りを行った。3つの工場、とりわけ保温マグカップを製造している先行というサプライヤーの工場で労災が多発して おり、先行のある部署では、1ヶ月に10件を超える事故が発生していた。設備の老朽化と労働者へのトレーニング不足が原因で、従業員たちが指を切断したにもかかわらず、適切な補償がなされないという、明白な法律違反が起こっていた。事故による労災に加えて、労働者たちは、化学物質、ほこり、騒音による健康被害のおそれにさら されていたが、彼らはそもそもリスクについて知らされておらず、また、トレーニング や防護装備も提供されていなかった。

調査では、対象の8つの工場で非常な長労働時間が行われていること、一部の労働者は、ひと月の残業が144時間にも達すること、も判明した。さらに問題 なことに、残業代がきちんと支払われておらず、また、労働者は休みをとると罰金を課されていた。長時間労働はそれ自体健康に悪影響があるが、さらに、それによる疲労が労災を誘発していた。

労働者の多くが、会社から正式な契約書を提示され、署名するということをしていないことが判明したが、これは法に反する。正式な労働契約がないために、適切な賃金・手当て、その他の諸権利が明らかになっておらず、保証もされていない。さらに、8工場の雇用主たちは社会保障の企業負担金を払っていない。すなわち、彼ら経営者は、労働者たちが医療を受ける権利や、失業時や老後に保障を受ける権利を侵害しているということである。

この度の調査はまた、労働組合がある工場は8ヶ所中3ヶ所のみであることを明か にした。さらに、3ヶ所の組合も、役員は労働者の直接・間接選挙で選ばれておらず、まったく労働者を代表したものになっていなかった。

ディズニーがCSRとして唱っているものは、機能していないということが明らかになった。ディズニーは、サプライヤーをモニターしていると広報しているが、サプライヤーの工場にディズニーの監査が入る際は、事前に連絡が行っていることが、SACOMの調査で 分かった。
監査がいつ、どの項目について行われるのかサプライヤーが知っていれば、あらかじめさまざまな隠蔽がなされ、労働条件の真の実態を明らかにする監査などできない。

世界で2番目に大きいメディアコングロマリットであり、6月16日、上海に新たなディズニーランドのオープンを控えるディズニーには、中国に1,400あるそのサプライヤーの労働条件を改善する責任がある。労働者を搾取して巨大な利益をあげるのは正義に反する。 それゆえSACOMは、ディズニーが速やかに問題解決にとりくむことを要求する。

上述の、この度の調査で明らかになった諸問題を踏まえ、SACOMはディズニーに、サプライヤーの工場において下記を行うことを要求する。

1. 労働者の労働時間を短縮し、法律に則った休日、祝日の休みを付与すること。基本賃金と所得全体を引き上げ、法に定められた残業代を払うこと。所得は、労働の価値を反映するものでなければならないからである。

2. 旧式の、安全でない防護装備を[新しい、安全なものに]交換し、また、機械を[労働安全の観点からよりよいものに]更新すること。新規就労の労働者に対しては、安全および機械の操作に関する研修を1週間から半月実施すること。労災に遭った労働者には、失った所得や医療費、滋養のための支出、その他法が定める各種補償を払うこと。

3. 製造業者が下記を行うよう徹底すること。人体に有害ではない化学物質を使用すること、労働者に適切な防護装備を支給すること、および、半年毎に労働者の健康診断を行うようにさせること。

4. 製造業者が下記を行うよう徹底すること。労働者と法的に有効な労働契約を交わすこと、および、全労働者について社会保障費の雇用者負担分を法に則って払うこと。

5. 製造業者が労働者に罰金を課すことをやめさせること。また、工場の[寮の] 居住条件や食事のサービスを改善すること。

6. 児童労働を禁止すること。臨時雇用の労働者に、該当地域の最低賃金より低い賃金を払うことを禁止すること。(労働者派遣代理業者からの)派遣労働者や学生を正規労働者として雇用すること。また、”同一労働同一賃金”の原則を適用すること。

7. すべての工場で、労働者の民主的な選挙で選ばれた役員会を持つ労働組合を組織すること。

8. すべてのサプライヤーの社名および所在地を公表すること。また、メディアと大衆が、それらのサプライヤーの労働条件をモニターできるようにすること。

注:上記の[ ]内は、訳者が補った言葉で、( )は原文でもかっこに入れて記載されている箇所です。