会員から

石井知章氏の講演会「最近の中国の労働事情ー個別的労使関係から集団的労使関係へ」(2014年4月17日)

4月17日午後、東京のちよだプラットフォームでILO協議会主催の第15回海外社会労働事情研究会「最近の中国の労働事情ー個別的労使関係から集団的労使関係へ」と題した明治大学教授・石井知章氏の講演会が開かれ、約30名が参加した。

最近の中国事情講演会

 1970年代末から始まった中国における改革開放は、市場経済とともに労働力市場を発展させ、2008年の労働契約法の制定に至る個別的労使関係が発展した。その中で社会主義国家を前提にして工会は伝統的な伝導ベルト論に基づきストライキを抑制されている。その結果、工会の経営者との集団交渉が抑制される中で、2010年の広東省のホンダ部品工場で山猫ストライキが起こった。このストライキを契機に中国の労働運動はストライキを含め非常に活発化した。
 労働契約法は集団的労使関係を全般的に促進する中で、昨年登場した習近平体制は保守主義への回帰を志向し、労働運動に対して厳しい抑制政策が予測される。また、質疑の中で工会のストライキ権をめぐる変遷や市場経済化と民主化の今後を展望をめぐって活発に議論された。
 (報告・高幣真公)