会員から
広州日中労働研究交流会(2013年11月)で推薦する
中国労働者の現状・運動を研究する参考文献
今年1月、東京でエレン・デービッド・フリードマンさん(中国広州・中山大学客員研究員)は「現代中国の労働運動 その実像、虚像と将来像」と題する講演で、「われわれは中国労働者階級の資本主義への真っ向からの挑戦に刺激を得られる」と述べました。これは中国の労働者の現状と闘いについて基本的な認識を得られる重要な研究会でした。その後、講演会を主催した明治大学労働教育メディア研究センター等3団体と中山大学労働問題国際研究センターとの研究交流会が11月に約1週間中国の広州で開催されることが決り、日本から労組役員、活動家、弁護士、研究者、ジャーナリストなど15名が参加します。その交流の準備と打ち合わせ勉強会で中国労働運動の学習に以下の文献が推薦されています。当フォーラムの皆さんも参考になるのではと思い、以下に転載します。
なお、この日中労働運動の研究交流は終了後に報告集や報告会が予定されている。また、成功すれば研究交流の継続も企画されている。私(高幣)もこの団に参加します。
高幣真公
<参考webサイト>
◇エレン・デービッド・フリードマンさん「現代中国の労働運動 その実像、虚像と将来像」研究会の報告記事
◇中山大学(中国広州市)国際労働共同研究センターのホームページ
A 山崎精一さんの当初推薦
1 現代中国政治と労働社会 石井知章 御茶ノ水書房
2. 中国社会主義国家と労働組合 石井知章 御茶ノ水書房
3. 中国の労働問題 塚本 隆敏 創成社
4.. 中国における工会と草の根労働NGOの変容 澤田ゆかり
個人加盟ユニオンと労働NPO 遠藤公嗣 ミネルヴァ 所収
5. 中国絶望工場の若者たち 福島香織 PHP研究所 *I・Yさんの書評

B 馬場裕之さん(中国語通訳)の推薦
1、NGO動向
『中国の市民社会――動き出す草の根NGO』 李?エン(岩波新書) 2012年 → 政府の弾圧の対象となっていないNGOについて書いています
2、戸籍制度
『中国における戸籍制度改革の動向』 鎌田文彦 国会図書館リファレンス 2010年 → 成立経緯と問題点がよくまとまっています
www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/pdf/071003.pdf?
3、経済動向
『中国の台頭の終焉』 津上俊哉(日経プレミアシリーズ新書) 2013年 → 融資焦げ付きリスク、産業構造転換、生産年齢人口減少の問題に焦点を当てて、短期、中期、長期的な中国経済の高成長の終えんの必然性を述べています。
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C 高幣さんの推薦
「 インターネットと中国共産党ー『人民網』体験記」
佐藤千歳 著 講談社文庫 定価 695円(税別)
<紹介> 著者は若い(1974年生まれ)の北海道新聞の記者。「人民網」は中国共産党機関紙「人民日報」のインターーネット版で日本語版を出している。
著者が2005年、北京の人民網日本語版編集部に交換派遣された2年間の見聞を書いている。若い日本人の女性ジャーナリストが見る中国社会の裏側を精緻にルポしている。中国社会と政治の裏側に鋭く関心を向けている。と同時に普通の若い女性の感覚を隠さない。中国社会の現状を知る楽しい読み物だ。
D 山崎精一さんの当初に追加
1. 変容する中国の労働法 山下昇 編 九大アジア叢書
2. 中国の目覚めた民衆 習近平体制と日中関係のゆくえ 興梠一郎 NHK新書
3. 現代中国女工哀史 レスリー・T・チャン 白水社
4. 中国貧困絶望工場 アレクサンドラ・ハーニー 日経済BP社
5. 中国反日デモの深層 福島 香織 扶養社新書