会員から

朝日新聞「中国、労働者の権利は」常凱さん(人民大学労働関係研究所長)のインタビュー

 会員の高幣です。

 本日(6/22)の朝日新聞に「中国、労働者の権利は」というタイトルで中国人民大学労働関係研究所長・常凱さんのインタビューが掲載されています。今なぜ中国で山猫ストが拡大しているのかを解説し、憲法で労働者のストライキ権を明確に規定し、工会(労働組合)選挙の民主化を提案しています。記事の写真を添付します。
一読をお勧めします。
なお、常凱さんは現在、北海道大学の教授です。
(2013/6/22)

 ↑ 朝日新聞「中国、労働者の権利は」常凱さんのインタビュー記事の拡大写真

出稼ぎ労働者たちの移動は団結権が形骸化している中国で「春闘」はぴったり

 こんにちは。MLに参加しているYIです。
 高幣さんの紹介で、朝日を買って読みました。

 常凱さんのインタビューは、中国の労働研究者の良心ともいうべき内容でとてもよかったです。

 中国型の「春闘」もおもしろいです。春節の帰郷の際に、のべ数億人が移動する鉄道の運行を「春運」と言うのですが、金持ちや役人達は高額のチケットの飛行機や新幹線、一等寝台などで悠々と帰ることができるのですが(ときにはコネを使って乗車券を手に入れる)、出稼ぎ労働者たちはぎゅうぎゅうの硬座や無座という満員電車以上の満員で何百キロ、何千キロを移動するので、まさに「春闘」という感じですが、団結権や団交権が形骸化している中国では常凱さんのいう「春闘」はまさにぴったりのネーミングだとおもいました。

 7月1日から実施される改正労働契約法などでも、巨大な雇用格差はなくならないとは思いますが、そのへんについてもコメントなどあるとよかったかと思いました。

 あと労組役員の選挙についても、すでに総工会が日本のリコーの現地企業で行われている労組役員選挙のモデルを持ち上げて「理光経験」などど称して、外資のなかで広めつつあります。その点についてもリアルな実態の暴露などがほしかったと思いました。

 以上、簡単な感想でした。(2013/6/22)

 上の写真は、今年2月11日、乗車券を求める人で一杯の福州駅券売所(人民網日本語版)