カテゴリー別アーカイブ: 労働組合

歓迎あいさつ 常品超(中国職工対外交流センター副秘書長)

皆様と北京でお会いできて誠に嬉しく思います。私は、中国職工対外交流センターを代表して皆様の来訪を熱烈に歓迎します。皆様は、歴史を尊重し、平和を愛する友好的な信念を持って中国を訪問されました。私たち中国労働組合の友達であり、また中国人民の友達でもあります。伊藤先生は私たち職工センターの老朋友です。今年の6月に南京大虐殺遇難同胞紀念館の招きに応じて、日中労交と南京紀念館の開館以来の交流の歴史のインパクトを語られたそうですが、貴協会と南京紀念館のホームページで見ました。私たちは、それを見て当時の貴重な歴史を振り返ることができ、また中日友好の基礎が民間であることを再確認することができました。本日はこの場をお借りして、日本の右翼と果敢に闘い、長期にわたり中日友好と世界平和に取り組んでこられた皆様に崇高の敬意を表したいと思います。

常品超副秘書長の顔写真
常品超副秘書長

中国労働組合の状況

ここで中国社会、中国労働組合の主な状況について紹介したいと思います。紹介を通じて中国に対する理解を深めることができれば嬉しいです。

 現在、中国で話題になっているホットな言葉があります。それは「初心を忘れず、使命を胸に刻む」です。これは実際に中国共産党が上から下まで展開している特別教育活動です。つまり、刃を自分に向けた革命です。中国共産党員の初心と使命は、中国人民の幸福そして中華民族の復興の実現です。中国共産党は設立して以来、初心と使命をしっかり守っています。そして人民の強固な支持を得ています。初心と使命を守ることによって、中国共産党は小さな党から世界で一番大きな党に成長しました。今年は新中国成立70周年にあたります。それは中国共産党が全国で政務を執ることが70周年になるということです。中国では古い言葉があります。「勇敢に生き、安楽に死す」です。

習近平総書記は「私たち共産党は世界第一の党であり、私たちを倒す敵はありません。私たちを倒すことができるのは私たちです。」と言いました。ですから、「初心を忘れず、使命を胸に刻む」という教育活動を展開することは、現在、共産党内部に存在する初心と使命に背く問題を見出して、すぐに直して、中国の特色ある社会主義が新時代に入った肝心な時期に、共産党全員が力と認識を合わせて、全人民を率いて美しい生活へのあこがれを実現するように活動することです。

 皆様はご存知のことと思いますが、中国の労働組合は、結成以来、中国共産党の指導の下に活動を展開し、党と労働者大衆を結びつける架け橋であり絆です。今回の特別教育活動の中で、中国労働組合は労働組合の特色に応じて以下の活動に取り組んでいます。

  労働者の合法的権益を擁護し、労働者に奉仕する

一番目の活動は、労働者の合法的権益を擁護し、労働者に奉仕するという労働組合の基本的職責を果たすことです。現在、各レベルの労働組合組織は、調査・研究を行って現場労働者が最も関心のある、最も差し迫った難しい問題を解決して、大きな成果を上げました。例えば、今話題の中米貿易摩擦、サプライサイドの構造改革、労働者権益の問題を重視して過剰生産能力の削減の過程における労働者の就職の道を確保して生活を保障します。

もうひとつは、都市部における困難ある労働者の貧困脱却です。過去3年間において、各レベルの労働組合は合わせて252万世帯の困難ある労働者を救助して貧困脱却を実現しました。そして、2020年までに中国の労働組合は、現在登録している困難ある労働者の全員の貧困脱却を実現する見込みです。

もうひとつは、例えば、出稼ぎ農民工、トラック運転手、じん肺症労働者などの特別グループに注目して、彼らが理性的に自分の要求に応えるように指導して、関連部門と協力して彼らの問題を解決するように努力しています。全国総工会と交通運輸部は共同で「運転手の家」を建設する活動をしました。「運転手の家」とは、運転手が集まっているところ、例えば高速道路のサービスエリア、貨物・物流の集散地、物流の作業基地などに運転手のためにつくられた休憩場所です。「運転手の家」で運転手は、お湯を飲んで、あったかいご飯を食べて、シャワーを浴びて、睡眠をとることもできます。現在「運転手の家」は全国で76箇所がオープンしてます。今年の年末までに100箇所オープンする見込みです。

産業労働者の技能レベルと待遇レベルを引き続き向上させる

二番目の活動は、産業労働者の技能レベルと待遇レベルを引き続き向上させることです。インターネット、人工知能などの新興産業の発展につれて、伝統的な産業に働く労働者が沢山の問題とチャレンジに直面しています。問題は、例えば、所帯地位の弱化、職業発展進路の狭さ、養成システムの不完備、待遇レベルの欠陥などです。これらの問題を解決するために、2017年4月に中国共産党中央と国務院は、新時期における産業労働者チームづくり改革法案を打ち出しました。中華全国総工会は、この改革法案を実施するにおいて先導的な役割を果たしています。この改革法案は、国レベルの法案ですが、実施の任務は労働組合に与えられました。それも、労働組合の地位の重要さを表していると思います。というのは、この改革法案を実施する任務は、政府の行政部門が入っていますが、これらの行政部門も総工会の指導のもとに実施しています。これから長い間、中国労働組合は改革法案の実施を重要な活動としています。この法案の実施にあたっては、産業労働者の発展の進路をさらに広げて、産業労働者の技能レベル、待遇レベルを向上させて、広大な知識型・技能型・都市型産業労働者待遇づくりに取り組んでいきます。

労働組合の改革をさらに深化して労働組合の活力を強化する

三番目の活動は、労働組合の改革をさらに深化して労働組合の活力を強化することです。伊藤先生は労働組合改革に関する興味が深いと聞いていますので、活動の状況について紹介したいと思います。実は2016年から中国労働組合は力と資源を末端組織に傾けて、末端組織の活力を強化する活動を始めました。現在この改革はある程度成果を上げましたが、また新しい状況と問題に直面しています。中国経済の発展のスピードが非常に早いので、状況もいつも変わってきます。経済の発展の状況に合わせて、今後主に三つの活動に取り組んでいきたいと考えています。

民間企業、配達者(出前持ち)、トラック運転手などのいわゆる非正規労働者の組織化活動に取り組みます。皆様は労働組合の専門家ですので、非正規労働者の組織化が非常に難しい課題であることはご存知だと思います。大手企業労働者の組織化よりは、非正規労働者を既存のグループに加入させることは非常に難しいです。ですので、中国労働組合は力と資源を使ってこれらの労働者を組織するために非常に努力しています。

労働組合の組織率を高める

次に労働組合の組織率を高めるための活動です。労働組合を運営するには三つの条件が必要です。組織、組織のスタッフ・幹部、活動の場所です。全国で、労働組合の組織化、幹部の育成、活動の場所を積極的につくっています。例えば、労働組合の上部組織のスタッフの人数を減らして末端組織のスタッフを増やす。労働組合の会費を末端組織にもっと多く振り分ける。このようにして、末端組織に人手と資金を保障することができます。

インターネットプラスを利用して快適で普遍的なサービスを

もうひとつの活動は、インターネットプラスを利用して労働者にさらなる快適で普遍的なサービスを提供することです。中国労働組合の末端組織は、それぞれ数多くのアプリをつくって、アプリを利用して労働者にサービスを提供しています。会員の利用者は、アプリを通じて、まず労働組合を理解することができます。そして、労働組合から救助、サービスを受けることができます。ひとつ例を上げると、トラック運転手向けにアプリを利用してガソリン代の割引ができます。労働組合はガソリン会社と交渉して、一番多い割引は2割引き、年間で利用者はガソリン代を2万元節約することができます。このアプリによってトラック運転手の収入を月1000元ほど増やすことができました。

以上、中国の労働組合の状況について紹介しました。

皆様は、遠路はるばるいらっしゃった、労働組合の専門家でもありますし、中日友好の民間大使でもあります。現在の中日関係の全体的な勢いは良いです。8月10日に7年ぶりに副部長(次官級)クラスの戦略対話を再びスタートさせました。中日両国の副部長は、大阪で行われた中日首脳会談で達成した重要な書式を徹底して新時代のニーズに合わせる中日関係の構築に努力することを確認しました。皆様が今従事されている仕事は、非常に必要で非常に有意義だと思います。

貴協会に対してふたつの希望

ここで、貴協会に対してふたつの希望を述べさせていただきたいと思います。

まずは、皆様に正義の声を益々広めていただきたい。もっと多くの日本の大衆に本当の歴史を理解して、とくに若い人に正しい歴史観を確立していただきたいです。そして、もっと多くの日本の方々、とくに若い人を中国に連れてきていただいて、中日友好の種を撒くことを期待しています。

二番目は、皆様のホームページで中国労働運動に関するポジティブな報道をもっと多く宣伝していただきたいです。現在はとても怪しいことがあると思います。国外のメディアは中国労働組合に起きているホットな話題に対して報道は多くしていますが、その中で多くの報道は一方的で事実を歪曲する報道です。中国労働運動のこの数年間の成果については無視しています。

貴協会の皆様は労働分野の専門家です。我々両組織は、中日両国の労働組合、そして労働分野における共同の課題に対する研究と検討を強化することができると信じています。その上で中国労働組合のホットな話題にたいする全面的そして事実にあった報道をもっと宣伝していただきたいと思います。

伊藤先生、皆様に、私たちのアドバイスをぜひ検討してもらいたいと思います。

最後になりますが、皆様の今回の訪問が所期の目的を達成し、皆様の滞在中の健康と楽しい旅をお祈りします。

台湾:民主主義をかちとるための6・4労働者デモ行進

6月4日、中国では厳しい統制下でしたが、台湾では「台湾工人争民主6.4大遊行」(民主主義をかちとるための6・4労働者デモ行進)という労働者のデモがありました。

6月4日ですが、天安門事件30年とは関係なく、エバー航空やチャイナ・エアラインの客室乗務員らが加盟する「桃園市空服員職業工會」が、スト権投票がおわる6/6のまえに、会社側(エバー航空)に対して、誠実な交渉と要求の受け入れを求めるデモでした。 続きを読む 台湾:民主主義をかちとるための6・4労働者デモ行進

甄凱さん(岐阜一般)の活躍が「朝日新聞」に紹介される(3/25)

今朝の朝日新聞に日中労働情報フォーラムの会員でもある岐阜一般の甄凱さんの活躍が紹介されていますので、記事を添付します。(伊藤彰信)

   甄凱さんの活躍が紹介され[た「朝日新聞」(3/25)記事

中国人の労組支部長 実習生支える

賃金未払やパワハラなどに苦しむ技能実習生ら外国人労働者を助ける労働組合に、一人の中国人がいます。日本の労働運動の仕組みを学び、労働条件の改善に15年にわたり取り組んできました。…(以下略)

* 記事全文(PDF)

塵肺労働者を支援したフェミニズム活動家のパートナーへの弾圧(3/22)

こんにちは、会員のIです。

中国のフェミニスト・アクティヴィストの鄭楚然さん(ハンドルネーム:大兎)のfacebookで、一昨日の真夜中に突然、警察が鄭さんのパートナーの危志立さんを連行していった、という書き込みがありました。

社会秩序を乱したという容疑だそうです。昨年来よりメディアなどで取り上げられている塵肺労働者の補償をかちとるための活動を支援したことがそれにあたるそうです。

鄭さん自身は3年前の2015年3月に、世界女性デーを前にして逮捕された5人の中国人フェミニストの一人。 続きを読む 塵肺労働者を支援したフェミニズム活動家のパートナーへの弾圧(3/22)

中華航空のパイロット組合がストライキ(2019/2/8)

台湾の中華航空のパイロット組合がストライキに突入したという記事です。

◎反疲勞航班 華航機師展開罷工(過労フライト反対!中華航空パイロットがスト突入:苦労網)

台湾の中華航空のパイロット組合がストライキに突入

ストに突入したのは、桃園市パイロット職業組合中華航空分会のみなさん。

昨年8月にスト権投票でスト権を確立して経営側と、パイロットの労働条件(長時間のフライトではパイロットを増やす等)や組合差別を止めるようにという要求について協議を続けてきたようですが、すべての要求に対してゼロ回答ということでやむなくストへ、という感じです。今年に入り別会社ですが、パイロットが過労が原因とみられる心筋梗塞でなくなったりしていることなども背景にあるようです。

いまのところ桃園市労働局も強制仲介(スト中止)する予定はなく、労使が話し合って解決して欲しい、という態度のようです。

桃園市パイロット職業組合のFBページです。

中華全国総工会第17回全国代表大会について

何際霞

何際霞 氏

(中国職工対外交流中心技術経済交流処処長)

 2018年12月11日

 

 

中華全国総工会第17回全国代表大会は、今年10月下旬に開催されました。この大会は、中国の小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成の決戦段階そして中国の特色ある社会主義が新時代に入った時に開催された重要な大会です。大会で習近平主席の中国の特色ある社会主義の思想を指導理念として、労働者階級と労働組合活動に関する重要な討論を深く行いました。過去5年間の成果をまとめ、今後5年間の目標と任務を定め、規約を改正し、新しい指導部を選出しました。大会の性格は、団結、実務、激励、闘争の大会です。

大会は、中国共産党中央に高く重視されました。習近平主席が開幕式に出席し、李克強首相が中国経済情勢に関する報告を行いました。王滬寧・中国共産党中央政治局常務委員が中国共産党を代表してあいさつしました。習近平主席は、大会後に新しい指導部と会談し、重要なスピーチを行いました。スピーチの中で、総工会の5年間の活動を評価し、今後5年間の活動の方向性を示しました。このスピーチにもとづき今後5年間の基本的方向を決めました。

総工会は、中国共産党の指導の下で労働者自身が自発的に結合した団体です。総工会の組合員は3億人、基層組織は250万ほどあります。中国経済の発展に労働組合は重要な役割を果たしています。中国労働組合が国際交流を行うときに、平和・発展・協力・労働者権益を旗印に掲げています。労働組合の国際活動は、一帯一路建設を巡って各国労働組合の積極的交流を強化して、労働者の権益を守って実務的な協力を深化しようとしています。

これから、3つの方面から大会の紹介をします。

労働運動の時代的テーマを巡って、広大な労働者を団結させ、主人公として積極的に功績を立てる

労働運動の時代的テーマというと、中国の夢を実現する、中華民族の偉大な復興を実現するために努力することです。労働者に、自分の運命は国家の運命、民族の運命と緊密につなげる、自分の夢と国家の夢を緊密につなげるよう指導しています。中国の夢を実現するために、職場を愛して、まじめに仕事をして、幸せな生活をよりよくする未来を築くように共に頑張ります。具体的にはいくつかのやり方があります。

ひとつは、労働競技・技能競技を開催します。中国経済は高速成長段階から高質経済段階に変化しています。国家の重大な戦略やプロジェクト、重要な産業や職種、重点的な分野に沿って職種ごとの労働競技・技能競技を開催します。労働競技・技能競技のテーマは「主人公として新時代に功績を立てる」です。これがキーワードです。労働競技・技能競技によって技術の革新とか、発明・創造によって中国の質の高い発展、また近代化、経済体系の構造改革に役に立つように取り組んでいます。

もうひとつの重要なキーワードは、産業労働者のチームづくりの改革案です。2017年に中国共産党は新時代の産業労働者のチームづくりの改革法案をつくりました。実施は総工会が行っています。グローバル化のなかで競争力を向上させるには、労働者の質を高めなければなりません。待遇、職業訓練、労働模範の促進などの実施にあたっての細則をつくり実施しました。終身的な労働者の職業訓練のプログラムをつくっています。キャリアや社会的地位、いろんな面で産業労働者の能力を高めようとしています。総工会は関係省庁と連携して改革法案を実施していますが、改革によって中国の広大な知識型、技能型、革新型の産業労働者のチームをつくるようにしています。

もうひとつは、労働模範精神、職人精神を発揚します。日本の職人精神と似ていると思いますが、職人の精神を発揚して労働を栄養あるものとする社会的気風と研鑽に励む勤勉な気風をつくります。誠実に働く、勤勉に働く社会的雰囲気を醸成します。

労働者の権益を擁護し、労働者にサービスする

労働組合は労働者のために活動します。労働者が最も関心のある最も現実的な利益を巡って労働者の権益擁護を着実に実現します。労働者を重視して、どこかの労働者の合法的権益が侵害されたら、どこかの労働組合が立って発言しなければならないのです。

中華全国総工会は労働者にサービスする活動のブランドがあります。例えば、温もりを贈るイベントです。旧正月の前に総工会の幹部は全国を回ります。秋錦助学は、就学困難な労働者の子どもたちに援助する活動です。職業援助は、失業した労働者に就職促進活動、例えば職業紹介、職業訓練をする活動です。

もうひとつは、中国でインターネットが発達していますので、スマート労働組合を建設することに力を入れています。ネットを活用した情報提供です。4、5年前から行っています。インターネット・プラスですが、プラスはいろいろあります。労働組合加入もネットで可能です。買物、映画・演劇鑑賞の割引などです。

もうひとつは、農民工が増えましたので、農民工を集団的に組織化する活動です。労働組合に加入すれば、労働組合がよりよく農民工の権益を守ることができます。大きなプロジェクトは貧困援助です。国全体のプロジェクトでもありますが、労働組合としては困難のある労働者に困難から脱出する援助を行っています。労働者の合法的権益を守る面では、労働組合が労働者の利益の代弁者として活動しなければ、労働組合自身の存在の意味もなくなります。労働者の利益を守るには、まず源から、つまり労働者の利益を守る法律の策定に労働組合が積極的に参与します。

もうひとつは、供給側、サプライサイトの改革です。労働組合としては改革に積極的に参与して、改革による失業者に就職援助をします。新しい職を見つけるには職業訓練、就職先の紹介、社会保険との接続、労働関係の接続とか、いろいろなサービスを提供しています。労働組合で解決できることは労働組合で解決しますが、解決できないことは共産党や政府に反映して解決を積極的に推し進めます。

もうひとつは、調和のとれた労働関係の構築です。日本では労使協調ですが、中国では労働三者の協調システムを強化しています。シェアリング経済が進むにつれて、新しい労使関係も現れていますので新しい問題に直面しています。労働組合としては新しい労使関係を分析して、新しい労働組合の役割、対処を検討しているところです。

労働組合の改革

8月にも彭勇秘書長が詳しく説明しました。その時は4つの「化」、娯楽化、貴族化、行政化、官庁化を取り除く話でした。今日は3つの「性」を強化する話です。政治性、先進性、大衆性です。3つの「性」を強化するには、組織の設置、管理のパターンや運営のメカニズム、活動のやり方などいろいろな方法で労働組合の改革を行っています。

改革の目的は、より多くの労働者大衆とつながる組織をつくることです。労働組合の末端組織を強化します。現場にいる労働者と関わって、労働者大衆が一番関心を持つ問題、直接的に関係する利益を労働組合が取り組むことが改革の出発点です。末端組織の活性化、強化によって、より良いサービスを提供する、労働者の権益を守ることです。

もうひとつは、労働組合の組織の気風を変えます。労働組合のメリット、優位性は、一般労働者大衆と緊密に関わることです。一番危ないことは労働者と離れることです。気風を変えるには、まず労働組合幹部を教育しなければなりません。労働組合幹部を実践のなかで訓練するメカニズムをつくっています。労働組合の末端組織の活動は、労働者に焦点をあて、労働者によって評価する、労働者のなかで活動を行うことです。

以上、中華全国総工会第17回全国代表大会について簡単に説明しました。今後の我々の交流にも参考になると思います。


<関連記事>

第5次「日中不再戦の誓いの旅」~北京、南京を訪問~ 伊藤彰信
「誓い」の碑を前にしてーー藤村 妙子 (東京南部全労協事務局長/東京の満蒙開拓団を知る会共同代表)

外国人技能実習生が働く現場で何が起きているか?外国人技能実習生権利ネットワーク主催(11/11)

 衆議院で出入国管理法改正案の審議が11月13日から始まるのを前にして、「外
国人技能実習生の実態を知って!」と訴える集会が11月11日、東京で開かれ
た。外国人技能実習生権利ネットワークが、総会後の記念講演として開催した
「技能実習のリアル~いま、現場で何がおこっているのか」である。

外国人技能実習生権利ネットワーク共同代表・大脇雅子弁護士

はじめに同ネットワークの共同代表である大脇雅子弁護士(元国会議員)が
「送り出し機関での借金、日本の管理団体の搾取、まったく人道に反する扱いで
ある。公的な職業安定機関が労働者の権利が守られるよう紹介すべきで、12カ月
以上の外国人居住者を移住者として保護する国際ルールも知らない人がつくろう
とする制度は、技能実習生制度の問題を拡大するだけである」とあいさつし、改
正案を批判した。

そのご、クリーニング業界の外国人技能実習生の実態について鈴木和幸さん
(NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート)、外国人技能実習生問題に長
年取り組んできたが講演し、さらに佐々木史郎さ
ん(全統一労働組合書記長)、土屋信三さん(スクラムユニオン・ひろしま委員
長)、指宿昭一弁護士が報告した。

甄凱さん(岐阜一般労働組合)

鈴木さんは、クリーニング業界が価格競争によって組織的に技能実習生を使う
ようになり、不正・不当な競争が拡大していった経過を報告した。甄凱さんは、
カンボジア、中国、ベトナムの実習生の事例について、早朝から深夜までの長時
間労働、残業代は時給300円、賃金未払、強制貯金、給与明細書や雇用契約書の
不提示、労働災害、うつ病による自殺未遂、さまざまな差別・いやがらせなどを
報告した。

佐々木さんは、岩手県の建設会社に雇用されたベトナム人技能実習生が福島県
で除染作業に従事させられた事件について報告した。土屋さんは、日立製作所笠
戸事業所(山口県)でフィリピン人技能実習生が、電気機器組み立てという実習
計画とは異なる新幹線車両に窓や排水パイプ、カーペットやトイレを取り付ける
作業しかしていなかったこと、法務省と外国人技能実習機構の調査により実習計
画違反を指摘され、99名の実習生が解雇された事件について報告した。解雇から
30日間の短期滞在許可期間の中で日立と団交を行い、残りの実習予定期間22か月
分の所定賃金の支払いを確認した。指宿弁護士は、茨城県の「協同組合つばさ」
で農業に従事していた中国人技能実習生の裁判で、残業代の支払いを命じた判決
があったが、日常的なセクハラ行為は認められなかった。控訴して争うと述べた。

最後に、移住連の鳥井一平代表理事が「報告された実態は氷山の一角。日本は、
研修生・実習生と称して人権を無視した単純労働、低賃金労働者を受け入れてき
た。いまや、外国人労働者なしに日本経済は回らない状況になっている。新たに
外国人を受け入れても、実習生制度の問題を解決するものでなく、問題を引き起
こす制度をさらにつくることに過ぎない。技能実習生制度を廃止し、人権と労働
権が保障された多民族多文化共生社会をつくろう」と発言した。

<報告と写真:伊藤 彰信>

中華全国総工会第17期全国大会が閉幕(10/26)

中華全国総工会第17期全国大会が閉幕

安倍首相の訪中は、ちょうど中華全国総工会の第17回全国代表大会の開催期間中でした。
リンク先の紹介だけですが、以下経過です。

同大会は10月22日から26日までの期間、北京で開催されました。ご存じのように、総工会は文革中は活動停止を余儀なくされていましたが、改革開放で復活し、現在に至っています。
22日の開幕式には、習近平国家主席、李克強首相はじめ、党のトップである政治局常務委員7人全員が参加。
映像・画像報道(中国語

序列5位で「党の頭脳」と呼ばれる王滬寧が党中央と習近平総書記の委託を受けてスピーチしました。
王滬寧スピーチ(中国語)

王東明・総工会主席らもが各代表団の会議に積極的に参加し、党中央からのスピーチの意義を共有したという報道があります。
王東明・総工会主席ら大会の各会議に出席(中国語)

大会報告などはウェブでは確認できませんが(数日後にはUPされるか)、開催に先立って行われた記者会見では、前回の16回大会(2013年10月)からの5年間の成果や今大会の重点などが述べられています。また別の報道ではこの5年間の理論面での成果も報じられています。
記者会見(中国語)
  *五年来の成果(中国語、イラストあり)
  *理論面での成果(中国語)

安倍首相と会見し、第三国での共同投資や日中間の交流拡大を話した李克強首相は、前回16回大会で大きく報じられた「リーコノミクス経済講義」と同じく、今17回大会でも経済情勢に関する報告を行っていますが、報じられかたは前回のときよりも抑制されている感じで、まだ全文の報告はウェブでは確認できません(全文は掲載されないかも)。李首相の経済報告については、今年9月に大連で行われた「夏季ダボス会議」で、世界中のエスタブリッシュメントに向けて経済情勢を報告しており、そちらのほうは全文が公表されていますが、米中貿易戦争がいっそう深まる最中で、労働者に向けてどのような経済報告がなされたか、気になるところではあります。

中華全国総工会第17期全国大会が閉幕

17回大会での李首相報告の概要(2018/10/24中国語)
*李首相の16回大会での経済講義1~3(2013/10/21中国語)
http://cpc.people.com.cn/n/2013/1104/c64094-23421964.html
http://cpc.people.com.cn/n/2013/1104/c64094-23421964-2.html
http://cpc.people.com.cn/n/2013/1104/c64094-23421964-3.html
夏季ダボス会議(2018/9/19)でのスピーチ(中国語)
(英文)https://www.en84.com/jh/5861.html

10月25日には、新執行部が選出され、王東明氏が主席に、李玉賦氏が第一書記に再選されました。
同日、全国総工会と国の住宅都市建設部が共同で全国の街頭清掃工を慰問する呼びかけを発しています。

全国の街頭清掃労働者を慰問する呼びかけ(中国語)

そして、10月26日午前、17回大会は習近平総書記と党中央の呼びかけに応えようと訴えて、閉幕しました。

17回大会閉幕(中国語)


10/22-26の日程で開かれていた中華全国総工会第17回代表大会ですが、追加で中国語の資料がウェブに公開されていました。

・大会での報告(王東明主席 10/22)

・閉幕の挨拶(李玉賦第一書記 10/26)

・規約改正に関する決議(10/26)

・改正された規約

・規約改正についての記者会見

日中友好労働者シンポジウムに参加して(野島聡子)

日中平和友好条約締結40周年を記念して北京で行われた、「日中友好労働者シンポジウム」に初めて参加した。「日中友好労働者シンポジウム」も「中国職工対外交流センター」も「日中労働者交流協会」も初めて耳にする言葉ばかりであった。

今回の訪中は、いつもお世話になっているマエダさんから声をかけていただいたことからはじまる。中国の労働組合はおろか、日本の組合組織図なども正確に理解していないのに大丈夫かな…という不安もありながら……しかし、盧溝橋事件の記念館に行きたいためにはりきって参加。

親しくなった唐さん(総工会)と共に、野島聡子

中国人にとって日本や日本人についてリアルな声が聞けたら

わたしの中国のイメージは、厳かな漢詩の世界、またそこから見える圧倒的な力強さを持つ大自然、ラストエンペラー、パンダ…。中国共産党を頂点にまだ言論の自由がないと言われるなか、目覚ましい経済発展を遂げ人々は実に多様に生きているように見えた。テレビで見るニュースやドキュメンタリー番組を通し、行ったことのない中国という国や、親しくなったことのない中国の人を想った。 続きを読む 日中友好労働者シンポジウムに参加して(野島聡子)

日中友好労働者シンポジウム報告書

歴史を銘記し、未来に目を向け、

友好交流を促進しよう

日中友好労働者シンポジウム報告書

と き 2018年8月28日
ところ 日壇賓館(北京市)
 主催=日中労働者交流協会・中国職工対外交流センター

報告書の発行にあたって

伊藤彰信(日中労働者交流協会会長)

 このたび「日中友好労働者シンポジウム」を日中労働者交流協会と中国職工対外交流センターとの共催により北京で開催しました。シンポジウムのスローガンは「歴史を銘記し、未来に目を向け、友好交流を促進しよう」であり、回顧、現状、展望とテーマを分けて日中双方が報告し合う形でシンポジウムを行いました。

日中労働者交流協会にとってこのようなシンポジウムを開催することは初めてのことです。昨年12月に南京大虐殺犠牲者追悼国家公祭に参加する際に北京を訪れ、中国職工対外交流センターの彭勇秘書長からシンポジウムを開こうと提案を受けた時は、開催出来るかどうか自信がありませんでしたが、日中平和友好条約締結40周年にあたる今年に開催する意義は大きいと判断してシンポジウムの開催に向けて努力してきました。

4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談によって、朝鮮戦争の終結と朝鮮半島における恒久的で強固な平和体制の構築、朝鮮半島の完全な非核化を確認されました。平和五原則と反覇権を謳った日中平和友好条約の意義を改めて確認できると思います。また、日中関係は新段階へステップアップし、新技術の日中協力が進むと思います。AIなど技術革新による「第4次産業革命」といわれる時代は、労働者の雇用と働き方をどのように変えていくのか、そのなかで労働者の権益を守るにはどうすればよいのかということも、これからの日中労働者の交流の重要な課題となるでしょう。

今回の参加者は、地方でユニオン運動を担っている人が多くなりました。シンポジウムでは、連合の路線とは異なる平和運動、労働運動を闘い、中国脅威論を掲げる安倍政権を打倒しようと活動している労働者がいることを強調することができたと思います。また、日本側の発表についても日本側参加者にとって参考になることがありました。

シンポジウムでは討論時間がなくなり十分に「研討」することができませんでしたが、初めてのシンポジウムとしては大成功だと思います。日中労交の活動の過去、現在、未来を語ったことは、日中労交としても今後の日中労働者の友好と交流をすすめる上で新たな出発点になりました。シンポジウムの記録を残しておくことは重要なことだと考え、この報告書を発行することにしました。

日本側の報告については、発言原稿にパワーポイントの図表・写真を組み込んでまとめました。中国側の報告については、シンポジウムで配布された発言要旨を日本側の責任でまとめました。

ウェブ上で公開する報告書になりましたが、訪中の報告・感想なども参照していただき、さらなる、日中両国の労働者の友好と交流に役立てていただければ幸いです。

2018年9月29日(日中共同声明46周年の日に)


 プログラム

*各報告の見出し(ゴチック体・下線)をクリックすれば、報告本文(PDF)が開きます。

 開会あいさつ

江広平(中華全国総工会副主席、書記処書記)

伊藤彰信(日中労働者交流協会会長)

 テーマⅠ 回顧:日中民間交流の歴史

日中労働者交流協会と中華全国総工会の交流の歴史及び活動
(日本)伊藤彰信

中日民間交流を強化することが両国関係の改善に役立つ意義
(中国)文 徳盛

日本人の歴史観及び日本から見た中国
(日本)大城 航

友好往来を促進し、交流を深めよう
(中国)周 利民

 テーマⅡ 現状:中日労働者の重要な活動

中国労働組合の概況と主な取り組み
(中国)李 睿褘

日本労働組合の主な活動
(日本)広岡法浄

職人精神の育成に大いに力を入れ、労働者・
職員の資質を全面的に向上させる
(中国)彭芸

日本社会の現状と労働運動の役割
(日本)春川広司

労働模範の精神に学び、労働模範の手本と引率の役割を果たす
(中国)陳 伶浪

 テーマⅢ 展望:新時代における中日両国労働者の交流と協力の強化

新しい業態における働き方の変化と労働者保護
(日本)千葉雄也

新業態における道路貨物運輸産業の労働組合活動の革新
(中国)劉 路剛

有期ローテーション外国人労働者の権利保護護
(日本)甄 凱

中国科学技術交流センターが日本と交流と協力する概要
(中国)劉 暁燕

 総 括

日中労働者の交流と協力を深めようー展望と提案
(日本)伊藤彰信

中日友好労働者シンポジウムにおけるまとめの発言
(中国)彭 勇


参加者

日本側(15名)

1 伊藤彰信(日中労働者交流協会会長)
2  広岡法浄(三重一般労働組合書記長)
3  千葉雄也(労働運動研究討論集会実行委員会事務局員)
4  平安隆雄(国立木更津工業高等専門学校名誉教授)
5  保田 泉(地域労組愛知ユニオン委員長)
6  門永三枝子(神戸ワーカーズユニオン組合員)
7  前田純一(さかいユニオン執行委員)
8  春川広司(おきたまユニオン書記次長)
9  甄 凱(岐阜一般労働組合第二外国人支部支部長)
10 川中 厚(中国残留日本人孤児を支援する兵庫の会会員)
11 岡崎彩子(憲法を生かす会・ひょうごネット会員)
12 大城 航(沖縄県高教組那覇支部書記)
13 水摩雪絵(葛飾区議会議員)
14 木村匠吾(自治労山形県本部執行委員)
15 野島聡子(全国保険医団体連合会事務局員)

中国側(23名)

1  彭 勇(中国職工対外交流センター秘書長)
2  徐 璐(中国職工対外交流センター副秘書長)
3  文徳盛(中国国際交流協会参事官)
4  彭 芸(中華全国総工会宣伝教育部職工教育処処長)
5  李睿褘(中華全国総工会研究室理論処処長)
6  陳伶浪(中華全国総工会労働と経済工作部労働模範管理処処長)
7  張 偉(中華全国総工会女性労働者部総務処処長)
8  周利民(中国教育科学文化衛生体育工会弁公室主任)
9  劉路剛(中国海員建設工会弁公室主任)
10 劉暁燕(中国科学技術交流センター副研究員)
11 劉元文(中国労働関係学院工会学院副院長)
12 何際霞(中国職工対外交流センター国際連絡処処長)
13 王国卿(中国職工対外交流センター弁公室副主任)
14 宋秀菊(中国職工対外交流センター技術交流処副訳審)
15 満慶生(中国職工対外交流センター技術交流処副訳審)
16 李晶宇(中国職工対外交流センター技術交流処副処長)
17 李明亮(中国職工対外交流センター技術交流処講師)
18 冀永宏(中国職工対外交流センター台湾・香港・マカオ処幹部)
19 石晶晶(中国職工対外交流センター技術交流処幹部)
20 曹英超(中国職工対外交流センター国際連絡処幹部)
21 唐昭羽(中国職工対外交流センター弁公室幹部)
22 彭文卓(工人日報記者)
23 王 鑫(中工ネット記者)

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